四半期決算とは、3か月に一度行われる決算のこと。上場会社は、金融商品取引法により四半期報告書を提出することが義務付けられている(一部の会社を除く)ため、企業の経理は3か月ごとに決算処理を行うことを迫られています。今回はこの四半期決算について解説していきます。
決算とは、企業が企業活動の状況についてまとめ、報告を行うこと。企業内部の人間はその結果を受け今後の経営判断を行います。また、企業外部の人間は、その結果を受け企業への投資判断を行います。決算は社内外の人どちらにとっても重要な行為となります。
決算には連結決算・単体決算という種類があります。この2つの違いは、親会社と子会社の決算を一緒に行うか・行わないかという点です。連結決算は、親会社と子会社の数値を合わせて決算を行います。一方の単体決算は、それぞれの会社ごとで行う決算となります。
決算は、決算を行う対象期間ごとに5つの決算に分けることができます。
毎日行う決算のことを日次決算と言います。一日単位での資金や商品の動きを管理します。日次決算を行うことは義務ではなく、また手続きも煩雑化してしまうため行っていない会社も多くあります。
月次決算とは、1か月ごとに行う決算のこと。売上の入金や費用の支払状況を確認したり、企業内で予実管理を行ったりすることを主な目的として行われる決算です。
四半期決算はQ(クォーター)決算とも呼ばれています。
3か月ごとに行われる決算で、
1Q決算・2Q決算・3Q決算・4Q決算と1年間に4回行うことになります。
2Q決算は半期決算、4Q決算は年次決算の欄をご参照ください。1Q及び3Q決算については次章にて詳しく解説していきます。
半期決算は、半期ごとに行う決算のこと。1期を12か月としている会社の場合、期初から半年経過した時点で行う決算です。
半期決算では、企業の半年間の業績を集計し確認します。半年という大きなくくりで経営状況を確認することで、経営判断の中間結果がどうなっているのか迅速に確認することができます。
また、半期決算は投資家や株主等のステークホルダーにとっても大きな意味を持っています。自分が出資した企業の状況がどうなっているのか掴み、今後の投資判断に役立てるためです。
金融商品取引法により、半期報告書の提出を義務付けられている会社にとって半期決算は1年のうちでも大きな仕事となります。四半期報告書(2Q)を提出する場合は、半期報告書に代えることができます。
年次決算とは、1年に1度、その期の総まとめとして行われる決算のこと。日本の会社では3月末決算として行われるケースが多いです。
1年間の企業活動をまとめ、有価証券報告書を作成します。また、年次決算により作られた決算書を元に、その年の納税額を算出します。企業にとっては1年のうちで一番重要な決算になります。
四半期決算のやり方は、半期決算、年次決算と同様に、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの決算書を作成するため、該当期間の数値を集計していきます。
その際、該当する事象があれば決算整理仕訳を行う必要があります。決算整理仕訳とは、決算時にその該当決算期の数値として認識すべき売上や費用といった数値を確認し、その期に発生したことになるよう調整の振替仕訳処理を行うことです。
また、四半期決算では四半期報告書を作成する必要があるため、上記決算書に加えてセグメント情報などの注記情報、並びに企業の概況、事業の状況等とまとめていく必要があります。
金融商品取引法により、上場会社のほとんどは四半期報告書を四半期終了後45日以内に提出することを義務付けられています。四半期報告書を作成するためには、四半期ごとに決算を行い、売上や利益など様々な数値を集計していく必要があります。そのため、四半期決算は上場会社にとって必ず行わなければならない決算となっています。
自社はもちろんのこと、転職したい会社や興味のある会社の四半期報告書はぜひ読んでみてください。経営状況を簡単に確認することができます。四半期報告書は各企業のホームページやEDINETで公開されています。