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未経験でも簿記2級があれば、経理や会計事務所に転職できる?転職事情をご紹介!

HUPRO 編集部
未経験でも簿記2級があれば、経理や会計事務所に転職できる?転職事情をご紹介!

簿記2級の資格は持っているけれど未経験で経理に転職は可能なのか、または経理へ転職するために簿記2級を取得した方がいいのかという疑問を持っている方は多くいらっしゃるかと思います。今回は、未経験でも簿記2級が経理の転職に役立つのか、また未経験で転職する際に気をつけるべきポイントについて解説していきます。

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簿記2級の内容と難易度とは?

日商簿記は日本商工会議所が実施する検定試験です。
簿記2級は、日本商工会議所のHPによると、「経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を取得し、財務諸表論の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」とされている難易度の高い資格です。

出典:簿記2級のレベル|商工会議所の検定試験

簿記2級合格率は約24%と言われており、簿記3級の約45%という数値に比べると非常に難易度が高いことがわかります。とはいえ、しっかりと対策をして十分に勉強をすれば合格できる資格ですので、諦めずにチャレンジしてみましょう。

簿記2級の取得は、経理・会計事務所への転職に有利

未経験からの転職の場合

未経験から経理や会計事務所へ転職を考える場合は、簿記の資格を取得することをおすすめします。会計の仕事は、一般的には資格の有無よりも実務経験の有無や、経験業務の幅を重視されることがしばしばあります。
しかし、近年は人材不足の影響により、売り手市場となっているため、実務経験がなくても資格を持っていることが有利となる求人が増えてきています。
では実際に「簿記2級保有者歓迎」の求人をみてみましょう。

業種:製造業(中小企業)
業務内容:月次決算、年次決算の補助業務
月給:20万~35万
求める人材:経理経験者または日商簿記2級以上を保有

業種:インターネット広告関連(ベンチャー企業)
業務内容:会計ソフトを使用した仕分け補助業務
月給:18万円~
求める人材:高卒以上、経理に関する経験をお持ちの方優遇!
      または簿記2級以上保有している意欲のある方でも可

上記のように、「経験者または簿記2級以上保有している人材を優遇する」という企業が多く見られます。実際の応募要件からも、簿記2級が転職に有利であることがお分かり頂けるかと思います。

経験者の転職の場合

上記で述べたように、実務経験の有無が重視される会計の仕事において経験者であるということは、大きなアドバンテージとなります。
特に簿記資格を取得した経験者の場合、実務をこなすために必要な知識やルールが土台として備わっているだけでなく、知識を元に難しい業務まで幅を広げられる力があるという点で、非常に有利になります。
実務経験の中でも、連結決算や上場企業での決算などの複雑な業務の経験があると高年収の求人へのエントリーもできる可能性が高いでしょう。

簿記資格は何級からが有利?

簿記3級だと採用時の評価は低い

経理未経験で簿記3級しか取得していない場合には、採用時の評価は低くなります。簿記3級まで取得していれば応募できる求人もありますが、簿記2級が要件に入っている求人に比べると圧倒的に数が少ないです。
簿記3級の難易度は簿記2級と比較するとかなり低く、採用時に高く評価されるほどの難易度ではありません。
だからといって、簿記3級を取得する意味がないわけではないです。簿記3級を取得し、簿記2級取得に向けて勉強していることを採用担当者に伝えれば、簿記2級が要件に入っていても採用される可能性はあります。

簿記1級の取得は必須ではない

未経験で経理への転職を目指す場合は、簿記1級の取得は必須ではありません。簿記1級を取得していても、経理として働いた経験がなければ実際にできる実務のレベルは変わらないからです。
すでに簿記2級を取得していて、さらに採用される可能性を高めたいと考えているのであれば、簿記1級取得を目指すより実務で必要なPCスキルを高めるようにしましょう。

年代別 未経験から経理に転職する上で求められる条件

20代ならポテンシャル採用されやすい

20代で経理未経験の場合は、簿記2級を取得していなくても、ポテンシャル採用される可能性があります。資格を取得していないからといって、経理への転職を諦める必要はありません。
経理で実務経験を積みながらでも簿記2級の取得は可能です。むしろ、実務を経験することで合格しやすくなるでしょう。

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30代・40代で経理未経験なら簿記2級は必須

30代以降で実務未経験の場合、資格取得は必須と言えるでしょう。できれば、経理経験は無くても金融出身で会計に関する知識を身につけていたり、営業経験豊富でコミュニケーション能力に長けているなど、何かしらの強みが欲しいところです。
また、30代以降で特に35歳を超えて未経験で転職を考える場合、どうしても経理の仕事にこだわるのであれば、正社員ではなく契約社員や派遣社員を検討することも必要でしょう。契約社員や派遣社員は正社員に比べて採用のハードルが下がりますので、たとえ未経験であっても、何かしらのポテンシャルや経験で評価され、採用となるケースは多々あります。そこで一度経理としての経験を積んでから、正社員を目指すというのも一つの有効な手段となります。

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そもそも経理の仕事内容はどのようなものか

簿記2級の資格が経理に役立つ事がわかったところで、経理の仕事内容をもう一度確認しましょう。

具体的な仕事内容は以下の通りです。
・仕入れに関するお金の管理(仕入管理、売掛金管理)
・売り上げに関するお金の管理(売上管理、請求書・領収書発行)
・現金や預金の管理(現金・預金・小切手・手形の管理)
・会社の財務状況をまとめる(月次決算、年次決算)
・会社の資産をお金に換算(原価償却)
・給与や社会保険料の計算(給与計算、年末調整、社会保険料計算)
・税金の計算(法人税・源泉所得税の計算)

大まかに言うと、経理の仕事は「会社におけるお金の流れを数値化して管理する」ことです。ひとつひとつの業務内容は地味な印象を持たれやすいですが、実際には会社全体の経営を判断する大切な役割を担っていると言えます。

日次業務、月次業務、年次業務と呼ばれる各サイクルに応じた仕事内容になっていて、その中で正確に数字を管理していく必要があります。経理業務を初めて行うという人は、小口現金管理や経費精算、請求書発行などの日次業務から始めていき、経験を積むに連れて、月次業務や年次業務など徐々に高度な仕事を任されるようになります。

計画を立ててその通りに実行していくというルーティンワークが好きな方にはより適性があるのが経理業務と言えるでしょう。

そもそも経理の仕事内容はどのようなものか

簿記2級保有者で経理未経験の場合の年収はどのぐらい?

簿記2級保有者で、経理として未経験で転職をした場合、よほどそのほかのスキルが特別に評価されない場合、年収の目安はおおよそ300万円スタートと考えてよいでしょう。2~3年ほどの実務経験を積むと、一般的には300~400万円ほどに年収が上がり、その先は、経理として月次決算や年次決算を1人で締められたり、上場企業の場合は開示業務ができるなど、スキルや経験に応じて年収が上がっていきます。

経理は一般的な事務職よりも専門性が高い業務のため、その専門性を磨いていくことで、年収アップが図りやすい職種と言えるでしょう。

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未経験から経理職への転職成功例

Sさん (27歳・男性・簿記2級・実務未経験者)
営業事務 未経験からのスタートですが、将来的に監査法人を目指していたため、 今回の転職では上場企業で連結決算ができる企業を探していました。 面接時に、入社後のビジョンをしっかりと描くことができ、 実務未経験でも安心できる環境であったため、入社を決めました。

Yさん (31歳・男性・簿記2級・実務未経験者)
営業職 経理としての実務は未経験でしたが、営業時代に培ったコミュニケーションスキルやコンピュータリテラシーが転職の際に役に立ちました。経理は他部署や社外とのやりとりが多くあるため、特にコミュニケーション能力は非常に有利に働くと思います。

未経験で経理に応募する際に気をつけるべきこと

それでは、実際に未経験で経理に転職する際に気を付けるポイントをご説明します。

志望動機は経理職に就きたい理由まで言及

志望動機を書く際、一般的には応募企業を魅力的に感じた理由や、入社後ご自身がどう活躍していけるかを記入することが多いかと思います。
その点、経理職未経験から応募する場合は、必ず「なぜ経理職を志望したいと思ったのか」まで言及して下さい。
またその際に、決してネガティブな動機にならないようにしてください。例えば、「営業職で上手く結果を残せず」や「今の仕事は残業が多いから経理職にキャリアチェンジを果たしたい」などの理由では、大きく評価を落とすことになるでしょう。

自己PRはポテンシャルを感じさせるように

自己PRを書く上で一番大事なことは、採用担当者に「この人なら将来経理として活躍してくれるポテンシャルがある」と思わせることです。

そのために、簿記2級の資格があることや、経理業務を遂行する上で必要な「数字を読み解く力」「他部署とのコミュニケーション能力」「スケジュール管理能力」がわかるようなエピソードを添え、「この経験から、経理としても御社に貢献できると考えます。」とアピールをしましょう。

経理未経験でも、例えば営業としての実績などで、コミュニケーション能力や課題解決能力が評価されることも十分あります。過去の業務でアピールに繋がる点は積極的に伝えていきましょう。

また、未経験の場合はやる気と熱意も当然重要です。応募書類の作り込みだけでなく、面接対策もしっかりと行いましょう。

転職エージェントの利用がおすすめ

未経験での転職の場合、志望動機の作成や自己PRでどのようにアピールするべきか実務経験が浅い分、なかなか苦労する点も多いと思います。
そのような場合、応募書類の書き方や面接の質疑応答に自信が無い方は、ぜひ転職エージェントの利用をおすすめします。
士業・管理部門特化の転職エージェント:ヒュープロに登録すると、専門相談員から無料で履歴書・職務経歴書の添削や面接対策指導を受けることが可能です。一人で対策を行うよりも格段に効率よく内定獲得率を向上させることができますので、ぜひ利用を検討してみてください。

まとめ

経理は一見単純作業が多い仕事に見られがちですが、会社の経営を左右する重要な仕事です。求人数自体が比較的少なく狭き門でありますが、未経験でも簿記2級の資格と熱意があれば内定を勝ち取る事ができます。転職エージェント等を活用しながら、効果的な転職活動対策を行いましょう。

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この記事を書いたライター

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