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財務報告実務検定の内容は?転職に有利?

HUPRO 編集部
財務報告実務検定の内容は?転職に有利?

財務報告実務検定という民間の試験をご存知でしょうか。上場企業に課されている、開示業務に必要な人材を育成するための検定です。合格のために学習することで、金融商品取引法や、会社法、取引所のルールを理解することができます。今回は、財務報告実務検定の内容や、転職に有利になるのかどうかを解説します。

財務報告実務検定を受験する人はどんな人?

上場企業は、金融商品取引法、会社法という二つの法律だけでなく、証券取引所のルールにも則り、ディスクロージャー書類を作成し、開示しなければなりません。これらの財務報告書類は、会社にとって、経営成績や財務状態を内外に公表するための、いわば成績表です。近年IFRS(International Financial Reporting Standards)【国際財務報告基準】のコンバージェンスが進む中、企業の情報開示の必要性はますます高まっており、これらの書類を適切に作成できる人材へのニーズはますます増えています。
財務報告実務検定を学習し、一定以上の成績を修めることで、複雑な財務報告書の体系を理解することができるため、実際に上場企業の経理部で開示業務に携わっている人はもちろん、簿記検定を合格し、より実務的な内容を勉強したいという人にも、受験をお勧めできると言えます。この検定を学習することで、簿記を勉強しただけではカバーできない、決算書を作成してから開示をするまでの専門知識を身につけることができるからです。

財務報告実務検定の概要について

財務報告実務検定は民間の資格となり、一般社団法人日本IPO実務検定協会により運営されています。(Initial Public Offering)【新規公開株】試験内容は、連結実務演習編と、開示様式理解編から構成されており、それぞれが独立した試験となっていて、合否も別々に判定されます。

連結実務演習編では、連結財務諸表の作成に必要な基礎資料の作成から、連結財務諸表が作成されるまでのデータの流れや手順、開示のルールなどの連結財務諸表を作成し開示するまでの知識を問う試験になっています。基礎資料の作成には、連結子会社や持分法対象会社の情報収集、海外子会社の財務諸表の換算、取引や債権債務の照合表の作成等といった、かなり実務的な内容が出題されており、実際に経験した人でないと初めは理解が難しいかもしれません。しかし、学習を進めていけば、XBRL(eXtendible Business Reporting anguage)という金融商品取引法上の開示では必須となる文書フォーマットの知識までつけることができるので、とても実践的な力を得ることができるでしょう。

一方、開示様式理解編では、各種開示書類の目的、作成要領、データの関連性を理解し、さらに、決算・財務報告プロセスに必要な内部統制までを広範囲かつ体系的に理解することが問われます。ですので、連結実務演習編と同様に、実践的なスキルの確認として、決算整理後残高試算表から有価証券報告書等の財務報告までの開示に関する一連の流れまでもが出題されます。これらは簿記検定を勉強しただけで経験できる内容ではありませんので、これから上場企業の経理部に配属されるという人にとっても、大変有用だと言えます。

財務報告実務検定について

試験方式と出題範囲等について

まず試験方式は、CBT(Computer Based Testing)方式【コンピュータ画面での試験】となり、受験会場や日時は受験者の都合に応じて自由に選択することができます。受験の3日前までの申し込みが可能です。

試験時間は、連結実務演習編は90分開示様式理解編は120分です。問題数は、連結実務演習編は連結決算から3~5問、連結開示から3~5問、XBRLから1~2問です。それぞれ選択式問題と計算問題から構成されています。一方、開示様式理解編は、選択式問題100問および総合問題3問からなっています。

合否基準は、連結実務演習編が100点満点中70点以上で、開示様式理解編は得点に応じて下記の称号を付与されます(1,000点満点)。

Advanced:800~1,000点(財務報告書類の作成・開示を指揮する能力を備えている)
Standard:600点~799点(開示実務担当者としての能力を備えている)
Basic:400点~599点(開示実務の補助者としての能力を備えている)
称号なし:399点以下(開示実務に求められる最低限のスキルレベルに到達していない)

参考:開示様式理解編試験概要 > 各スコア・レンジ別の到達点|財務報告実務検定HP

学習の方法としては、まず連結実務演習編については日商簿記1級を理解できるスキルがあれば独学でも十分可能かと思いますが、連結会計の実務に触れたことが無い場合は、TAC等の講座を受講することが、合格への近道となるかもしれません。また、開示様式理解編については法令のアップデートに注意しておく必要があります。

転職に有利となるには、どの程度の成績が必要?

財務報告実務検定を運営する協会としては、この検定の合格を、キャリアアップを伴う転職にも役立ててほしいと考えているようです。かなり実務的な内容ですので、この検定の学習が即戦力としての価値を高めることにつながるのは間違いありません。実際に転職で有利になる基準としては、連結実務演習編に合格することはもちろんですが、開示様式理解編についても最低限Standardレベルの成績を取ることが望ましいでしょう。

まとめ

今回は、財務報告実務検定について解説してきました。ディスクロージャー制度の重要性が改めて高まっている状況で、開示業務に精通した人材の価値も上がっていると言えます。この検定の学習を通して、キャリアアップを実現できる可能性は大きいでしょう。
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この記事を書いたライター

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