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簿記2級の知識で連結決算は対応できるか?

HUPRO 編集部
簿記2級の知識で連結決算は対応できるか?

企業で経理に配属されている方にとって簿記は身近な資格だと思います。特に簿記2級というのは実務の上で最低限の知識の土台となります。その中でも簿記2級において難しい論点とされる連結会計は、連結決算を行う中で必要な知識となります。そこで今回は簿記2級の知識を前提に実務上の作業について解説していきます。

簿記2級の必要性

前提とする簿記2級の範囲について解説していきます。なお、年々出題範囲も変わっているので、商工会議所のホームページをチェックすることをお勧めします。まず初めに大きな特徴としては簿記2級からいわゆる商業簿記と工業簿記の2区分について勉強することです。簿記2級での商業簿記はいわゆる一般企業の財務経理において実務上の最低限の知識を前提としています。この点が簿記の3級との大きな違いです。

一方工業簿記は、いわゆる原価計算といい、製造業などにとっては重要な内容となります。原価計算は物を作るのにどれだけのコストがかかっているのかということを計算するため、原価計算を理解しているとコスト面における視点が持てることが大きな点です。そのため簿記2級を取得することが財務部門や経理部門に所属している人にとっては必須の資格となっています
最近の簿記検定2級の試験でも、連結決算が出題されています。特に、2019年の試験では連結決算の難問が出題され、大きな話題になりました。
参考コラム:歴代一難しい難問が!プロもびっくりの第153回日商簿記2級

連結決算とは

連結決算とは、主となる会社(親会社といいます)と親会社が支配を獲得している会社(子会社)や親会社が重要な影響力を行使できる会社(関連会社といいます)を含む親会社を中心とした全体を一つの組織体として財務諸表・計算書類を作成するために行う決算作業のことを言います。ここでいう財務諸表は連結財務諸表であり、計算書類は連結計算書類といいます。実務上では親会社の決算を締めた後に、連結決算を行うのが一般的です。連結決算では各子会社から必要な情報を収集する必要があるので、提出フォーマットの整備や収集期限などコントロールすることが重要となります。

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簿記2級における連結会計

簿記2級における連結会計の出題範囲は基礎の部分ですので、この知識を理解していないと実務上における連結決算の作業は難しいものといえます。少しでも不安に思われている方は、じっくり復習しておくことをおすすめします。とはいえ、実務上における連結決算作業を経験していくにつれて、連結決算の知識が定着していきますので焦らないでください。

連結決算の実務上の作業

連結決算における実務上の作業としては大きく分けて2つあります。一つ目は連結修正仕訳の入力作業です。こちらは、実際に簿記2級の連結会計で学習している内容ですのでイメージしやすいと思います。連結修正仕訳は、連結決算仕訳に該当するために、親会社の会計処理が締まった後に行うものとなります。会計処理の具体的な内容は簿記1級と簿記2級の学習内容ですし、一旦は簿記2級における前提なのでここでは割愛します。

二つ目は連結パッケージの情報収集です。これは実務上でないと馴染みのないものですので、簡単ではありますが説明します。連結パッケージとは各子会社に対して情報収集を行うファイルであり、連結決算を行うに当たっては非常に重要な資料となります。

連結パッケージの目的としては、親会社が各子会社の財務諸表において前年同期比で著増減している項目について内容を把握することや、親会社における連結財務諸表を作成するうえでの各種注記項目について必要な情報を収集することです。

各子会社から提出された連結パッケージをチェックして、適切に連結パッケージが作成されているか、著増減項目について増減内容が記載されているか、並びに必要な注記情報について適切に記載しているかといった点を見ていきます。この作業が連結財務諸表を作成するうえでの連結決算作業で非常に重要な作業項目となります。

またこの連結パッケージを収集するにあたって、決算スケジュールに組み込み、各子会社に伝達することや回収状況の管理を行うことがスムーズに連結決算作業を行う上で重要になる点も理解しておいてください。

まとめ

今回の記事では、簿記2級を前提とした連結決算について実務上の作業などを踏まえて説明してきました。簿記2級は連結決算を行う上では必要最低限な知識であるため、既に取得されている方は不安な箇所について復習することをお勧めします。またこれから財務・経理部門に配属される方で簿記2級を取得していない方については簿記2級の勉強を実施することをお勧めします。また実務上の観点からは、各子会社から提出される連結パッケージの収集管理及びチェック作業が連結決算を行ううえで非常に重要な作業であるため、事前に綿密な準備をしておくことが連結決算を行う上で重要なのでこの点留意してください。

この記事を書いたライター

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