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経理の面接で代表的な転職理由3選とは?面接でうまく伝えるコツもご紹介します!

ヒュープロ編集部 川辺
経理の面接で代表的な転職理由3選とは?面接でうまく伝えるコツもご紹介します!

経理職は、ここ最近人気の職種となってきました。しかし、経理はどの会社にもある仕事なので「なぜその企業か」という理由が見つけづらく、志望理由を作るのが難しい職種でもあります。本記事では、経理への転職理由の本音から、どうやってポジティブで筋の通った転職理由を組み立てるか、具体例を交えて説明します。

経理の転職理由の本音

転職を検討したり、実際に行動に移そうとするきっかけや理由は人それぞれです。
転職エージェントとして、転職希望者の方から「なぜ経理職に転職したいのか?(すでに経理職に在籍している方も含みます)」を聞いていると、以下のような理由が挙げられます。

①職場の人間関係(パワハラ、セクハラ、同僚と合わないなど)
②待遇(給与・ボーナス、残業や有給消化率など)
③仕事内容(希望と合っていない。スキルアップできない)
④希望退職(リストラや組織の統廃合による人員整理など)
⑤雇い止め(派遣社員の方など)

会社の退職を決意した人の全体のうち、40%ほどは人間関係に不満があるといった本音を抱えています。経理という職業は外部との関わりが少ない一方で、内部の営業部や経理部内とのやり取りが多い部署です。そのため他の職種に比べて、経理職として安定して働くために人間関係が重要な要素であるといえます。

一方で待遇仕事内容などに関しては、どの業界でもある程度よくある転職理由であるといえます。経理は年収が比較的安定しており、仕事のスケジュールがある程度決まっているため、働きやすい仕事であることなどから、そういった仕事で安定した生活を送りたいという理由も多いのです。
経理に在籍している場合でも、より大規模な企業の経理に転職して年収アップを目指していきたいという方も多くいらっしゃいます。

また、他には作業がルーティーンになりがち成長が望めない残業時間が多い会社の評価制度に不満があるなど、経理の転職理由はさまざま挙げられます。他にもっといい職場があるのではないだろうか、と考える人も少なくありません。

転職理由を考える際に注意したいポイントとは?

採用要件を確認

その企業ではどのような経理の仕事ができ、求められているスキルはどの程度のものなのかということは、しっかりと把握することが重要です。このようなことを曖昧にしておくと、的の外れた転職理由になってしまうことが多いです。

また、転職がうまくいったとしても、自分自身が「思っていたような職場じゃなかった」と入社後に転職を後悔してしまうことにもなるのです。

転職を成功させるためにも、自分自身が長く快適に勤めるためにも、採用条件の確認はもちろんのこと、転職先の企業分析は非常に大切なものになります。
分析の方法はいくつかありますが、まずは企業のホームページ等の世間一般に公表している情報の確認をすることが挙げられます。

ホームページ等には社内の様子やコラムが掲載されていることがあります。採用条件には載らないような企業の方針や従業員の人柄を知る手掛かりになります。企業の方針や人柄を知ることで、面接時の対応をどうような方向性で準備をすれば良いか考える材料となります。

会社付近に赴く

時間が取れそうであれば、実際に志望企業の付近に赴くのがオススメです。会社の人の出入りにより休憩時間や退社時間が採用条件と同様のものであるか、会社の電気の点灯時間により残業時間が採用条件と同様のものであるか等、会社付近に赴き観察をすることで分かることがあります。

経理特化の転職エージェントを利用

そして最も有効である方法が、経理職に特化した転職エージェントを利用することが挙げられます。一人で入手できる方法には限度があります。これまでに沢山の転職者を輩出してきた転職エージェントであれば、様々な企業の情報をもっているため、アドバイスを得ることが出来ます。

また転職エージェントを利用している企業は、人材採用において一定のコストを支払ってでも良い人材を欲しいと考えています。求人掲載料が無料であるハローワークを利用している企業よりも、資金繰りに余裕があり、人材採用に力を入れていると考えられます。人材採用に力を入れていると考えられる企業ほど、採用後も従業員を大切に扱う傾向にあります。

面接では本音の転職理由をポジティブに伝えることが重要

上記のような本音の転職理由をそのまま面接で言うと、良い評価は期待できないでしょう。

なぜなら、会社に対する不満の転職理由は、面接において現在の勤務先の会社の仕組みに原因があるのかが、転職先の面接官には判断することが出来ず、不満を抱く転職者本人に原因があるのではないかとマイナスイメージに捉えられやすいからです。

企業の採用担当は多くの求職者と接する機会があると同時に、人事の業務として退職者の手続きや対応を行うケースも少なくありません。つまり、会社を辞めてしまう人の特徴について把握しているということです。そんな採用担当が、面接でマイナスイメージを与えられた人に対して「辞めずに長く働いてくれそう」という印象を持つことは無いため、転職理由の書き方・伝え方には注意する必要があるのです。

もちろん、嘘をつくべきと言っているわけではありませんが、根本は同じ理由だとしても、その伝え方によって選考時にプラス評価になる場合とそうでない場合があるのです。

転職理由をポジティブに伝えるコツ

本音だとネガティブな理由で転職したいと考える方がほとんどでしょう。それをいかにしてポジティブにしていけばいいのか、紹介していきます。

職場の人間関係が要因の場合

職場の同僚や上司などとの人間関係が良くないために転職活動を行っている場合は、そのまま伝えるのはNGです。前の職場でのことだから評価には関係ないのではないか、と考える方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。

この理由に対して、採用する側としては、「入社したら部署の人間関係が悪くなってしまうのではないか」、「自己本位な性格で周りとの協調性がないのではないか」というイメージを持ってしまいます。そのため、選考を次に進めようとは思わないでしょう。

この場合、その職場環境を卑下するのではなく、「部署の内外問わず、連携して仕事ができる環境で働きたい」と、ポジティブな志向で転職活動を行っていると認識してもらえるような伝え方をするとよいでしょう。その理由を伝えると、面接官は当然「働いていた職場がどんな仕事だったのか」という点が気になってくるので、「今(もしくは前)の職場では多くコミュニケーションを取る社風では無かったため」など、あくまでその会社のスタンスと希望がマッチしなかっただけであることを伝えられると、より良いでしょう。

ただし、面接を受けている会社もそれまでの会社と同様にそこまでコミュニケーションを取らない、もしくは人間関係が良くないと、「うちの会社には合わない」と感じられてしまうでしょう。
しかし、人間関係が良い職場で働きたい方にとって、そのような会社に入社するのはミスマッチとなってしまうため、そこまで気にする必要はないでしょう。
むしろ、そのような会社をはじめから応募先から除いておくことが大切です。人間関係の良し悪しの感じ方はその人次第という部分があり、当然求人に載っているわけでもないため、自力で判断するのは難しいです。
一方で人材エージェントを活用すれば、その企業のリアルな情報をキャッチアップすることができます。特に経理をはじめとした管理部門特化の転職エージェントである当社ヒュープロでは、採用活動をしている企業のリアルな情報を持ち得ていますので、是非ご相談いただければと存じます。

将来性に不安を感じる場合

経理の仕事がルーティンワークになっていて将来が不安に感じた人、今の業務内容に満足ができていない人などには、スキルアップをしたいという転職理由で面接官に伝えるのが良いでしょう

正直に「同じような仕事内容ばかりで、今後のキャリアが不安です」や「今の仕事内容が物足りないです」というと、ネガティブな印象の転職理由になってしまいます。そこで、これらの理由をポジティブな表現で「スキルアップをしたいから」と伝えると相手の印象が変わってきます。

実際に、本人も同じような仕事でつまらないと思っている根本には、もっとスキルアップをしたいという願望があるケースが多いです。せっかくそのようなことを思っていても、言い方によっては相手にマイナスで捉えられてしまいますので、気をつけるべきでしょう。

スキルアップを望んでいることは一般的にはプラスイメージではありますが、あまりにもその意欲が強すぎると捉えられてしまうと、一度採用をしても、また直ぐに他社への転職をしてしまうのではないかと懸念されるケースもあります。
転職理由にはスキルアップと共に転職先に貢献したいという考えも含めるべきでしょう。

これまで経理として働いてきた人が、スキルアップを図ろうとする場合には、同じ経理職でも様々なポジションがあるため、多くの選択肢があります。
経理職には会社の小口現金や振込を実際に取り扱う人、その取引を伝票に起票する人、伝票を基に会計データを作成する人、会計データを基に個別決算業務を行う人、個別決算を基に連結決算業務を行う人、というようにスキルに応じた様々な役割があります。

人事評価に満足していない場合

例えば、ポジションによるスキルアップを志望動機とした一例として、下記の転職理由ができあがるでしょう。

「現在は、中小企業の個別決算業務に携わっております。けれど、今度は組織全体というものを見渡したうえで経理の仕事を理解していきたいと思うようになり、連結決算についても携わっていきたいという希望が強くなりました。御社では、連結スタッフを募集されているとのことで、応募させていただきました」

この転職理由にもあるように、エントリーシートや面接では、その企業がどのポジションの人材を求めているのかを確認しておくようにしましょう。もしもこれを怠ってしまうと「入社してからこのようなことに携わりたいです」と伝えても、応募会社には「そういうポジションの人材を求めているなんて書いてないけど、しっかり我が社の応募内容を把握できてないのかな」とマイナスイメージを与えかねませんので、注意しましょう。

年収アップをしたい場合

上述の人事評価と連動するものではありますが、年収面を転職理由に据える方も多いでしょう。基本給や手当などが高水準である企業は、高年収を目指してその企業に応募する人が多いことを分かっています。
ですが、年収アップしたいからという理由だけでは、業界内外で他の選択肢がたくさんあるため、「他でも実現できるから、そこまで当社への意向は強くないのでは」と感じてしまうでしょう。

その企業内で年収アップが実現できるというのは、それだけ貢献性が評価されるということになるので、「経理として会社の課題やボトルネックを改善するだけでなく、プラスアルファの効果を与えられるような存在になりたい」などと伝えられるとよいでしょう。

そしてこれらの志望動機はあらかじめ準備しておく必要がありますが、丸暗記したものを棒読みするような対応では採用は難しいです。
丸暗記したものをそのまま話すことよりも、面接での雰囲気や話の流れに沿って面接官の意図を汲み取り、その場で文言を変えるような対応力が必要です。
また棒読みでは当然ながら企業への熱意は伝わりません。臨機応変にどこを一番主張すべきか考えながら志望動機を伝えるようにしましょう。

このように自分が持つ強みを上手く面接官に伝え、採用される確固たる理由を作ることができれば、選考を通過することができるでしょう。

志望動機や面接官とのやりとりに不安がある人は、家族等で面接の練習を行うことや、転職エージェントに相談することがおすすめです。
転職面接の事例について詳しくお知りになりたい人は、こちらのコラムも参考にしてみてください。

経理の転職に活かせる資格

ここまで経理への転職理由の考え方について解説していきましたが、そうはいってもそこまで具体的な理由が根本的に無いという方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな時に理由の一つとして含めることができるのが、持っている資格を活かした仕事をしたいというものです。

転職理由への資格の活用方法

未経験からの転職であれば、その資格を活かした仕事をしたいというのが経理職を選んだ理由にできます。
経理職で働いていて別の企業の経理職として働きたいという場合であっても、例えば経理担当なのに総務や労務に近い仕事もやっていたのであれば、「資格を活かした経理の仕事に特化して、最大のパフォーマンスが出せるようになりたい」などと伝えら得れるようになります。

経理で活かせる資格

経理で活かせる資格は多岐にわたりますが、最低限、かつ十分に活かせるのは日商簿記2級です。簿記は特に経理に関心がある方であれば馴染みの深い資格だと思いますが、日商簿記の他にも全商簿記や全経簿記と計3種類、そしてそれぞれ1,2,3級などとレベルが分かれています。

その中でも経理の基本的な業務に関する知識が十分あると認められるのが日商簿記2級なのです。実際、必須資格としている求人も多いため、もし持っていない場合は取得しておくのもオススメです。

もちろん、日商簿記2級以上の難易度の資格である、日商簿記1級税理士公認会計士も活かすことができます。履歴書に資格の記載をする欄がありますが、そこへの記載はもちろん、転職理由や志望動機、自己PRにもこれらの資格を活用できると良いアピールができるでしょう。

経理の転職をすべき時期とは?

転職のベストタイミングは求人が増える時期

当然のことと感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、経理職の求人があればあるほど、転職するベストタイミングといえます。
求人が多くあることのメリットはいくつかありますが、やはり同じ条件で探した時に最もヒットする件数が多いことが大きいでしょう。希望に合った求人で内定を得られる可能性が最も高いからです。

募集している会社が少なければ、限られた選択肢の中から次の会社を選ぶことになります。ここしか選べないからといって何か労働条件を妥協したり、諦めたりする必要が出てしまうかもしれません。そうならないためにも、多くの会社を比較・検討することができるタイミングに転職活動をすることが大切です。

また求人が多く出ていると、他社との差別化のため良い条件の求人が出される確率も上がってきます。今より良い会社へ転職をしたい方は、転職市場が活性化しているタイミングで転職活動を行うようにしましょう。

経理の転職活動にオススメの時期

それでは経理職の転職市場は、どの時期で求人が多く出てくるのでしょうか。ここでは、経理の転職にオススメの時期避けるべき時期について見ていきましょう。

決算の1~2か月前(1~2月・7~8月)

経理は、季節労働者とも言われています。3月や9月の決算期に膨大な量の仕事をこなさなければならず、この季節に集中して働く必要があるためです。

そのことからもわかるように、会社にとって経理が一番必要となる時期は決算期です。決算を無事乗り越えるため、決算期までに会社は経理部門の人員を充足させておく必要があります。そのため、経理の求人は決算前の入社がギリギリ叶う、決算の2か月前に多く出される傾向にあります。

年度末(3月)決算の2か月前、つまり1~2月にかけて、経理の転職市場は活発な動きを見せます。経理一番の大仕事に向け、人員補充を考える企業が多く出始めるためです。
それに加えて、一般的に12月末は退職者が増える傾向にあります。この時期は、年内に退職をし、新年から次の会社で働こうと考えている人たちが会社から去っていくタイミングだからです。

1~2月と同じ理由により、半期(9月)決算前の7~8月も比較的経理の求人数が増えるタイミングです。

株主総会後の6~7月

株主総会後の6~7月も、経理の求人が増える傾向にあります。株主総会が終わることで前期が終わったと考える会社が多いため、新年度に向けた求人が活発する時期になります。

また、経理にとっても、部内で次期の繁忙具合や人事マネジメントについて、落ち着いて考える余裕のある時期と言えます。そのため、6~7月も経理の転職において狙い目の時期の一つとなります。

経理未経験からの転職なら決算期・繁忙期を避ける

決算期は経理の求人が減少する傾向にあります。その理由は、決算で忙しく採用に割く時間が作れないためです。

決算期の経理は忙しく、採用のための募集要項を確認したり、面接を行ったりする時間を取ることができません。採用の時間を捻出する余裕が決算期の経理にはないため、この時期は他の時期に比べて求人数が少なくなっているのです。今後の経理としての経験をしていく上で、繁忙期の入社は遠回りになりかねないので、上記で紹介した時期に入社することをオススメします。

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まとめ

経理の採用面接で重要なことは、その企業だからこそ働きたい理由を伝えることです。現在の職場の不満をそのまま伝えるのではなく、転職先でどういったことをしたいのかといったポジティブな内容を伝えるようにしましょう。

今の不満にばかり目をむけ向き合っていくと、自分にとって重要としていることは何なのか、何を満たしたくて転職したいのかが見えてきます。それをポジティブに考え直してみることで、あなたらしい転職理由が見つかるはずです。これまでの経理のスキルを活かすために転職して良かったと思えるよう、しっかりと自分の考えに寄り添いながら、答えをみつけていきましょう。

当コラム内では、経理の面接ついての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。
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この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:転職・業界動向

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