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社会保険料の支払いは必要?勤務先での社会保険加入義務について

HUPRO 編集部2020.03.25
社会保険料の支払いは必要?勤務先での社会保険加入義務について

一定の条件を満たす事業所や従業員は、勤務先における社会保険の加入義務があります。条件を満たせば社会保険料を事業主と従業員が折半し、給与天引きで支払うことになります。また対象者はパートやアルバイトも含まれることがあります。今回はそんな社会保険の加入義務について対象となる会社や従業員の要件を解説します。

社会保険の二つの範囲

社会保険とは具体的に何を指すのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。実は社会保険には狭義と広義の2種類の範囲が存在します。狭義では「健康保険」、「年金保険」、「介護保険」の3種類となり、広義の場合は狭義の保険に「雇用保険」「労災保険」を加えたものとなります。本記事では社会保険を狭義の範囲として取り扱います。

社会保険に加入義務がある「強制適用事業所」とは

社会保険の、「強制適用事業所」とは、事業主や従業員の意思に関係なく社会保険の加入が義務付けられている事業所を指します。適用条件を満たしているにも関わらず、社会保険の加入手続きを取らない場合、法律で罰せられます。具体的な強制適用事業所は次の通りです。

・事業主を含む従業員が一人以上株式会社などの法人、
・常時使用の従業員が5名以上いる、一部の業種を除く個人事業所(一部の業種については農林水産業、サービス業などとなります。)、

社長しかいない法人も強制適用となる

強制適用事業所の対象となる法人について、注意が必要なのは社長しかいない法人についても支払われている報酬があれば、強制適用事業所に含まれるという点です。法人であれば例え一般の従業員がいなくても、原則として社会保険への加入義務が発生します。

「任意適用事業所」とは

強制適用事業所以外の事業所であっても、従業員の半数以上が適用事業所になることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることで適用事業所となることができます。このような事業所を「任意適用事業所」と呼びます。

社会保険適用対象となる被保険者

会社などの法人および個人事業所といった、社会保険の適用事業所に「常時使用される」70歳未満の方は、国籍や性別、年金受給の有無に関わらず、社会保険に加入することになります。(ただし65歳以上の場合、原則として介護保険は、事業主と被保険者の折半ではなくなり、個人で受給する年金から支払うことになります。また健康保険については74歳まで加入となります。)

常時使用されるという言葉の意味

パートやアルバイトの方であっても、前述の要件にあてはまれば、社会保険の加入義務対象者となります。しかし加入対象とならないパートやアルバイトの方もかなり存在します。「常時使用される」という点に該当しないケースが多いためです。具体的に常時使用されるという言葉の定義は次のとおりとなります。

1.週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同じ業務を行っている正社員など一般社員の4分の3以上

2.1の要件を満たしていなくても、次の「短時間労働者の要件」全てに該当する場合

・週の所定労働時間が20時間以上
・勤務期間1年以上またはその見込みがある
・月額賃金が8.8万円以上
・学生以外
・従業員501人以上の企業に勤務している
逆説的に言えば、パートやアルバイトでもこの「常時使用される」という条件にあてはまると、社会保険の加入義務が発生し、社会保険料を勤務先での給与天引きで支払う必要があるということになります。

社会保険の加入義務がない場合はどうなるのか

勤務先で社会保険の加入義務がない場合、社会保険料の支払いは不要になるのでしょうか?現行のルールでは原則すべての人が何らかの方法で社会保険へ加入することとなっています。
(年金保険は、働いていない学生などは20歳以上、介護保険については40歳以上が対象となります。)

具体的には次のいずれかのパターンで社会保険へ加入することになります。

1.社会保険の扶養に入れる場合

勤務先で社会保険への加入義務が発生しない場合、家族が加入する社会保険の扶養には入れる場合があります。扶養に入ると、原則として被扶養者分の社会保険料負担はありません。(一部例外あり)扶養条件は、同居している家族の場合、年間収入が130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180万円未満)、かつ扶養者の年収の1/2以下であることが条件となります。税金にも扶養という概念があるため、混同されやすいのですが、税と社会保険の扶養に入ることの効果や扶養条件は異なりますのでご注意ください。

2.社会保険の扶養には入れない場合

更に扶養条件にもあてはまらなければ、自ら手続きをして国民健康保険や国民保険などへ加入し、社会保険料も自ら支払うという事になります。

最後のまとめ

今回は社会保険の加入義務や加入条件、社会保険料の支払いの視点で解説をしました。社会保険への加入が漏れてしまうと、法律的な罰則があるだけでなく、病院での医療費の支払いや将来もらえる年金など、生活を安定させる基盤に支障が生じることがあります。この機会にご自身の社会保険への加入状況や社会保険料の支払いについて確認をしてみましょう。

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カテゴリ:コラム・学び

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