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未経験でも簿記2級があれば、経理や会計事務所で働ける?35歳からでも転職は可能?

Hupro Magazine編集部 川辺
未経験でも簿記2級があれば、経理や会計事務所で働ける?35歳からでも転職は可能?

未経験でも簿記2級があれば経理に転職は可能なのか、経理へ転職するために簿記2級を取得した方がいいのか、未経験だと年齢は関係あるのか、など経理の転職に関する様々な疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、未経験からの経理への転職について、年齢や資格など様々な観点で解説していきます。

簿記2級の内容と難易度とは?

日商簿記は日本商工会議所が実施する検定試験です。
日本商工会議所のHPによると、簿記2級は「経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を取得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」とされている難易度の高い資格です。

簿記2級合格率は24%前後で推移しており、簿記3級の約45%という数値に比べると難易度が高めであることがわかります。とはいえ、しっかりと対策をして十分に勉強をすれば合格できる資格ですので、諦めずにチャレンジしてみましょう。
出典:簿記2級のレベル|商工会議所の検定試験

簿記2級の取得は経理や会計事務所への転職で有利!

上記のように簿記は会計に役立つ資格であり、そのことが広く業界で認知されているため、簿記2級は経理や会計事務所への転職をするにあたっては有利に働きます。ただしその重要さについては、未経験者か経験者かによって変わってきます。それぞれに分けて見ていきましょう。

未経験からの転職の場合

未経験の場合、どちらの職種への転職であっても簿記2級は必ず持っておくべき資格といえます。

会計の仕事は、一般的に資格の有無よりも実務経験の有無や、経験業務の幅を重視されやすいです。そんな中で未経験者が転職に成功するにあたっては経験という「武器」が無いため、資格でアピールしなければなりません。そのアピールポイントとして有効性取得のしやすさのバランスが最も取れているのが、簿記2級なのです。

実際、会計事務所や経理職の求人の多くが簿記2級を必須資格としており、そうでなくても歓迎資格としていることがほとんどでしょう。そのため、簿記2級を持っていれば持っていない人に比べれば圧倒的に有利になると断言できるのです。

経験者の転職の場合

上記で述べたような実務経験の有無が重視される会計の仕事において、経験者であるということは大きなアドバンテージとなります。その一方で、簿記2級は持っていて当たり前、持っていなくても相応の知識が必要な業務ができているという判断になりやすいため、資格の有無はあまり重視されない傾向にあります。
簿記2級によって、実務をこなすために必要な知識やルールが土台として備わっているだけでなく、知識を元に難しい業務まで幅を広げられる力があるという認識がされることがあるものの、連結決算や上場企業での決算といった高いレベルの経理業務経験があるかどうかといった経験の「中身」が重要になってくるでしょう。

未経験からの転職は何歳まで?35歳限界説は本当なのか

採用する側にとって、未経験者は仕事をできるのか未知数な存在です。そのため、経験者のみを採用したり、未経験者の中でも一定条件を満たした人のみを採用する企業も少なくありません。

そんな中で、年齢についても「条件」の中に入っていることがあります。「未経験から転職できるのは35歳まで」という「35歳限界説」を耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、簿記2級を持っている場合、経理や会計事務所への転職は何歳までなら未経験でも可能なのか、年代別に見ていきます。

20代ならポテンシャル採用されやすい

20代で未経験の場合、簿記2級があればポテンシャル採用される可能性が十分にあります。ポテンシャル採用とは、これまでの実績を考慮せず今後の成長に期待して採用する手法のことです。
かつて経理会計業界は経験者の採用がほとんどでしたが、慢性的な人手不足の影響で、未経験者の採用枠が拡大している傾向にあります。そんな中で20代は入社後の長期的な活躍を期待しやすいため、未経験者の中では採用されやすいのです。

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30代以降だと採用されづらい?

先ほどご紹介した「35歳限界説」は経理会計業界ではほぼ正しいといえます。実際、簿記2級を持っているとしても年齢の限界は34~35歳までという企業がほとんどです。
30代前半であれば、経理経験は無くても金融出身で会計に関する知識を身につけていたり、営業経験豊富でコミュニケーション能力に長けている、マネジメントの経験があるなど、何かしらの強みが欲しいところです。会計事務所であれば、簿記2級よりも難易度の高い税理士資格やその一部科目を取得していることでも強みを発揮できるでしょう。

35歳を超えて未経験で転職を考える場合は、正社員ではなく契約社員や派遣社員を検討することも必要でしょう。契約社員や派遣社員は正社員に比べて採用のハードルが下がりますので、たとえ未経験であっても、何かしらのポテンシャルや経験で評価され、採用となるケースは多々あります。正社員以外の形での経験を積んでから正社員を目指すというのも、一つの有効な手段となります。

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簿記1級や簿記3級は有利になるのか?

簿記2級は多くの経理や会計事務所の求人で必須資格となっていることもあり、転職では有利に働きやすいというのがお分かりいただけたでしょう。では同じ簿記の中でも、1級や3級については同なのでしょうか?それぞれ見ていきましょう。

簿記3級だと採用時の評価は低い

経理未経験で簿記3級しか取得していない場合には、採用時の評価はそこまで高くありません。簿記3級まで取得していれば応募できる求人もありますが、簿記2級が要件に入っている求人に比べると圧倒的に数が少ないです。
これは、簿記3級の難易度が簿記2級と比較するとかなり低いことが要因でしょう。だからといって、簿記3級を取得する意味がないわけではありません。簿記3級を取得し、簿記2級取得に向けて勉強していることを採用担当者に伝えれば、簿記2級が要件に入っていても採用される可能性はあります。

簿記1級の取得は必須ではない

未経験で経理への転職を目指す場合は、簿記1級の取得は必須ではありません。簿記1級を取得していても、経理として働いた経験がなければ実際にできる実務のレベルは変わらないからです。
すでに簿記2級を取得していて、さらに採用される可能性を高めたいと考えているのであれば、簿記1級取得を目指すよりは、実務で必要なPCスキルを高めたり、会計系の最難関資格の一つである税理士資格の取得を目指すのがよいでしょう。

簿記2級を保有していて未経験の場合の年収はどのぐらい?

簿記2級保有者が、経理や会計事務所に未経験で転職をした場合、よほどそのほかのスキルが特別に評価されない場合、年収の目安はおおよそ300万円スタートと考えてよいでしょう。2~3年ほどの実務経験を積むと、一般的には300~400万円ほどに年収が上がり、その先はスキルや経験に応じて年収が上がっていきます。

これらの職種は一般的な事務職よりも専門性が高い業務のため、その専門性を磨いていくことで、年収アップが図りやすい職種と言えるでしょう。

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未経験から経理職への転職成功例

Sさん (27歳・男性・簿記2級・実務未経験者)
営業事務 未経験からのスタートですが、将来的に監査法人を目指していたため、 今回の転職では上場企業で連結決算ができる企業を探していました。 面接時に、入社後のビジョンをしっかりと描くことができ、 実務未経験でも安心できる環境であったため、入社を決めました。

Yさん (31歳・男性・簿記2級・実務未経験者)
営業職 経理としての実務は未経験でしたが、営業時代に培ったコミュニケーションスキルやコンピューターリテラシーが転職の際に役に立ちました。経理は他部署や社外とのやりとりが多くあるため、特にコミュニケーション能力は非常に有利に働くと思います。

未経験で経理や会計事務所に応募する際に気をつけるべきこと

それでは、実際に未経験から経理職や会計事務所に転職する際に気を付けるポイントをご説明します。

志望動機は職種に就きたい理由まで言及

志望動機を書く際、一般的には応募企業を魅力的に感じた理由や、入社後ご自身がどう活躍していけるかを記入することが多いかと思います。
その点、未経験から応募する場合は、必ず「なぜその職種を志望したいと思ったのか」まで言及して下さい。
またその際に、決してネガティブな動機にならないようにしてください。例えば、「営業職で上手く結果を残せず」や「今の仕事は残業が多いから経理職にキャリアチェンジを果たしたい」などの理由では、大きく評価を落とすことになるでしょう。

自己PRはポテンシャルを感じさせるように

自己PRを書く上で一番大事なことは、採用担当者に「この人なら将来経理として活躍してくれるポテンシャルがある」と思わせることです。

そのために、簿記2級の資格があることや、業務を遂行する上で必要な「数字を読み解く力」「他部署とのコミュニケーション能力」「スケジュール管理能力」がわかるようなエピソードを添え、アピールをしましょう。

例えば営業としての実績などで、コミュニケーション能力や課題解決能力が評価されることも十分あります。過去の業務の中でアピールに繋がる点は、積極的に伝えていきましょう。

また、未経験の場合はやる気と熱意も当然重要です。応募書類の作り込みだけでなく、面接対策もしっかりと行いましょう。

転職エージェントの利用がおすすめ

未経験での転職の場合、志望動機の作成や自己PRでどのようにアピールするべきか実務経験が浅い分、なかなか苦労する点も多いと思います。
そのような場合、応募書類の書き方や面接の質疑応答に自信が無い方は、ぜひ転職エージェントの利用をおすすめします。
士業・管理部門特化の転職エージェント:ヒュープロでは、専任のキャリアアドバイザーから無料で履歴書・職務経歴書の添削や面接対策指導を受けることが可能です。一人で対策を行うよりも格段に効率よく内定獲得率を向上させることができますので、ぜひ利用を検討してみてください。

簿記2級を持っている未経験者にオススメの転職先│税理士法人アクア

最後に、簿記2級を活かして働ける未経験の方にもオススメの職場として、税理士法人アクアをご紹介します!

税理士法人アクアは東京都新宿区にある、クリニック・歯科・相続税に強い税理士法人です。「お客様の永続的な発展をサポートするため、日々変化する社会に適応しながら、高品質のサービスを迅速に提供していく」ことを基本方針とし、会計・税務・保証業務・経営助言を行っています。

税理士法人アクアを未経験の方にオススメするポイントとして挙げられるのは、その教育環境の充実さです。以下の通り、多様な研修だけでなく、社内勉強会の実施などによって、未経験からでも知識を身に着けることができます。

・TKC研修、システム研修、巡回監査、資産税、医業経営、税法研修
・専門学校等の税法研修
・提携企業、外部講師による研修
・社内勉強会
・巡回監査委員会にて課題や情報の共有

また実務に関しても、先輩社員への同行などをしながら習得することができます。
他にも時短勤務フレックス制度の利用も可能で、働きやすい環境とも言えます。

税理士法人アクアについて、詳しい会社案内を確認されたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。

税理士法人アクア│HP

まとめ

経理は一見単純作業が多い仕事に見られがちですが、会社の経営を左右する重要な仕事です。会計事務所はそれらの仕事のフォローやアドバイスを行うため、同じく社会的ニーズの高い仕事といえます。
経験者や資格保有者も転職活動をしているため、比較的少なく狭き門でありますが、未経験でも簿記2級の資格と熱意があれば内定を勝ち取る事ができます。転職エージェントを活用しながら、効率的な転職活動を行いましょう。

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この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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