士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

会計士の資格は転職にどのぐらい有利?

公認会計士 大国光大
会計士は転職に有利?

会計士は会計系の資格で最難関とも言われ、取るのも苦労しますが、反面取ってしまえばとても転職の幅が広くなると言えます。では実際どのくらい有利なのでしょうか。今回は会計士資格が転職に有利かどうかについて解説します。
▶︎ 会計士の転職・求人情報を探す|最速転職HUPRO

会計士の評価

会計士は先ほどお話した通り会計系の資格で最難関の資格と言えます。よって、採用活動の中では持っているだけでもかなりの評価となります。
一方で、それなりに給料も貰っていると考えられるため、採用する側も予算オーバーとなる可能性があります。

よって、会計士は基本的にどんな仕事も任せられるという一方で、会計士でなくても良い仕事に就いてはあえて会計士を採用するまでもなく、募集する内容によっては逆に会計士であることで採用されないという可能性も否定はできません。

M&Aする会社に会計士が転職

最近は企業のグローバル化だけではなく、国境を越えたM&Aも多くなっています。
M&Aを多用する企業では、企業結合会計と呼ばれる複雑な会計知識や、連結決算の深い知識が求められます。

M&Aをする際は、まず相手の企業の財務内容を調査する必要があり、簿外債務がないか、会計処理は自社とどのくらい違っているか等、様々な点で気を遣うことが重要です。
会計士は監査で企業の粉飾や間違いを見つけることが主な仕事ですので、このような企業の財務内容を調査することもある会社への転職では、とても有利に働くことでしょう。

コンサル会社に会計士が転職

コンサル会社への転職は会計士が有利であると言えます。

コンサル会社では、会計、決算、その他について、会社にアドバイスをすることが仕事となります。
会社にアドバイスをするためには、自身がそれ以上のスキルとプレゼンができる能力がなければいけません。どちらが重要かと言えば、やはり会計スキルがあることでしょう。
公認会計士の資格があるだけで、そのスキルは担保されていると言えるため、とても有利に働くと言えるでしょう。

コンサル会社ではよく会計士の募集をしていて、報酬自体も監査法人と同等か、それ以上の会社もたくさんあります。
特に監査法人系のコンサル会社ではほとんどの人が会計士であり、そうでないコンサル会社でも結構な比率で会計士が所属しています。

それだけ、会計士は重宝されていると言え、コンサル市場では会計士の資格はとても有利に働くことでしょう。

コンサル会社に会計士が転職

事業会社への会計士の転職

では企業の数としては多い通常の事業会社への転職は会計士が有利に働くのでしょうか。

事業会社は会計士の募集が増えている

ここ最近、事業会社の採用対象として、公認会計士の数が増えていると言えます。
この背景としては、内部統制監査が法制度化されたことから始まり、国際会計の流れなど、全体的に会計基準が高度化していることが関係しています。

これまでは上場会社であったとしてもある程度は税務上の仕訳をしていれば良かったのですが、ここ10年くらいは上場会社としての経理スキルが求められるようになっています。
この点上場会社での経理経験があれば採用されるのですが、なかなかそのような人材は募集にひっかからないことも多く、逆に会計士は監査法人の仕事をそろそろ離れたいという人も結構います。

募集が増えているということは、やはり会計士にとってこの状況は有利であると言えるでしょう。

上場準備会社ではさらに転職に有利

事業会社の中でも、上場を目指している会社ではさらに会計士の資格は有利に働きます。

上場準備会社で最も不足しているポジションは、経理部長等の上場企業並みの経理を取り仕切るところです。
上場経験者であればそのようなポジションが任せられると思いますが、履歴書だけではそのようなスキルがあるかどうかは見極めるのが困難です。

一方公認会計士の資格を持ってある程度実務経験があるとすればスキルも十分であるという評価のため、転職に有利に働くことでしょう。

ただし、公開準備会社は中小企業と上場企業の間くらいの規模ですので、すぐに相応の報酬が払えるとは限りません。ですが、報酬以上のクリエイティブな仕事ができ、上場の経験ができる可能性があり、さらにはストックオプションなどの夢もあります。

内部監査でも会計士は有利

先ほどお話した通り内部統制監査制度というものが上場会社には義務付けられていますが、この作業は未経験の人ではなかなか理解することが難しいものと言えます。

よって、会社は外部からそのようなスキルを持っている人を採用しようとしますが、経験者はとても少ないというのが現状です。
また、監査人である公認会計士と連携する場面が増えるため、同業である公認会計士であれば監査人のニーズもすぐに理解できるため、内部監査においても会計士資格はとても有利に働くと言えるでしょう。

まとめ

このように経理に限らず、様々なポジションで会計士の資格は有利に働きます。会計士として自身がどれくらいの評価をされるかはなかなかわかりづらいですが、実際転職活動をしてみるととても有利なことを実感できるでしょう。

▶︎ 会計士の転職・求人情報を探す|最速転職HUPRO

この記事を書いたライター

公認会計士、税理士。監査法人東海会計社代表社員、税理士法人クレサス代表社員。大学時代に公認会計士旧二次試験に合格後大手監査法人に就職し、27歳で独立開業。国際会計と株式公開支援が専門。セミナーや大学で講師を務めたり書籍の出版も行っている。
カテゴリ:転職・業界動向

おすすめの記事