中小企業診断士は人気の資格ですが、実際どのくらいの年収なのか気になります。今回は、年収が高いと評判の中小企業診断士について、仕事内容とその実情について、また転職時に年収アップをさせる方法など詳しく解説していきます。
ビジネスパーソンが新しく取りたい資格として、中小企業診断士の資格が人気です。経営に関する知識やスキルを磨ける点がビジネスパーソンに評価を受けています。転職の際にも役立つ資格となっています。
中小企業診断士は、「中小企業支援法」に基づく民間の経営コンサルタントとして、国家資格を持ちます。経営に関する的確な判断やスキルを持つために、その専門性がこれからの時代も、活躍の場を広げていくと言われています。
中小企業診断士は、資金調達や資産管理だけでなく、人材育成、IT業務管理や情報管理など、横断的にさまざまな経営に関する知識を持つことができる資格です。コンサルタントとして、財務面だけでなく、幅広い内容の知識と分析ができる貴重な資格と言えるでしょう。
転職をする場合も、コンサルティング会社に「中小企業診断士」として就職でき、一般企業が経営企画や財務の部署の人材募集をする際に、中小企業診断士の資格をアピールすることで転職しやすくなります。
特に最近では、コロナ禍の影響で経営の専門的知識がある「中小企業診断士」の資格を持った人材を採用したいという企業が6割もいます。益々注目されている専門資格と言えます。
中小企業診断士の年収についてですが、経営コンサルトとして高い年収が得られると言われています。いくらぐらいなのかも紹介していきます。
中小企業診断士の年収は、平均500万円といわれています。月の給料は30万円~40万円です。
2019年度の調査では日本の一般的な平均年収が432万円ですので、それよりは高いと言えますが、一般企業の上位100位の平均年収は、1,135万円ほどですので、半分ほどの年収しかないことになります。
最も年収が高い50代~60代で平均500万~600万円で、もちろん高い人では年収700万円という人もいますが、意外と平均年収は低いと感じるでしょう。
入社から間もない25歳未満を調べると、中小企業診断士の平均年収は320万円となっていて、一般的な人の平均給与が300万円ほどですので、それに比べて20万円ほど高い年収です。
25歳未満で給料にして中小企業診断士は月22万円程度、一般的な人は月20万円程度です。
あまり年収が高くなく給料が低いと思われますが、ただ中小企業診断士に転職した場合には年収をアップする方法がいろいろあるのが魅力です。
中小企業診断士という国家資格を活用して、年収をさらにアップさせる方法についてご紹介します。
中小企業診断士は、企業で雇われて働く場合には、平均年収500万円程度ですが、独立開業することもできるのが強みです。中小企業診断士の年収が高いと言われる理由は、独立開業している人の年収がとても高いからです。独立して、案件を多数扱っている人は、年収1,000万円を超える人もいます。ただし、地方だと案件が少なくなり、あまり年収が見込めないこともありますので気を付けましょう。
また、複数の中小企業診断士や補助者を雇用して法人化をしている会社もあり、法人化することでさらに年収を得るケースもあります。
主に都道府県・政令指定都市に設置している産業支援機関の職員や商工会議所で働いている人も多く、地域の公務員として年収400万~700万円の収入となり、年収が少し高くなります。
銀行や信用金庫などの金融機関で働いた場合も規模によって異なりますが、500万~700万円程度が年収の相場となります。
また、専門的なコンサルティング会社で働く場合もあり、日系企業や外資系企業などで働けば高い年収が得られます。1,000万円以上の年収を得ることも可能です。
中小企業診断士だけでなく、税理士や社会保険労務士などの資格も持ってコンサルティングを行っている人の中には、年収3,000万円以上という人もいます。2つの資格を持つことで仕事の幅が増えますので、年収が格段と上がります。
カリスマと言われるような人が中小企業診断士もいて、高額の年収を誇る人もいます。年収3,000万円以上の中小企業診断士は全体の4.3%いて、一般的な平均では年収2,500万円以上の人が0.2%しかいませんので、それに比べると高い数字です。
独立している人、法人化している人、ダブルライセンスで活躍する人などは年収3,000万円を超えている人もいますので、中小企業診断士は儲かる職業とも言えます。割合として考えても、25人に1人程度が年収3,000万円以上は高い割合です。
経営コンサルタントとして、実力を認められれば大きなコンサルト料をもらうことも可能で高額の年収が可能と言えます。
中小企業診断士として高収入を得るには、独立開業するのがいい方法ですが、実際にどの位の人が独立しているのかが気になります。
実際に独立開業している人の割合は30%~40%で、高い割合と言えます。30代で資格を取得して、40代で独立するのがおすすめのスタイルとも考えられています。
中小企業診断士が独立した場合には、公的業務と民間業務を行うケースがありますが、公的業務では、国・地方公共団体などから委託された業務を行い、安定した収入や責任感を感じることが多くなります。セミナーや講演、専門家としての教育指導などでも収益を上げることができます。
民間業務を行う場合には、中小企業を主体に経営コンサルトとして、経営者の相談窓口になり、やりがいが感じられます。
独立を目指す人が実際に多く、若くして独立できるのは中小企業診断士の魅力とも言えるでしょう。多くの人が役職に就くような年代で、独立して経営者の立場になれるのはメリットです。
20代~30代で中小企業診断士に転職し40代で独立することができれば、その後の高年収が長く望めます。一般的な平均年収との差も大きくなっておすすめです。中小企業診断士として独立した人の4分の1は、年収1,000万円となっています。
40代で独立するとそこから長く経験を積んで大きな実績もでき、益々高年収になることが期待できるでしょう。40代で独立すると、60代以上になっても活躍でき、年収1,000万円以上の期間が20年以上も続くことになって高額の生涯年収が得られます。
中小企業診断士の平均年収は500万円ですので、独立することでそこから2倍の1,000万円の年収を目指すことになります。そのためには資格を取るだけでなく、取った後の専門性や経験を積むことも大切です。最近では、経営の知識だけでなく、企業での人材育成も大きな問題となっています。
また、IT業務管理や情報管理もより益々複雑になり、専門的な知識を必要としています。中小企業診断士も横断的な専門知識を広げ、幅広い分析力を養い、経験を積んでいくことが必要
です。
独立して年収を上げるためには、中小企業診断士の資格を取った後も、研鑽していくことで年収を高めていくことができるでしょう。
中小企業診断士の年収には大きな幅があります。地方と首都圏などの都市でも仕事の受注量や年収が変わります。独立すると、どれだけ仕事量があるかで年収が異なりますので、よく調べておくことも必要です。
経営指導だけでなく、例えば収入が大きいセミナーや講演会、教育指導なども地方では機会が少ない可能性がありますので地域性も気を付ける必要があります。
地方では案件が少なく、中小企業診断士として個人で開業しても営業力が必要です。最初は、公的な業務のコンサルティングを行って実績を作って行きながら、仕事を広げていくことで年収も上げられます。中小企業診断士として、自分の強みをアピールして営業をすることで高額の年収も目指せるようになるでしょう。
独立する上では、コミュニケーション力や営業力も養っておくのがおすすめです。
中小企業診断士の年収は平均としては500万円程度ですが、1,000万円を超えることも十分できます。国家資格を持っているというだけでなく、自分の強みをしっかり持つことで、就職や転職もしやすくなり独立もできます。独立することで、年収も大きくアップさせることが可能です。
コロナ禍で大変な時代ですが、それゆえに専門的な経営の知識や経験を活かせる中小企業診断士という役割も重要になってくると言えます。
中小企業診断士について詳しくは、下記のコラムでも試験について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。