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給与計算の仕事は難しい?性格による向き不向きがはっきりする仕事!

HUPRO 編集部
給与計算の仕事は難しい?性格による向き不向きがはっきりする仕事!

ひと昔前は全て手計算で行われていた給与計算。現在は会計ソフトがあるので、簡単になったかと思いきや、相変わらず「難しい」と言われているようです。給与計算の仕事は何が難しいのでしょうか?仕事内容とともに解説します。

給与計算の仕事内容とは

給与計算という仕事はその字のごとく、社員のお給料を計算する仕事ですが、その業務は大きく以下の6つの工程から成り立っています。
会社によっては、それぞれの工程を全て同じ部署で行う会社もあれば、給与計算は人事・勤怠データを持っている人事部が行い、支払や振り込みは経理部が行うといったように分業しているパターンもあります。

⑴ 総支給金額を計算

残業や休日出勤などの勤怠管理データを確認し、それぞれの社員ごとの基本給と、住宅手当や家族手当、通勤手当といった各種手当を加えて総支給額(額面金額)を計算します。

⑵ 社会保険料や税金を計算

厚生年金や健康保険、雇用保険などの社会保険料、財形貯蓄や会社で加入した生命保険・損害保険の保険料など、給与から控除するものの金額を計算します。
その課税対象に対して、所得税や住民税を計算します。

⑶ 手取り金額を計算

総支給金額から社会保険料や税金を引いて、手取りの金額を確定します。

⑷ 賃金台帳や給与明細などを作成

企業が「従業員の賃金、交通手当、税金」などを記入するための帳簿である「賃金台帳」を作成します。賃金台帳は労働基準法によって定められたち法定三帳簿の一つで、以下の内容を記載する必要があります。

①賃金の計算の基礎となる事項
②賃金の額
③氏名
④性別
⑤賃金計算期間
⑥労働日数
⑦労働時間数
⑧延長時間(残業時間)数、休日労働時間数及び深夜労働時間数
⑨基本給、手当その他賃金の種類毎にその額
⑩賃金の一部を控除した場合には、その額

また、社員ごとに渡す給与明細も作成します。

⑸ 従業員への給与振り込み

お給料日には、従業員ごとに給与振込指定口座に、手取り金額を振り込み、⑷で作成した給与明細を配布します。

⑹ 社会保険料や源泉徴収税などの納付

給与から控除したお金をそれぞれの納付先に支払います。

・所得税と住民税 → 翌月10日に税務署に納付
・社会保険 → 年金事務所からの納入通知を元に月末までに振込・小切手、あるいは口座振替などで支払う。金額は毎年4月から6月の3ヶ月間の給与等(通勤手当を含む)の支給額平均に基づいて決定し、その年の「標準報酬月額」を控除
・雇用保険 → 毎年7月に、来年3月までの分を一括で納付
・会社で加入している生命保険や損害保険 → それぞれの保険会社への振込み

社会保険料や源泉徴収税などの納付

給与計算の仕事が難しい理由

給与計算の仕事自体は、基本的にルーティンがはっきりしており、給料振込日がいつかによって、それぞれの工程をいつまでにしなければいけないかというルールが明確に生じます。
ひと昔前は給与計算を全て手計算で行われていましたが、現在は給与計算ソフトがあるので、その面での「難しさ」はなくなりました
イレギュラーな工程が入ることはあまりないので、単純作業と見なされがちですが、給与計算の仕事が難しいと言われるのには以下の理由があります

ミスが許されないためプレッシャーが重い

社員の生活を支える源である給与。例えば自分の残業代が間違って少なく振り込まれていたらどうでしょうか?
税金の計算を間違ってしまい、最悪の場合追徴課税となってしまったら?
こうしたことを考えると、給与というのは正しく振り込まれるのが当たり前という前提があるため、計算と同様、振込みについても絶対にミスは許されません。
会計ソフトで計算作業がほぼなくなったとはいえ、大元の数字の入力ミスがあったら元も子もありません。
もしミスを犯してしまった場合は、そのリカバリーに大きな負担が生じます。
給与計算の仕事の一番の難しさは、このプレッシャーの重さとも言えるでしょう

毎年のように基準変更がある

給与計算の流れや工程自体はルーティンワークですが、例えば所得税として引かれる源泉徴収税や、社会保険料などの金額は頻繁に税制改正などで変更があります
また、社内における給与自体も改訂が行われることは珍しくありません。常に最新の知識のアップデートが求められます。

守秘義務

給与計算の仕事をしていると、社内の人の給与を知ることになります。
企業における給与の金額というのは関心の高い情報です。世間にはどうしても悪意のある人がいて、会社の給与や年収を知りたがる人があなたの口を開かせようとすることもあるかもしれません。
近年はこれに加えて社員のマイナンバーも加わりましたので、給与計算の仕事に携わる人の守秘義務のハードルが上がっています。
仕事上で得た秘密を漏えいしてしまうことは、解雇要件にも該当します。重要な機密事項を知っている認識を持って業務にあたる必要があるでしょう

給与計算には向き不向きがある

給与計算の仕事には明らかに性格による向き不向きがあります。
以下のような性格や特性に当てはまる人は給与計算の仕事に向いています。
その難しさをクリアした時に達成感を感じる事ができるので、おすすめといえるでしょう。

給与計算に向いている人

・物事をきっちりやり遂げたい
・数字が好き
・コツコツやるような細かい作業が好き
・仕事の工程が決まっている仕事が好き
・わからないところはすぐに確認して放置しない

スキルは後から身につけることができますが、例えば大雑把な人が給与計算業務につくのは、特にトラブルがない状況でもストレスが大きいと思うのでおすすめしません。ただし、新しいソフトが出てきても、給与計算は依然として需要のある仕事です。また、一度身につければ他の会社に転職した場合でも、でもそのまま経験を活かすことができます。ぜひ、自分の性格を判断しながら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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