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開示書類とは?どんな種類がある?

HUPRO 編集部
企業の開示書類

企業が投資家から幅広く出資をしてもらうためには、業績や財務状況を正確に伝える必要があります。そのために、有価証券報告書や決算短信といった書類が資料として開示されます。これがいわゆる開示書類です。今回は、開示書類についてのルールとその種類について解説していきます。

企業の開示業務とは?義務なのか?

前述したように、会社が投資家からの出資を得るためには、企業の業績を正しく開示する必要がありますが、その枠組みを情報開示制度(ディスクロージャー)といいます。その中には、大きく分けて、法定開示によるもの、適時開示によるもの、そして任意開示によるものがあります。

法定開示による開示書類は、法律によって定められた、会社によっては作成が義務とされるものです。現在、開示に関する法律として、金融書品取引法と会社法が制定されています。

適時開示による開示書類は、法律ではなく、取引所のルールによるものです。投資家が集まる取引所のルールという性質から、証券取引所が上場会社等に対して、より迅速かつタイムリーな開示を要請しています。

任意開示とは、その名の通り、企業が自主的に行う開示です。「インベスター・リレーション(IR活動)」とも言われ、投資家との関係を深めるという意味合いを持ちます。また投資家だけにではなく、一般の消費者やユーザー向けに、新しいサービス等の説明や広告宣伝をすることも、広い意味での任意開示に含まれます。

開示業務で作成する資料とは?

開示書類の主な種類は、下記の通りです。

まず、有価証券報告書があります。これは金融商品取引法で規定されている、法定開示による書類です。主に投資家の判断に資する目的で作成されます。金融商品取引法では、上場企業および一定規模の株式会社に対して事業年度の終了後、3ヶ月以内の提出が義務付けられています。投資家保護の目的から、監査人による監査を受け、その報告書を添付することが求められています。

続いて、四半期報告書があります。これも金融商品取引法で規定されており、投資家へのタイムリーで有用な情報提供のために、有価証券報告書の提出義務がある会社に対して、2008年から提出が義務付けられました。四半期決算後、45日という早さで開示されるため、監査人による監査ではなく、「四半期レビュー」を受けることが求められています。

また、会社法に基づいて作成されるのが、計算書類および事業報告と呼ばれるものです。これは、情報提供によって既存の債権者や株主を保護する目的で作成されます。定時株主総会で報告され、5年間は本店に備え置かれることと定められています。これは全ての会社に作成する義務がありますが、有価証券報告書提出会社は、公告する義務が免除されています。

更に、証券取引所の適時開示ルールによって規定されているものとして、決算短信があります。これは、四半期ごとの決算を迎えた後、45日以内に上場企業が提出することが要請されている書類です。投資家保護の強化のため、証券取引所が上場会社等に対して、より迅速な開示を要請しているものです。これらは、企業ホームページのIRページにも記載されていることがほとんどで、早急に発表できることが強く求められます。

開示業務の資料について

開示書類にはどんな内容が載せられるのか?

まず有価証券報告書に記載される内容について解説します。
有価証券報告書に記載される項目は多岐に及び、会社のかなり細かい部分まで確認することができます。
 
企業の概況には、主な経営指標の推移が記載され、過去5期分の経営成績・財務状況そしてキャッシュフローの状況がここから把握できます。事業の状況には、事業等のリスクが掲載されており、企業自身が認識している経営に関するリスクが読み取れます。そして経理の状況には、決算書の内容が収録されます。

ここからわかる通り、有価証券報告書を作成するためには、当期だけでなく前期までの会社の情報に精通していないとなりません。
一方、決算短信には、迅速性を担保するため、有価証券報告書ほどの細やかさは求められません。情報の正確性についても、速報値が掲載されることが許されています。

どんな会社が開示書類を提出しなければならないのか?

投資家の判断基準のため、という理由からも考えられる通り、やはり上場会社には有価証券報告書の提出が義務付けられています。その他、非上場会社であっても、広く資金を集めたいと考えている会社は有価証券報告書・届出書の提出義務があります。つまり、事業年度末日または前事業年度末日のいずれかにおいて、株券の所有者が500 名以上である企業等は「外形基準」によって提出が義務付けられています。

まとめ

今回は、様々な開示書類について解説してきました。一口に開示書類といっても、法律に基づくものやそうでないものがあり、それぞれの目的に応じて、記載される内容の範囲が違っていることをご理解いただけますと幸いです。

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