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IPOを目指すための会計処理について

HUPRO 編集部
株式上場のための会計処理

IPOをする場合、公認会計士、監査法人の監査を受ける必要があります。この時会計が適切に処理されていないという理由から上場できない場合も見られます。監査指摘を受けても、すぐに対応できないため、事前の準備が大切です。今回はIPOを目指す場合の会計処理について紹介します。

IPOを目指すために必要なこと

IPO(Initial Public Offering)【新規上場株】を目指すには、初めに何が必要かについてご紹介します。
新規上場のためには、2期分の会計監査を受ける必要があります。財務諸表監査と内部統制報告制度対応について審査を受けます。
上場を申請する直前の2期分の監査証明を監査法人などによって受けることが必要です。そこで財務諸表を見てもらいますが、その前にショートレビューによって事前に短期の予備調査をしてもらうことがとても重要です。

財務諸表などの会計処理でIPO前に注意したいポイント

IPOで上場を目指す場合に、会計処理で気を付けたいことについてはいろいろありますので、事前に短期監査によっていろいろな課題を見つけることが大切です。ポイントについても知っておくといいでしょう。

会計処理については、仕訳の際の勘定科目の選定からチェックされます。きちんとした選定が行われているかが問題です。どうしても節税対策を考えた勘定科目にしてしまいますが、どの勘定科目で処理をするのかを社内でルール化していて、明文化された統一性があることが大切です。

これまで税法ベースで節税になるように勘定科目を考えてきたものも、証券市場の金融商品取引法(金商法)ベースで捉えて処理をするように変える必要があります。例えば地代家賃も前払い家賃としてこれまで一括した金額を損金扱いしてきましたが、家賃対象期間の費用計上をきちんとするように変えていくことが大事です。

売上についても、それに見合う原価について発生した時点で費用計上することが必要になり、発生主義の厳格化が求められます。そのために取引相手との文書での確認を徹底しなければなりませんし、会計処理のルール化も必要となってきます。

このように細かな会計処理の注意ポイントが多くあり、とても多くの修正が必要なことを知っておかなければなりません。

IPOに向けた会計処理

金融商品取引法ベースの会計処理の考え方の大きなポイント

新規上場する際に証券市場の金融商品取引法ベースで考えることが大きな会計処理の違いになります。金融商品取引法のポイントを押さえることが大切です。
ここで金融商品取引法に基づく会計処理ついてもご紹介していきます。

金融商品取引法では、金融商品の投資家の保護も行わなければなりませんので、厳しい監査が行われます。 売上、仕入の計上基準が掲げられていて発生主義を取るのが一つのポイントです。収益と費用を現金の受けた場合に計上する現金主義ではなく、発生主義で処理する必要が出てきます。商品が渡った段階ですぐに、未払金として計上することが必要になります。

また、有価証券、棚卸資産の評価基準及び評価方法について、固定資産の減価償却方法、引当金の計上基準等についても細かく決められています。会社の会計処理について細かな基準がありますので確認しておくといいでしょう。また、財務諸表監査では、内部統制組織の整備・運用状況がチェックされます。不正などが行われないようにも厳しく確認されます。

会計監査のために整備したい会計処理の具体的なポイントとは

ここからは、具体的に会計監査のために整備しておきたい会計処理の具体的なポイントについて列挙します。細々とした内容がありますので、しっかり捉え方を理解して対処するのがおすすめです。

・納品書、検収書、請求書などの会計の根拠資料が全て揃っていて体系的に整理されていること。
・根拠資料に伝票番号が振られていて明確に照合できること。
・口頭のみのやりとりや契約、検収ではなく、書類にして契約書や検収書を残すこと。
・内容が不明になっている残高がないのか(諸口やその他の勘定科目にわからないものがないのか)を確認すること。
・棚卸の精度を上げ、統一したマニュアルなどを作っておく必要があります。実地棚卸だけでなく在庫の受け入れと払い出しの受払記録を作成し、監査の際に検証できるようにすること。
・ソフトウェア開発やサービス業の場合にも、それに関わる人件費を個々に作業工数などを出して原価計算をする必要もあります。材料費、労務費、原価、経費、光熱費などを計算する原価計算制度を徹底すること。
・グループ会社がある場合には連結範囲を明確にしておく、連結決算の信頼性のある資料を確保しておくこと。

これらの多くのポイントをなるべく早く確認しておくことが必要となります。

IPOを目指す場合の会計処理は早めに修正が必要

IPOを目指すための会計処理についてまとめました。公認会計士監査を受ける必要がありますので、早めにクイックレビューなどで課題点を見つけ出して修正しておくことが重要です。金融商品取引法に基づいて多くの変更点が必要となります。
早めに変更点を知って修正をしないと、会計処理の修正は大変なものになるでしょう。経理担当者が大変な目に合いますので、早めに様々なことを社内でルール化して、会計処理の修正も行っていくのがおすすめです。

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