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金融から税理士に転職する際のポイント!活かせる業務経験は?

HUPRO 編集部
金融から税理士に転職する際のポイント!活かせる業務経験は?

近年金融機関の就職人気にも少し陰りが見えてきました。金融機関出身で税理士を目指す、もしくは会計事務所への転職を考えている方向けに転職のポイントをこの記事ではまとめました。金融出身者として活かせる点など、ぜひ参考にしてみてください。

金融出身者の税理士試験受験資格

まず税理士になるには試験に合格することは言うまでもないかと思いますが、実は税理士試験においては受験資格が必要となります。そしてその受験資格の中で、金融関係者の方であれば『銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者』に該当することで受験資格を得ることが可能になります。

参考までに他の受験資格においても記載しております。
・大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
・大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
・一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学(※1)を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格した者
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
・法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
・日商簿記1級もしくは全経上級合格者
 
他にも金融機関に就職した方などは『大学を卒業した上で法律学又は経済学を一科目以上履修している』に該当する方も多いと思います。
これが一つ目の利点です。

金融出身者の税理士試験合格方法

税理士試験は科目ごとに合格していくことが可能ですが、試験は年1回しかなくプレッシャーもさることながらその1回に合わせて勉強できる環境作りも重要です。転職前に合格して転職というのは理想ですが、集中できる環境が作れない場合は、なかなか難しいでしょう。特に金融機関に勤めている方は激務なことが多くなかなか勉強時間が確保できないことが多いと思います。

一つの方法として、思い切って1年から2年フリーになって集中して複数科目を一気に合格を狙う方もいます。もしくは税理士法人、事務所に入所して実務とリンクさせながら取得することも良いでしょう。税理士法人、事務所によっては、試験前には勤務時間を短縮したり、試験休暇として休みを多く取得できるなど試験勉強との両立が可能な勤務体系にしてもらえる場合も多くあります。

金融出身者が税理士として活きるシチュエーション

実際に税理士法人、事務所に入所して金融出身者の過去のスキルを活かせる最大の機会は、法人クライアントの資金調達が挙げられます。経営するにあたり資金調達は非常に重要なタスクではありますが、そこを十分にアドバイスできる税理士は決して多くありません。

金融出身者であれば、経営者の方との接触が多く、会社の取引を理解している経験を活かし、資金調達までフォローしやすい状況が作れるでしょう。

主な対象は中小、中堅規模の法人クライアントが対象となりますが、その規模の決算書の提出先は、税務申告のための税務署か銀行への継続取引、新規融資取引の先に提出することが多いかと思います。そのような中で、銀行が決算書を取得して銀行の種類(都銀、地銀など)によってどこを重要視するかなど、金融機関の目線からアドバイスをし、その後の経営に生かせることで法人クライアントへの満足度は高まります。

また、法人クライアントが設備投資などで新規の融資を受ける際に提出が求められるような資金計画表・設備投資計画などの書類のフォローも可能かと思います。しっかり返済ができる設備投資計画になっているか、支払いから回収までの資金繰りに無理はないかなど、銀行に提出する前に銀行目線でチェックしてあげると喜ばれるでしょう。

税務的なアドバイスだけでなく銀行から融資を受けることができるようにしっかりバックアップしてくれている事務所であれば、銀行側にとっても安心感が高まることが期待できます。

税理士試験以外で活かせる資格

税理士法人や事務所に転職するにあたり税理士以外で役立つ資格についてもご紹介します。今回ご紹介するのは以下の三つの資格です。

日商簿記検定

税理士試験はハードルが高くて厳しい、、といった方におすすめなのが日商簿記検定です。簿記検定は試験も年複数回実施されていたり、級によってはいつでも受験できます。

とても役に立ち、求人の条件にもなっていることも多い簿記ですが、難易度としてもそこまで難しくなく、コスパの良い資格で、初めて会計を勉強する方に人気の資格です。

中小企業診断士

主に経営コンサルとして、税務相談以外にも経営的な視点からのアドバイスに説得力が増します。経営計画書の作成や企業分析を強みとして、税務報酬以外の報酬を得ることも出来ますので収益性も向上します。税理士資格を持っている方にも多いですが、クライアントの監査役として就任するケースも多いようです。

ファイナンシャルプランナー

主に、相続や資産形成の相談を受けることができます。相続税の範囲を広げ事業承継、年金、リスク管理、資産運用などの業務において、個人の方のアドバイスが可能です。相続税を強みにした事務所であれば即戦力になるかもしれません。法人のクライアントから派生して役員の方からの相談もあるようですのでこちらも収益の幅が広がります。

まとめ

金融出身者が税理士に転職することは、資格取得や違った分野に飛び込んで一から覚えることが必要になるなど、容易なことではありませんが、スキルの幅を広げるチャレンジングなことであり金融関係の仕事で得た経験を十分に活かすことが可能と言えます。ぜひ金融業界の経験がある方は、税理士というキャリアプランも選択肢の一つに考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

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