士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

税理士とは?仕事内容や年収、持っているメリットまで徹底解説

ヒュープロ編集部 川辺
税理士とは?仕事内容や年収、持っているメリットまで徹底解説

納税は国民の義務ですが、その制度は複雑で、不必要な税金を支払ってしまっている個人や法人の方は少なくありません。そんな税務に関するプロフェッショナルである税理士は、節税対策や正しい納税のサポートが可能な専門家です。この記事では、そんな税理士の仕事内容や年収、働き方の種類まで、徹底解説します!

税理士とは

税理士は読んで字のごとく「税」にまつわるプロフェッショナルです。消費税、所得税や相続税などの一般的に広く存在が知られているものから、揮発油税、石油税、ゴルフ場利用税などの少々マニアックな税まで幅広く精通しています。

そしてこのような知識を活かして、税金を円滑に納められるように個人もしくは法人をサポートするのが税理士の役目です。しかし、税金に関連する法律は非常に複雑で量も膨大であるため、税理士はそれぞれ分野ごとに棲み分けをしています。

税理士は会社の税務の届出、会計、税務申告など税務署への届出を専門的に行います。また記帳代行、複雑な税務会計の処理なども行います。さらに経理体制の確立、法人税・消費税などの申告書の作成提出など、税理士が行える業務は様々です。会社の役員になってもらうこともできますし、事務員として手が回らない必要最低限の業務だけを外注することもできます。

税理士になるには

税理士になるためには、3つの順を踏む必要があります。それぞれ見ていきましょう。

税理士試験に合格する

税理士として登録をするためにはまず、当然ながら「税理士資格」を取得する必要があります。

税理士試験は毎年8月に実施されており、11科目のうち、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目税法に属する科目(所得税法法人税法相続税法消費税法又は酒税法国税徴収法住民税又は事業税固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)に合格しなければなりません。

試験の合格基準点は、各科目とも満点の60%であり、会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に合格すると税理士試験を突破することができます。税理士試験は科目合格制を採用しているので、受験者は5科目について一度に合格する必要はありません。1科目ずつ受験することも可能です。

試験免除や科目免除を受けるケース

なお、先にご説明したような税理士試験の一部もしくは全てを受けずに、税理士としての登録ができることがあります。
①学位取得による科目免除
会計大学院などに通学し修了することで、税理士試験の一部科目について一部免除ができます。

該当者 免除される科目
平成14年3月までに大学院に進学した者 商学の学位(修士または博士)を持つものは会計系の科目(簿記論・財務諸表論)
法学・経済学のうち財政学の学位(修士または博士)を持つ者は税法系の科目(選択必修及び選択科目)
平成14年以降に大学院に進学した者で、会計系あるいは税法系の修士論文を執筆し学位を得た上で、それぞれの科目に1科目以上合格した者 会計学に属する科目等の学位を持つ者は残る会計系の科目
税法に属する科目等の学位を持つ者は残る税法系の科目
平成14年以降に大学院に進学した者で、会計系あるいは税法系の博士論文を執筆し学位を得た者 会計学に属する科目等の学位を持つ者は会計系の科目
税法に属する科目等の学位を持つ者は税法系の科目

②国税従事による科目免除

該当者 免除される科目
10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者 税法系の科目
23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者 会計系の科目

③弁護士資格・公認会計士資格を有している場合
弁護士資格や公認会計士資格を有している場合、無条件で税理士として登録することができます。ただし、平成29年以降4月1日以降の公認会計士試験の合格者は、税法に関する研修を修了した公認会計士についてのみ、税理士資格を得ることができます。

実務経験を積む

税理士試験の合格と併せて2年間の実務経験をしなければなりません。実務経験は下記のように定められています。

<税理士登録に必要な実務経験>
簿記の原則に従って会計帳簿を記録し、その会計記録に基づいて決算を行い、財務諸表等を作成する過程において簿記会計に関する知識を必要とする事務
①簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務
②仕訳帳等から各勘定への転記事務
③元帳を整理し、日計表又は月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
④決算手続きに関する事務
⑤財務諸表の作成に関する事務
⑥帳簿組織を立案し、又は原始記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務

実務経験をするタイミングに関しては合格の前でも問題ないため、試験合格時に既に2年間の実務経験をしている場合は、次でご紹介する登録さえすれば税理士になることができます。
«参考記事»

税理士登録

税理士試験合格および2年の実務経験をしたら、税理士登録の申請書類を各地域の税理士会に提出する必要があります。
申請が受理され日本税理士会連合会の税理士名簿に登録されれば、税理士を名乗ることができます。

税理士の主な仕事内容

日本に暮らす私たちは、知らず知らずのうちに多くの税金を支払っています。例えば、買い物をしたら消費税、給料をもらったら所得税・住民税、家を買ったら固定資産税など税金というのは私たちのとても身近にあるものです。

税理士は税金に関するプロフェッショナルとして3つの独占業務を持っています。具体的には税務書類の作成税務申告の代理税務相談です。この独占業務については税理士法で定義されており、税理士以外が行うことはできません。
なお、独占業務はお金をもらわなければやっても良い有償独占と、お金をもらわなくてもやってはいけない無償独占があるのですが、税理士の独占業務は無償独占に該当するので、有償・無償問わず法令違反になってしまうのです。

税理士でない人がこれらの規定に違反した場合は、税理士法第59条第1項第4号により、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる場合がありますので要注意です。

税務書類の作成

個人事業ならびに法人の決算書や、税金の確定申告書、相続税申告書など、税務署に申請する書類を税務書類と言います。税金の種類によって様々な税務書類がありますが、これらを代行作成できるのは税理士だけです。
最近では確定申告の書類をPCで作成することが多くなりましたが「パソコンが苦手で・・・」という知人の代わりに税務処理を作成してあげることも、「税務書類の作成」ですので、有資格者以外が行うことはできません。

税務申告の代理

租税に関する法令や、行政不服審査法の規定に基づく申告・申請・請求・不服申立をおこなったり、申告・税務官公署の調査・処分に関し、税務官公署に対してする主張あるいは陳述したりすることが税務代理です。
代表的な例としては、税務署への書類の提出や、税務調査の対応が該当します。納税者本人が対応することはもちろん可能ですが、代理を立てる場合は税理士以外は認められません

税金の計算や納税などは複雑な仕組みとなっており、税務に関する知識を持たない一般の方が正しい申告や納税を行うのは非常に難易度が高いのが実情です。そこで納税者が頼りにするのが税理士ということです。

また申告や納税以外にも、税務調査などといった申告後の税務署とのやり取りにも関わります。税務調査の立ち会いは税理士にとって腕の見せ所ともいわれており、税務署の担当者への説明や専門家の立場から意見を行います。

税務相談

税金に関連する相談に対してアドバイスすることを税務相談といいます
企業と顧問契約を結んでいる税理士は、定期的(だいたい月に1度)に帳簿を確認しながら、経費や税金の処理や資金繰り、コスト削減など、経営面全般に対するアドバイスも行っているのが一般的です。また、金融機関へ融資の相談に行ったりもします。
最近ではインターネットを使ってオンラインで税務相談にのっている事務所もありますが、実はこうした相談業務も税理士の独占業務となります。

いわゆる「税金に詳しい」人であっても、税理士資格を持たない人が税金に関する相談を受けることはできません。もちろん、社長が自らの会社の税務関連について判断を下したりするのは自由です。

金融・保険商品などで「具体的な税務判断については、税理士にご相談ください」と記載されているのは、その商品を購入することで、どう節税効果があるのかといった税務に関する相談の回答は税理士の独占業務だからです。友人に聞かれたからといって応えたりするのは法令違反なのです。
《関連記事》

税理士の独占業務以外の仕事内容

税理士は独占業務だけを行っているわけではありません。独占業務以外にもクライアントの記帳代行(帳簿作成)などの会計面のサポートや、経営コンサルティング業務などを行っています。具体的な業務について、いくつか紹介していきます。

記帳代行業務

クライアント企業に経理担当がいれば問題ないですが、創業間もないスタートアップ企業や中小企業の場合、経理担当者がいない場合も多くあります。そのような場合に、クライアントの領収書や会計ソフトへの入力から帳簿作成までを代行する業務記帳代行業務と言います。

コンサルティング業務

経営コンサルティング業務は、会社の経営状況を分析・判断し現在の経営施策の提案や将来的な経営対策についてのアドバイスをすることがメインの業務になります。従って、情報に基づき仮説を立て分析する能力や、きちんと経営者の話を聞き情報を整理する能力が必要です。

税理士に期待されるコンサルティング業務として、税金及び会計だけでなく、起業経営計画財務、株式公開、M&A事業承継、組織再編、事業再生などの分野についての助言・提言などが考えられます。

《関連記事》

相続業務

相続税とは、亡くなった人から相続や遺産などにより取得した財産の合計額が基礎控除額を超える場合に、支払うべき税金です。相続の対象となるものは、不動産や株式、現金、または宝石・家具まであらゆるものが相続対象となる可能性があります。

相続に関する業務としては、以下のようなものがあります。

・相続税の算出や不動産(土地・建物)の評価、遺産分割方法を試算
・遺言書作成のアドバイス業務
・相続税のシミュレーションを立てる
・財産目録の作成
・遺産分割協議書の作成から相続税申告

遺産分割協議書の作成は、場合によっては弁護士や行政書士にお願いすることもありますが、相続税申告に必要な書類なので税理士も対応することができます。

《関連記事》

事業承継業務

事業承継は、計画の立案、後継ぎの選択や育成、各種手続方法、税金知識やトラブル対処法など、専門的な知識を必要とします。これらの業務は、税理士のみならず弁護士社会保険労務士中小企業診断士なども対応しています。
事業承継の方法や時期の選択によっては、無駄な税金を支払ったりするケースもあるので、事業承継前に経営者に対してアドバイスをすることも業務の一部です。

《関連記事》

個人のクライアントを担当する税理士の仕事内容

個人のクライアントとは、自営業や年金受給者、不動産をお持ちのオーナー・大家さんなどを指します。これらに該当する方たちは、1年間で得た所得額によっては確定申告が必要になるため、税理士は申告に関する業務を代行します。帳簿付け、年末調整、源泉納付、給与支払報告などの作業に始まり、最後に確定申告書の作成、申告を行うことになります。

確定申告は2月~3月に行われるため、個人顧客を多く抱える税理士はこの時期が繁忙期となります。確定申告以外にも遺産による相続税、不動産購入による登録免許税や取得税などが発生すると業務量も増えるため、さらに忙しくなることが予想されます。

個人事業主は自分一人で働いているとは限らず、別の誰かを雇っているという場合もあります。そのため基本的には、事業主とのやり取りが多くなるとは思いますが、事業主以外のクライアントと密にコミュニケーションを取ることもあります。確定申告を通じて、納税額もしくは還付額が決定するため、確定申告に関する業務は個人のクライアントを担当する税理士にとって非常に重要であるといえます。

また、個人のクライアントを担当する税理士にとって、所得税の確定申告以外に特に重要な業務としては、遺産の相続税に関する業務が挙げられます。

法人のクライアントを担当する税理士の仕事内容

企業などの法人が顧客の場合は、毎月試算表を作成し、単月分の決算内容をまとめる作業を繰り返します。これは1年に1回訪れる決算期や中間決算に備える目的で行われています
企業の経営、財務状況などを照らし合わし、経営者へのヒアリングやアドバイスを行いながら法人税や消費税の中間申告、本申告を実施するのが一般的です。

特に利益が多く出ている期の場合は納税額の負担も重くなり、資金繰りが危うくなる企業も出てきますので、税理士はこれらの点も重視しながら対策法などを考案します。法人顧客の場合は決算期も企業によって異なるため、一概にはいえませんが、主には春先(2月~5月)が多忙になる税理士が多いです。

また法人のクライアントを担当する税理士の中には、税務を通じて企業の全体を見渡し、企業が属している業界や企業が行っているビジネス自体に関する見識を深め、経営に対するコンサルティングを行っているという税理士もいます。他の税理士と大きく差別化を図りたいという方には、経営コンサルティングは大きなチャンスがある業務であると言えます。

税理士の働き方

税理士はニーズが高い職業なので、様々な働き方が可能です。それらは、税理士法人や会計事務所などに所属する勤務税理士、一般企業などの管理部門に所属する企業内税理士、そして独立開業した開業税理士の3つに大きく分けることができます。

勤務税理士

勤務税理士は、所属する税理士法人や会計事務所のクライアントにサービスを提供します規模感やサービス内容によって行う業務も変わってくるのが特徴といえます。

例えば、Big4などの大手税理士法人で働くのであれば、クライアントも大手企業であることが多いため、他では経験できない大きなプロジェクトに関われる可能性があります。その一方で、分業制のため一部の業務の習得しか進まなかったリ、先輩社員が多い関係でキャリアアップがなかなかできないという可能性もあります。

また、従業員10名以下の小規模会計事務所の中には、相続や国際税務などといった特定の専門領域に特化した事務所もあります。そのような事務所で働くとすると、その分野のスペシャリストになり、より市場価値の高い税理士にレベルアップすることができます。また小規模だと分業せず、幅広い業務の経験を積むことができます。一方で、福利厚生が充実していなかったり、大手より年収が低いことが多いです。

企業内税理士

企業内税理士は、一般企業の経理部などの管理部門で業務を行う税理士です。会計事務所などに比べて福利厚生や職場環境が充実している傾向にあります。一方で定型業務が多いためやりがいが少なく、年収はその企業の給与水準次第であることや、ジョブローテーションなどで税理士の知識が活かせない部署に異動しなければならない可能性などがあります。

営業力やスキル次第で案件が増えるわけではないので、自分の能力でどんどん実績を上げていきたいという方よりは、着実に仕事をこなして安定的な収入を担保したいといった方が選ぶことが多い働き方です。

開業税理士

開業税理士はその名の通り、税理士事務所などを開業した税理士のことです。税理士が最も稼げる可能性があるのが、この開業税理士です。ただし、高年収になるためには税理士としての知識やスキルはもちろん、営業力マネジメント力マーケティングスキルなども必要です。それらが不足している場合は、年収が0となるリスクもありますので、注意が必要です。

税理士の年収

令和2年賃金構造基本統計調査によると、税理士の平均年収は958万円ほどです。全体平均が308万円ほどであることを考えると、かなり高い給与水準であるといえます。

一方で、働き方や働く職場の規模感や事業内容によって大きく年収が変わるので、年収300万円ほどの税理士もいれば、2,000万円以上の高年収を実現している税理士もいるのが現実です。

税理士のリアルな年収事情について、詳しくは以下の記事で紹介してますので、併せてご参照ください。

出典:令和2年賃金構造基本統計調査

税理士の繫忙期と閑散期

税理士はその業務の特性上、繫忙期と閑散期の差が大きいのが特徴です。具体的にいつ頃が繁忙期に該当するのか、税理士の就業先として代表的な会計事務所のスケジュールを例にとって
、解説していきます。

       
1月 12月決算の決算業務
2月 12月決算の確定申告
4月 3月決算の決算業務
5月 3月決算の確定申告
6月 固定資産税・都市計画税の納付
11月 3月決算の中間報告
12月 年末調整、源泉徴収票の交付

こちらを見ていただければわかるように、年末調整が始まる12月から確定申告の終わる5月までは会計事務所にとっては繁忙期となります。
一般的にはこの時期の会計事務所は残業時間がかさんでしまう傾向にあります。
一方で、確定申告後の6月から11月は閑散期となります。比較的休みの取りやすい事務所も多く、8月の税理士試験に備えて試験休暇を付与してもらえることもあるでしょう。
また、事務所はこの閑散期には繁忙期に備えて採用に力を入れる傾向にあるので、転職をお考えの方は閑散期に積極的に動くことをお勧めします

税理士資格を持っているメリット

税理士資格は国家資格の中でも難易度が高く、知名度もあるので、転職や就職に有利に働くことは周知の事実でしょう。
しかし、専門性が高いこともあり、その理由についてはあまり知られていないかもしれませんので、代表的な3つの理由を紹介します。

有資格であることで知識を武器にできる

企業にとって税理士は、税金や会計の専門家であり、その知識やスキルを持つ人材は非常に重要です。また、税務や会計の問題が発生した際には迅速かつ正確な対応が求められるため、税理士資格を持つ人材は労働市場において重宝されるのです。

税務以外にも、経営者の課題を解決できると期待されるため

税理士は税金や会計に関する知識だけでなく、経営管理法務の観点についても幅広い知識を持っていることが期待されます。そのため、ビジネス全般に関するアドバイスや意見を求められやすい立場にあります。また、企業の経営戦略に沿った会計システムを設計したり、法的な問題に対処したりすることが求められることもあります。

経理などの高い業務専門性をアピールできる

税理士は、会計や税務に関する知識を持つだけでなく、コミュニケーション能力や説明力も求められるため、幅広い業種・職種での活躍が期待されます。たとえば、企業の財務担当者経理担当者、あるいは行政法務関係の中の税務・会計に関する職種での活躍ができます。

また、業務の専門性以外にも税理士資格の取得を根拠として、正確な計算力や論理的な記述力が必要となるため、基本的な能力の高さもアピールできます。また、合格のために長期にわたって、目標に向かって粘り強く努力を重ねることができるといった点も十分アピールできるポイントでしょう。

他の理由も含め、下記の記事で詳しく紹介しておりますので、併せてご覧ください。

税理士と公認会計士の違い

税理士とよく混同されがちなのが公認会計士です。

試験免除の有無

公認会計士試験を突破した人は税理士登録をすることが可能(税理士は公認会計士試験の短答式試験の財務会計論、論文式試験の租税法を免除されますが、受験は必要)なことも混同される要因としてあるようですが、一番の違いはその逆は不可能であることです。
つまり、税理士試験を突破して税理士になった人でも公認会計士試験の免除はされないのです。

公認会計士にも独占業務がありますが、税理士がそれを行うことができません。しかし、公認会計士が税理士登録をすれば、税理士の独占業務を行うことができるのです。
つまり、公認会計士の方が対応できる領域が広いということになります。ただし、専門性が異なる資格であるため、一概に公認会計士の方がレベルが高いというわけではありません。

専門性や仕事内容

ここまで見てきた通り、税理士は企業や個人事業主などの会計処理を代行したり、税金の申告書を作成したり、節税対策を行ったり、税務調査に立ち会ったりするのが主な仕事です。

これに対して公認会計士は、企業の決算書を第三者の立場で監査士会計基準に則っているかどうかを調査することが仕事です。決算書を監査することによって、その企業に投資している投資家や株主の利益を守るというのが主な目的となります。監査業務は公認会計士の独占業務に該当しますので、他にはない役割を果たすことができます。

税理士と公認会計士、どちらも会計に携わる業務ではありますが、そのメイン顧客について、税理士は個人事業主から大手企業まで様々で、公認会計士は監査が必要である上場企業などの大企業が該当します。

税理士と公認会計士の仕事内容の違いについてはこちらのコラムでも詳しく紹介しているので、是非ご覧ください。
《関連記事》

税理士の仕事はなくなってしまうのか?

最近、税理士の仕事の必要性について疑問が投げかけられることが多くなってきました。人工知能の開発によって、税理士は仕事を奪われる筆頭であるという意見や、そもそも税務処理は自分でもできるのだからわざわざ税理士を雇う必要はないという意見です。しかし、たとえ人工知能が開発されても税理士の仕事がなくなることはありませんし、税務処理を税理士に任せるメリットはたくさんあります。

税法のキャッチアップができる

税法は毎年のように変わりますし、税法の解釈によって税額は変わります。したがって、毎年のように変化する税務処理の方法をキャッチアップすることは非常に困難です。そんな税法を正確に把握し、個別最適化した意見を提供することは税理士にしかできない役割といえます。

タックス・プランニングに沿った税務対応

また、人工知能の開発によって、たとえ帳簿処理が自動化されるとしても、会社の税務上の戦略(タックス・プランニング)に沿って税務処理を行なうことはできません。それぞれの会社によって、タックス・プランニングは異なるからです。それぞれの会社のタックス・プランニングに沿った税務処理を提案することができるのは税理士だけです。したがって、人工知能が開発されても、税務処理機能が会社にあったとしても、わざわざ税理士を雇う必要があると考えることができるわけです。

まとめ

今回は、税理士について業務内容や年収など、詳しく解説していきました。税理士は持っているだけで非常に市場価値の高い資格ですので、転職活動でも活かせます。一方で、人材エージェントを活用して、面接対策や書類添削を行ってもらうことで、確実に希望の企業から内定がもらえるように準備しておくことが大切です。

▶︎ キャリアに関するコラム記事はこちら

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:業務内容

おすすめの記事