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実際の手取り給与額の計算方法をわかりやすく説明!

HUPRO 編集部
実際の手取り給与額の計算方法をわかりやすく説明!

あれ?思ったよりもお給料の振込金額が少ない……実際に受け取った給与が想像よりも少なかった経験を持つ方も多いのではないでしょうか?実際に手にすることのできる「手取り金額」とは、額面給与から税金や社会保険料を引いたものなので、およそ75~80%ほどが手取りとなるのです。本記事では、額面の給与から手取り計算を求める計算方法について解説します。

「額面」と「手取り」とは?

就職・転職時に注目の「給与」ですが、ここで提示されている金額は「基本給」です。しかし、実際基本給=額面給与となることはあまりありません。というのも、基本給に残業代や各種手当などを足した金額が「額面」給与だからです。

実際に給与口座に振り込まれるのは、そこから社会保険料や税金などを控除した「手取り金額」となります。

図解すると以下のような形です。

「額面」と「手取り」とは?

額面給与の決まり方

まず、額面給与については、以下のような給与と手当で構成されています。主なものを見てみましょう。

(1)基本給

毎月支払われることが決まっている基本的な賃金。以下の諸手当や、出来高によって支払われる「歩合給」などは除きます。

(2)歩合給※

就業規則によりますが、営業職などで営業成績によって決まる給与。毎月の成績によるため変動があります。

(3)時間外労働手当

いわゆる残業代です。基本的には22時までのものと休日出勤以外の手当になります。計算基準については、各社異なりますが、給与規定に示されています。

(4)超過勤務手当

残業代のうち、深夜残業や休日出勤などの手当です。通常の時間外労働よりも金額が割り増しされています。

(5)資格手当※

就業規定により、会社の業務上必要な資格を持っているともらえることがあります。

(6)住宅関連手当※

会社に住宅補助制度がある場合にもらえる手当。

(7)出張手当・交通費※

出張があった場合にもらえる手当や、交通費の立替、また出勤などの定期代です。こちらは非課税です。

(※)の手当については、会社の給与規定により存在しない場合があります。

手取り金額の決まり方

手取り金額は、額面給与から以下の各種控除を引いたものとなります。給与明細上では「差引支給額」と書かれているもので、実際に金融機関の口座に振り込まれる金額のことです。

(1)健康保険

ケガや病気の際に3割負担で病院にかかることができます。保険料は会社と半額ずつ負担しますが、会社がどの健康保険組合に加入しているかによって、保険料率が違います。

(2)介護保険(40歳以上)

介護が必要になった際、1~2割の負担でサービスを受けるための保険。健康保険料と一緒に引去りされます。

(3)厚生年金

将来の老齢年金をもらうためや、障害を負った場合の給付金をもらえる年金制度。保険料は会社と半額ずつ負担します。

(4)雇用保険

失業したときの失業給付や育児休暇の給付金などを受けるための保険。

(5)所得税

額面給与から非課税となる手当を除いた部分にかかる税金です。源泉徴収という形で天引きされ、年度末に年間の所得が確定した際に正確な税額を算出して精算する年末調整が行われます。

(6)住民税

住んでいる都道府県・市町村などに納める税金。前年の年収によって金額が決まる賦課方式です。給与天引きする場合は、翌年の6月から12ヶ月の均等割で支払います。

(7)財形貯蓄や生命保険料など

給与天引きで加入している財形貯蓄や生命保険などがある場合は、併せて引去りされます。

給与から手取りを大まかに類推するには

正確な手取り金額は、その月の額面給与がわからないと計算できません。財形貯蓄や生命保険料などを天引きしている場合は別ですが、必要な引去りを行うとだいたい手取りは額面の80%程度になると言われています。

例えば、求人票を見て月給が30万円とあったら、大体24万円前後が残業無しでもらえる金額ということになります。

なお、住民税については翌年からの支払になるので、無収入である学生が新卒で就職した場合、初年度は住民税がかかりませんので2年目以降に手取り金額が少なくなります。

求人票の給与は「手取り」?

求人情報などの「給与」は「年収」または「基本給」が多いです。これは残業代を含まない基本給で記してあることがほとんどなので、「額面」でも「手取り」でもありません。

また、記載する金額が「手当込み」の場合は「基本給」「手当」がいくらなのかをそれぞれ明記する必要があります。記載していない場合は、ブラック企業である可能性が高くなります。

いずれにしても税金や社会保険料が引かれる前の金額なので、そのままの金額がもらえることはありません。
また、給与から手取りは大まかに80%と前述しましたが、日本は累進課税で、税金も社会保険料も収入に応じて税率が上がりますので、高い年収を提示されているほど、実際の手取り金額が思ったほど少ないということも良くあります。

当コラム内では、給与についての記事を他にも公開しています。

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この記事を書いたライター

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