会計士が転職する際に、色々と準備をすると思いますが、意外と難しいのが志望動機となります。実は面接する側は最もここを見ているのですが意外と雑な人が多いです。そこで今回は、面接する側からの志望動機の記載方法について例文を交えて解説します。
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まず、会計士の転職において何が重要か考えた時、真っ先に思いつくものは何でしょうか。
その人のスキルやコミュニケーション能力はとても重要な項目となります。ですが、志望動機というものが最も大切であることにお気づきでしょうか。
なぜ志望動機が大事かというと、会計士である以上は一定の知識やスキルがあるという保証がされているので、事業会社等では能力を会計士に確認することはそれほど多くありません。むしろ面接する側は会計士でないこともありますので、どのくらいの能力かはわからないのが普通です。よって、転職活動は比較的楽になると言えるでしょう。
一方で、会計士が例えば事業会社に転職活動をする場合は会社としては、「スキルはあるけれどずっとこの会社にいてくれるだろうか」「高い報酬を払うのだから他の会計士とどこが違うのだろうか」と考えることになります。
そこで、志望動機がしっかりしていれば、即戦力かつ長く勤務してくれるということが会社にもわかり、安心して採用に進むこととなるのです。
これから、会計士が転職する際の志望動機として、悪い例と良い例を挙げます。
例えば会計士が一般企業や会計事務所へ転職する際の理由として、自身のキャリアアップのため、というのは一般的なことだと思います。しかし、度が過ぎるのは禁物です。
「今まで監査という検証する仕事のみの経験しかしていなく、いつかは独立を考える中で、財務諸表を作る側になりたいと思い、貴社を志望しました。」
確かに、いつかは独立したいという公認会計士もたくさんいるのであながち間違ってはいません。ですが、その情報はあえて企業に伝える必要が無い情報となります。全く独立する気が無いというのは嘘となりますが、それをあえて言わないというのは嘘にはなりません。今のところは長期的に働く意思があるということをしっかりと伝えるべきです。
「財務諸表をチェックする側の今までの経験を活かし、作成後に社内でもチェックできる体制の構築に寄与できると思い貴社を志望しました。」
志望動機としてかなり違っているかもしれませんが、
・独立を考えていること
・自身のキャリアアップよりも会社に貢献できることを強調していること
という2点が大きく異なっています。
一度に数社転職活動をすると、面倒になって同じような志望動機で片付ける人がいます。このような志望動機はすぐに人事担当者は見抜くので要注意です。
「私は原価計算を得意としており、貴社の原価計算部門にマッチしていると思い応募しました」
一見、普通の志望動機に見えますが、
・原価計算の何が得意なのか
・何がマッチしているのか
とても漠然としている志望動機となります。
「私は自動車メーカーでの原価計算を担当しており、年間3%のコスト削減を毎年行っておりました。この経験を活かし、貴社の電子機器の製造においても違った観点からのコスト削減に寄与できると考えております」
先ほどの志望動機との違いは、
・年間○○%の削減と、具体的に記載されていてわかりやすい
・他業種からの観点で貢献できると、内容が具体的
ということになり、採用側にもメリットが伝わる内容となります。
使いまわしの志望動機ではないことをアピールするためには、会社のことをできるだけ調べている姿勢を見せることが大事です
「貴社は古くからある会社で、その伝統を重んじる社風に感銘を受けて志望しました」
この志望動機は次の点から問題となります。
・古くからある会社というのは他にも色々ある中で、なぜ自社を選んだのかがわからない
・伝統を重んじる社風とあるが、どこからそのようにくみ取ったのかがわからない
これでは、同じような会社に同じような志望動機を書いていると判断され、自社が内定を出しても他に入社してしまうかもしれないから採用を見送ろうと判断される可能性があります。
「貴社のホームページの中に、100周年記念事業の写真が掲載されており、社員の皆様の顔が生き生きしているところに惹かれました。」
この志望動機であれば、具体的に自社を調べていることもわかりますし、記念事業等は古臭くて嫌がるという人間ではないこともはっきりします。
会計士が転職する場合の志望動機は、①現時点では会社に長くいること、②具体的な貢献内容を数字などで表すこと、③下調べをしっかりしていることで熱意を見せること、の3点が重要となってきます。
ただし、例文はあくまでも例文で、必ず自分の思っていることを自分の言葉で言えるようにしておきましょう。