今回は社会人5年目の28歳男性からのキャリア相談です。新卒でSE職に就きましたが、以前から会計に興味があり、税理士にキャリアチェンジを希望しています。どうやって税理士を目指すか悩んでいるとのことです。下記の具体的なご相談内容をもとに、経理・財務職のご転職相談を年間通じて多数受ける『最速転職HUPRO』がご回答します。
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28歳男性。大学卒業、SE職に就く。約5年間SE職を経験したのち、大学で会計学を勉強していたことで税理士へキャリアチェンジしたいと考えている。どうやって税理士を目指すのがベストか悩んでいる。
現在SEとして働いていますが、大学時に会計の勉強をしていたこともあり、税理士に興味があり会計事務所への転職を希望しています。資格は簿記2級を大学時に取得しました。現在の仕事は体力的に負担が多く、また職場環境も合わないため、早めに転職したいと考えております。
なお、税理士受験も考えてはいますが、試験に専念するのは生活的にも厳しく、そのため、会計事務所で働きながら、簿記1級や税理士試験の受験を考えています。
そこで、今後のキャリアについて、転職活動をすぐ開始し、アルバイト・パートでも良いので会計事務所に入る。あるいは、税理士試験の簿記論、財務諸表論を取得するまでは転職せずに、今の会社で勤務しながら学習して、合格後に転職活動をする。以上の2つの選択肢で迷っています。ぜひアドバイスをお願いします。
この度はご相談いただき、ありがとうございます。
ご相談者様のように、将来性や安定を求め、IT業界から税理士業界への転職を考える方は男女ともに非常に多いのが現状です。IT業界は成長見込みはあるものの、変化のスピードも速く、常に勉強をし続けなければならないというプレッシャーにさらされることも多々あります。また、日本社会全体の流れに目を向けても、2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化されたように、IT知識や技術を持つ多くの若者が、数年後に市場に流れてくることになるため、競争はより激しくなります。
そのような事情から、IT業界は実力社会。若いうちから高給のケースも多いですが、実力が伴わないと昇級しないことも多々あります。一方で、会計事務所では、最初は給与が低いケースが多いですが、実力をつけていくことで着実に昇級できるというメリットがあります。
以上から、「現在の仕事は体力的に負担が多く、また職場環境も合わないため、早めに転職したいと考えております。」という事情を加味し、転職意志が明確ないし、転職にかなり心が傾いている場合には、まずはアルバイトやパートでも良いので、会計事務所への転職を検討し、もう少し今のまま仕事を続けられそうであれば、まずは今の環境で簿記論と財務諸表論の合格をおすすめします。
仕事をしながらの勉強や、仕事をしながらの転職活動は、時間的制約という点でかなりの負担があります。なかなか勉強時間が取れず、精神的にも肉体的にも疲れ、最終目標である税理士資格取得が先延ばしになってしまうことも考えられます。
まず考えるべきことは、税理士資格取得のための勉強に時間を費やすことができる環境に身を置くことです。今の仕事にとどまるか、転職をするかは、最終目標達成のための手段に過ぎません。
今の環境のままで税理士試験の受験をするのであれば、転職活動をせずに現在の生活状況を少し見直し、勉強時間を作るという作業をすればよいことになります。もっとも、体力的に厳しい状況で、勉強時間を捻出することは難しいかもしれません。
他方で、今すぐに会計事務所への転職をするのであれば、転職活動をするという時間的・精神的負担がまず生じます。もっとも、パートやアルバイトという働き方であれば、時間の捻出は間違いなく容易になり、最終目標達成に向けて自分で時間やスケジュールをコントロールできるようになるでしょう。
最終目標達成のためのスケジューリングとしては、できれば30歳前後で2科目合格、30代半ば、遅くとも40歳までに税理士資格を得るという形が望ましいです。
30歳前後で2科目に合格できていれば、未経験であっても正社員で雇用される可能性は大いにあります。アルバイト・パートでの経験も強みには十分になるでしょう。
短期的には約2年後の2科目合格に向けて、勉強できる体制、環境づくりに専念されることを強くおすすめします。転職は決して逃げではなく、目標を達成するための手段ですので、ご自身の現状を客観的に観察し、勉強をする上でのベストな環境づくりに向けて早期に動き出されることを期待しています。