人事部の仕事は、給与計算など毎月発生する業務のほか、新卒採用など毎年時間をかけて準備するものなど、様々なものがあります。そこで本記事では、人事部で行われる業務ごとにその頻度をあわせてまとめてみました。会社によっては人事ではなく総務や労務、経理部門で行っていることもありますが、会社の中の「ヒト」にまつわる業務について、今一度確認してみてくださいね。
3月決算、新卒4月入社、4・10月が定例異動のケース
人事部の仕事として真っ先に思いつくのが「採用」ではないでしょうか。人事部門の採用は、新卒と中途(キャリア)採用に分けられますが、新卒採用が年に1度であるのに対し、中途採用は通年行っていることが多いです。
いずれも経営サイドから採用計画が降りてきますので、それに基づいてすすめられます。
しかし、新卒の一斉採用については、通年採用を推し進める動きもあり、コロナウィルスの件もあって就活イベントも中止・延期になるなど、従来の採用のやり方を見直さざるを得ない状況に。これから新たな仕組み作りが必要になってくるでしょう。
採用した人材を教育するのも、人事部門の仕事です。新卒採用を行った場合は、新入社員研修や、配属後のフォローアップ研修を含めた長期の研修など、様々な研修を準備する必要があります。また、中途採用社員や中堅社員、管理職や営業職配属者についても業務や職位に応じた研修を、必要に応じて外部業者とも提携して実施し、会社にとって価値の高い人材になるよう企画・立案・実施まで行います。
人事考課による異動・昇給や昇格、賞与の査定などを行う業務です。経営計画に基づく部門・個人ごとの目標作成や、評価、フィードバックを行います。
1年のうち、定期健康診断や、税金・社会保険の支払い手続きなど、行政への届出月が決まっているものについて、締切を守った業務進行が必要です。
年間スケジュールとは別に、人事部の中でも毎月発生するルーティンワークともいえるのが以下の業務です。
いわゆる労務管理系の業務が多くなります。
入退社の手続き | 中途入社の方や退職者における社会保険手続きや、退職金関連の手続が該当します |
労働時間の管理 | 残業時間や休日出勤、有給休暇の管理を行います。残業時間については上限になっていないかのチェック、有給休暇の付与や消化状況についても確認が必要です。 |
給与計算 | 給与計算を正しく行い、従業員の口座に振り込みます |
社会保険料の納付 | 社会保険料を年金事務所に納付します |
源泉徴収税の納付 | 源泉徴収税を税務署に納付します |
人事異動対応 | 組織変更による年に1~2度大きな人事異動の他に、通年でも人事異動を行っている場合に対応します。 |
人事部の中で定期的ではなく突発的に発生する業務もあります。
トラブル対応などネガティブな内容の業務になりますが、いずれも個人情報などが絡むため、慎重な対応が求められます。
労務トラブル対応 | セクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラ、パタハラなど、様々な従業員へのハラスメントの訴え当事者ヒアリングならびに調査 |
懲罰対応 | 不祥事に対する懲罰を決定する。企業によっては懲戒処分を定める懲戒委員会を設置している場合も |
解雇対応 | 余剰人員の削減のための整理解雇(いわゆるリストラ)などの対応が突発的に生じる場合もあります。 |
こうしてみると、人事部と一口に言っても、さまざまな業務を行っていることがわかりますね。もしあなたが、教育・研修を担当したいのに、労務管理業務となってしまったら、せっかくのスキルを活かすことができません。
人事部門に転職したいと考えているのであれば、自分の希望先と転職先の業務のマッチングは慎重に行うようにしましょう。