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税理士の仕事って本当につまらないの?

HUPRO 編集部
税理士の仕事って本当につまらないの?

税理士の仕事って、なんだかつまらなさそうに思えますか?専門職である税理士は、はっきりと向き不向きが別れる仕事です。

確定申告の相談を受けたり、税金を計算したり、企業の節税や事業承継、経営のお手伝いをしたり、スムーズに相続をおこなえるようにアドバイスしたり、税理士の仕事は意義のあるお仕事がたくさんあります

本記事では税理士の業務の中で一見「つまらない」と思われがちな仕事内容を取り上げ、その意義について解説します。

ここがつまらない?と思われがちな税理士の仕事

税理士の仕事の中で、一般的に「つまらない」と思われがちな点をまとめてみました。

(1)単純作業が多い

税金の計算の元となるのは帳簿。帳簿をつけるための業務はひたすら伝票を入力したりする単純作業ですし、内容のチェックも経費が適正に使用されているか、仕分けが正しいかなどを、ひたすら紙とディスプレイを見つめてチェックを進めていく根気のいる仕事です。

こうしたルーティンワークは税理士自体がすることは少ないかもしれませんが、どんな仕事も大事なのは基礎データつくり。

帳簿のミスなどを発見するためには、コツコツとした作業をきちんと正確にこなせる忍耐力が必要です。

(2)毎年同じようなスケジュール

1月から3月は確定申告、その後は企業の決算が集中……と税理士の仕事は年間のルーティンがある程度決まってしまっているからつまらないという人もいます。

これは特に、大手の税理士事務所に入ってしまうと、チームで専門的な業務にあたることが多くなるため、自分の裁量があまりないままに仕事を積み上げていくということになりがちなので、より仕事へのつまらなさを感じやすいかもしれません。

しかし、裏を返せば、ライフステージの計画が立てやすいということです。特に家庭がある人にとっては、いつが繁忙期、閑散期なのかわかっていた方が、役割分担がやりやすく、助かる面が非常に大きいといえます。

(3)人づきあいが面倒

税理士の仕事は決算書を作成するだけはありません。それはあくまで成果物であり、本来の業務はその決算書の中身、つまり会社の業績をより良いものにすることです。

しかしその過程で個人事業主や会社社長の方々とコミュニケーションを取り、時には苦言を呈するような、密な付き合いが生じます。

そうしたお付き合いが面倒……というタイプには向きませんが、起業時の応援、経営の問題や悩みを抱える社長を身近でサポートすることは、他ではなかなか得難い経験です。そこにやりがいを感じるような人は税理士の仕事が楽しいと思えるタイプでしょう。

また、最近ではクラウド会計システムが進化してきたことから、リモートで業務を受ける税理士も出てきました。事前にアクセスパスワードなどを顧客から教えてもらい、領収証などの必要書類送付することで、確定申告が完結するような新しいサービスも生まれてきています。

在宅ワークが広まることによって、顧客層にも変化が起こり、今までのような接待やゴルフといった付き合いが求められないクライアントを開拓するという事で、新しい業務形態をうみだすという事も可能です。

(3)人づきあいが面倒

(4)新しいことにチャレンジできない?

税理士の仕事の根拠は税法などの法律、そして国税庁などから出される通達です。こうした決まり事に縛られて独創的なアイディアやチャレンジができないと思う方もいるかもしれません。

しかし税理士というのは独占業務であり、ある日いきなり規制緩和されて新業態の企業がそれまでの勢力図を塗り替えてしまうという事態は起こりません。

新しいものを作り出すというよりも、決まりの中でどれだけのことができるかという知恵を働かせるのが税理士の仕事です。

日本ではほとんどの方が給与所得者ということもあり、源泉徴収されているので納税の意識は薄い状況が長らく続いていましたが、2019年の消費税増税や、2020年の基礎控除や給与所得控除額の変更により、税金への意識が高まっています。

また、ネット環境の充実やリモートワークの広がりを受け、前述のように税理士業務をリモートで受けたり、YouTubeやTwitterなどで、フォロワーにたいして税金の啓発を行ったりする税理士もでてきました。

今までの「税理士」というイメージにとらわれず、独占業務であることを活かし、柔軟な働き方を考えられる時代になってきているのです。

一般的に夢があるように思える企業家や芸能人などもみな、日本にいる限りは納税の義務を負っています。そうした人々の役にたって縁の下から支えるという役割を楽しめる方には、税理士は適職であるといえます。

税理士はつまらないと思える人には向いていない

いわゆる士業においては、ドラマのような仕事内容というのはあり得ません。税理士に限らず、公認会計士だって弁護士だって、日常的にこなしている業務はほぼ地道なものです。

また、仕事というのは全て「面白い」ということはなく、基本的に「つまらない」部分があるものです。「好きを仕事に」した方もいますが、結局仕事となってしまうと「好き」の部分が薄れてしまうというのはよくあること。

普段の地道な仕事をきちんとこなしているからこそ、成果を出すことができる、というのが税理士に関わらず、すべての仕事におけるセオリーです。

「つまらない」ことが「嫌」ではなく「仕事として嫌いじゃない」という位の感覚でないと、税理士試験を突破しても、税理士を続けるのは難しいかもしれません。

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この記事を書いたライター

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