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内部監査が歩むキャリアパスとは?

HUPRO 編集部
内部監査のキャリア

内部監査は、一般人にとってはあまり馴染みのない言葉かもしれません。なぜなら、内部監査として働くことができる人数がとても限られているからです。上場企業のなかでもある水準を超える企業にのみ採用され、採用人数も1社につき数名ということが多い傾向があります。このような内部監査が歩むキャリアパスには、どういったものが考えられるのかについて解説します。

そもそも内部監査の仕事内容とは?

内部監査という言葉を聞くと、社内の不祥事を摘発する見張り番のようなイメージをもつ人が多いのではないでしょうか。この考え方は間違ってはいませんが、正解でもありません。実は、内部監査がこのような不正を見抜くような業務を担うことは、内部監査の仕事内容のひとつに過ぎないためです。

内部監査の他の主な仕事は、天災や競合他社への対応、従業員による不正が発覚した場合などのリスクに対して適切な対処をすることです。そのため、ご紹介したような企業に起こり得るリスクについてはさまざまな角度より見極め、そのうえでリスクに備えた行動が必要になります。

内部監査のキャリアアップは大きく2通りある

内部監査が歩むキャリアパスには、内部監査としての活躍の場を「社内で」と考えているのか「社外で」と考えているのかによって異なります。

社内で活躍することを想定しているのであれば、内部監査の経験を活かし、社内の経営陣の一員としてキャリアアップを目指すことができるでしょう。ただ、内部監査の経験や知識が豊富だからといって、必ずしも経営陣として活躍できるとは限りません。企業の方針として監査に関わる役職は外部の人間に委託するといったことが慣例化されていることがあるからです。一方、社外での活躍を想定しているのであれば、他の企業で募集をされている内部監査に手を上げ、自らの経験やスキルをアピールして採用されるチャンスを活かす必要があります。

社内でキャリアアップをしたいという人も、社外でキャリアアップしたいという人も、内部監査の職そのものは一定のニーズがあるので、日頃の仕事が評価されれば、内部監査のトップをして役職に就くことができる可能性は充分にあります。

内部監査のキャリアアップはコンサルタントと変わらない?

コンサルタントも経営者に対し、助言を行います。では、内部監査のキャリアアップを目指すこととコンサルタントを目指すことは、同じようなキャリアパスを指すのでしょうか。

結論からお伝えすると、内部監査としてキャリアアップを目指すことと、コンサルタントを目指すことは、全く異なります。これらの違いは、内部監査は社内に存在しているという点です。コンサルタントは外部の人間なので、外部からの目線による助言はもらえますが、内部監査は内部の事情を知り尽くしたうえでの助言が可能です。実際の実態を把握できているので、その助言は的確であり、企業をより良い方向へと導いてくれるでしょう。つまり、内部監査のキャリアアップをすることは「社内コンサルタント」になるということなのです。

内部監査

内部監査に必要なスキルとは?

内部監査は未経験でも採用されることがありますが、やはりほとんどは実務経験が豊富であり、スキルの証明を取得している人です。内部監査に必要なスキルとしては、「QIA」(Qualified Internal Auditor)と呼ばれる内部監査士の資格、そして「CIA」(Certified Internal Auditor)と呼ばれる公認内部監査人の資格が挙げられます。

QIA 内部監査士

QIAとは、日本内部監査協会により認定される資格のことを指します。内部監査士認定講習会を修了することにより、この資格が与えられるのです。このQIAを取得できる講習会は、年間7回ほど行われており、昼の部で内部監査士認定講習会を修了するには10日間、そして夜の部で内部監査士認定講習会を修了するには25日間、どちらも合計で50時間かけて受講することとなります。講習では、主に内部監査の理論や実践、広い分野の知識を習得することとなりますが、比較的修了しやすい資格だとされています。

CIA 公認内部監査人

CIAとは、内部監査に対して指導をする役割を担う「IIA」と呼ばれる内部監査人協会による認定を受けた国際的な資格です。このCIAは1974年に始まりました。当初は外国語での試験でしたが、1999年より日本語にて受験することが可能となり、約190カ国で認定試験が実施されています。このCIAは、経験やスキルだけでなく、論理的な観点も問われる試験となっており、難しい資格とされています。しかし、だからこそ取得ができれば、大きなアピールポイントとなります。

まとめ

内部監査の需要は、今後も高まり続けていくと考えられています。客観的で適切な助言は、内部の実態を把握している内部監査だからこそできることです。インターネットにより多くの起業が増えている今、リスクマネジメントを行える内部監査の存在が注目を集めています。そして、内部監査を専門としてキャリアアップしてきた人たちも、さらに重宝されるようになっていくことでしょう。
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この記事を書いたライター

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