相続税の計算等において株価評価を行うことがあります。その際に会社規模の判定を行って、自社で利用できる評価方法を選択する必要があります。
では今回はこの会社規模の判定はどのように計算され、どのように使われるのかについて解説します。
まず、相続税の計算における株式の評価方法について解説します。上場株式や気配相場等のある株式以外の非上場株式について税法上認められている計算方法の代表例は次の通りです。
・類似業種比準方式
・純資産価額方式
・配当還元方式
どの方式をとるかによって株価はかなり変わります。もちろん、相続税を節税したいのであればより低い評価額を使いたいのですが、全ての会社がこの方式を選択できるわけではありません。そこで、一般的な非上場株式の株価評価の流れをまずご紹介します。
まず、上場会社であるか非上場会社であるかを分類します。上場会社でなくとも市場が存在する場合は上場会社として評価する場合がありますが、多くの非上場会社株式は今からお伝えする流れで判定していきます。
まず、その株式が特定の評価会社であるかどうかの判定です。特定の評価会社である場合とは次の株式を言います。
・類似業種比準方式で「配当金額」、「利益金額」、「純資産価額(簿価)」のうち直前期末の比準要素のいずれか2つがゼロで、かつ、直前々期末の比準要素のいずれか2つ以上がゼロである株式
・株式等の保有割合が一定の割合以上の株式
・土地等の保有割合が一定の割合以上の株式
・課税時期において開業後の経過年数が3年未満の会社や、類似業種比準方式で評価する場合「配当金額」、「利益金額」、「純資産価額(簿価)」の直前期末の比準要素がいずれもゼロである株式
・開業前又は休業中の会社の株式
・清算中の会社の株式
これらの会社は会社規模の判定は行わず、原則として純資産価額方式によることとなります。
特定の評価会社でない場合は一般の評価会社となるため、会社規模の判定を行い、その区分に応じた評価方法により評価を行います。
会社規模の判定は、総資産価額、従業員数、取引金額によって行われます。国税局HPによれば、以下の通りに分類されます。
簡単に言えば、従業員が70人以上の場合は自動的に大会社となります。
従業員が70人未満の場合は総資産額と従業員数、取引金額を組み合わせて決定します。まず、業種ごとに総資産額と従業員数の判定のうち、小さい方の分類で一旦中大会社・中会社・小会社が決定します。その上で、取引金額が大会社か中会社か小会社を決定します。
大会社に一つでもあたる場合は大会社、大会社以外で中会社に一つでもあたれば中会社、どれにも当たらない場合は小会社となります。
まず、大会社の場合は類似業種比準価額もしくは1株当たりの純資産価額によって評価します。
中会社の場合は
類似業種比準価額×L+1株当たりの純資産価額×(1-L)
で評価します。Lは総資産価額及び従業員数又は直前期末以前1年間における取引金額によって、0.6~0.9の値が決まります。また、1株当たりの純資産価額による評価もできます。
小会社の場合は1株当たりの純資産価額によって評価しますが、先ほどの計算式のLを0.50とした計算した金額によって評価することができます。
会社規模の判定はまず従業員で判断し、その後総資産額や取引金額で決定されます。類似業種比準方式より純資産価額方式の株価が低い場合はその割合を多く使える方が有利に働くこともあります。会社規模の判定を間違えると申告そのものをやり直す可能性が非常に高いので、判定は慎重に行いましょう。
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