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地方の税理士への転職は難しい?需要はあるのか?

HUPRO 編集部
地方の税理士への転職は難しい?需要はあるのか?

税理士として地方で転職したいと思っている人もいるでしょう。地方で税理士として転職する場合には、どうしても都市部で働いた方が、メリットがあるように感じてしまいます。
また、地方で転職しても需要があるのかどうかを悩む人もいます。地方では転職が難しいという意見と、地方の税理士が不足しているという意見がありますので、それぞれについて見ていきます。
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地方の税理士、税理士事務所の数はどのくらい?転職は難しい?

まず、税理士の就職先として税理士事務所が都市部と地方でどのくらいあるのかについてご紹介します。地域ごとの税理士数は、日本税理士会連合会の令和2年の調べでは下記のようになっています。

税理士登録者数

出典:税理士登録者数|日本税理士会連合会

税理士法人として届け出がある主たる事務所と従たる事務所がこれでわかります。税理士法人の事務所には、その事務所の所在地を含んだ区域の税理士会会員を必ず社員として常駐させる必要があります。主たる事務所にも従たる事務所にも各1人ずつ社員として常駐させるようになっています
事務所数が多い所が、税理士としての求人も多い地域であると考えられるでしょう。

事務所数を見ると、圧倒的に東京や関東信越、近畿の事務所数が多くなっていることがわかります。地方は全般的に事務所数が少なくなっている傾向です。
特に、北陸や東北、四国などは税理士事務所の登録数が少なくなっています。転職先として選ぶ地域にどのくらいの税理士事務所があるのか、総数も知っておくといいでしょう。

地方に税理士として転職するのは難しいのか

地方に税理士として転職する際には難しいかどうかですが、事務所数から言うと、地方の税理士事務所は少なくて、転職も難しいと考える方が多いでしょう。しかし、その一方で、地方で就職を希望する税理士の数も少なくなっています

地方では、税理士事務所の数は少ないのですが、人手不足にもなっていると言われています。地方の場合には、若い世代の税理士が少なく、高齢の税理士が多くなっているのが現状と言われています。

若手の30代、40代などの中堅の税理士の転職が優遇されることもあります。他の職種でも言われるように、60代以上の団塊世代が多く、そこの世代がいなくなった場合には、世代交代ということで若手の税理士の需要が高まります。

特に地方の税理士事務所の場合には、若い税理士、30代や40代などの税理士が少ないということもありますので、転職の際には有利なことがあります。
経験があって、地方に転職する場合などは雇用もある程度あり、優遇してもらえる可能性があると言えます。

税理士地方に転職

地方の税理士事務所に転職した場合の特徴

地方で転職した場合の特徴についても知っておくといいでしょう。地方では、税理士事務所が仕事を請け負う場合は、都市部のようにインターネットからの仕事の依頼というよりも地域からの紹介の場合が多いのが特徴です。地方の特性を活かし、地域に根差した依頼が多くなります。
地域の中でのコミュニケーションを取りながら行っていく仕事も増加するでしょう。

地方の企業数が減少している傾向もある?

ただ、地方の企業数自体が減少しているという傾向もあります。企業の絶対数自体が減っていると言うことで、今後は依頼の量が不確定と言えるかもしれません。特に新型コロナウィルスの影響で企業の業績も芳しくなくなり、小さな企業は経営も難しく、倒産などで数も減少していきます。

また、最近では、グローバル化で地方の企業も海外に拠点を持っている企業などがありましたが、今後はどうなるのかがわからない点もあるでしょう。
ただ、これからもグローバル化の波は変わらないと思われますので、グローバル化で益々複雑になる財務の問題に、税理士の専門的なアドバイスが今後も必要となってきます。国内税制と海外税制の両方に知識がある税理士は、転職しても活躍の幅が広がっていくのではないでしょうか。

地方で転職した場合の仕事内容は?

税理士の転職理由の一つに中小企業ばかりを相手にしてきたので仕事の幅を広げたいと言う人もいますが、地方に転職する場合には中小企業を相手にすることが多くなります。地方に本社のある企業もありますが、地方の場合にはほとんどが地域の中小企業を担当することになります。
ただ、自分一人で幅広い業務を行う経験などは行えますので、何を大事にするのかで決めるといいでしょう。

地方の税理士の平均年収について

地方の税理士として転職した場合の年収についても気になります。
税理士の年収の平均は、会計事務所や企業などで働く場合は500万~700万円前後です。独立すると1,000万円を超える税理士もいます。東京などで税理士をする方が、年収平均は高くなるのが傾向です。

地方で働く場合の年収は500万円に満たない程度になります。東京で働く場合と比べると年収で200万円近い差があるかもしれません。しかし、生活費も東京の方が高くなりますので、それも念頭に入れて検討する必要があります。

地方の税理士として転職して独立を目指す場合

また、地方の税理士として独立したいという場合もあるでしょう。地方で独立する場合は、少ない固定費で開業できておすすめです。東京など都市部で開業すれば固定費だけでもままならないものになります。
地方ですと独立して行う場合、小さな税理士事務所でも、地域とのコミュニケーションを大事に仕事の依頼を受けることで成功に導くこともできます。

まとめ

税理士として地方で転職する際について見てきました。地方でも30代、40代などの転職の場合には、数は少ないかもしれませんがある程度あります。地域の中小企業を対象にした仕事が多くなりますが、地域に根差した仕事ができておすすめです。特に独立する場合はあまり経費を掛けずに独立しやすいと言えます。

会計事務所への転職事情についてはこちらのコラムでも詳しく紹介していますので、是非チェックしてみてください。
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