零細企業というと、どんなイメージでしょうか。マイナスのイメージが湧いてきがちですが、就職する際には零細企業なりのメリットがあります。今回は、零細企業に就職し、働く際のメリットについて、詳しく解説していきます。
零細企業は、定義としては小規模企業者ということになります。製造業・建設業・運輸業・その他の企業で言えば、20名以下の従業員の企業で、サービス業や小売業で言えば5名以下の企業となります。
最近では、従業員20名以下の宿泊業や娯楽業も小規模企業として扱われています。
2014年の政府調査では、国内382万の企業の中で380万9千社は中小企業で、そのうち85%以上が小規模企業の零細企業ということになりました。
つまり、85%に近い数の小規模企業の零細企業が日本にはあり、規模は小さな企業ですが、数の割合としてはとても大きな割合です。
零細企業に就職・転職するメリットについて見ていきます。
まず、就職・転職をする際に、零細企業の数はとても多くありますので、もちろん求人数が多数です。また、競争率も大企業のように高くないため、採用されやすくなります。
大企業への就職・転職が人気ですが、ネームバリューだけにこだわらず、中小企業で働くメリットを感じて就職・転職するのも一つの方法です。
零細企業では、専門的な分野の仕事に就職・転職することも可能です。零細企業で専門的なネジの工場に就職・転職するなど、企業数が多くありますので、意外と自分の目指す専門性が習得できる企業もあります。専門的な分野に特化して、シェアを占めている零細企業もあり、詳しく調べてみるのもおすすめです。
また、零細企業の場合には、数が多いために地元で働け、転勤せずにずっと働けるのもメリットです。大企業のように、採用されてどこに配属されるのかわからないことや、転勤が多いことも少ないでしょう。地元に貢献して働きたい場合にはおすすめです。
零細企業で実際に働く際にはどんなメリットがあるのでしょうか。詳しく紹介していきます。
零細企業では、20名以下の従業員数などのために、社長や部長、課長などとコミュニケーションが取りやすい、自分の意見が言いやすい、人間関係が築きやすい、お互いのことをよく理解しやすいなどのメリットがあります。これは、仕事をする上でも、やりやすい環境になります。直属だけでなく、さまざまな上司と意見交換もしやすく、社長の考えにも触れる機会が多くなります。
また、零細企業は少人数のために、決裁までの時間が短く、仕事がスピーディに進められる、意見や提案が通りやすい、新しいことが割とやりやすい環境にあると言えます。
従業員の人数が少ない分、一人一人の役割や職務が重く感じられ、やりがいや責任を感じることも多くなります。大企業で大人数の組織の中の一人というイメージとは、異なって感じられるでしょう。
役割分担というよりも、どちらかというと、小規模ですのでオールマイティにいろいろできるようになることもあり、専門性を身に付けたい場合には、企業を選ぶことも大切です。
零細企業で働く場合の昇進面や給与待遇面も気になります。
従業員数も少ないので、企業内での昇進はしやすくなります。長く勤めていれば昇進できる機会も多くなります。ただ、部署が少ないために、ポストが空かずに、昇進できないことも結構あるでしょう。
国税庁の平成27年の民間給与実態統計調査結果では、10人以下の企業の平均給与は約420万円で、10人以上の企業で460万円、30人以上の企業になると550万円となっています。平均給与は、一般的に零細企業だと低い傾向です。しかし、少人数のために、頑張って業績を上げ、昇進することで、給料も意外ともらえるようになるケースもあり、自分の実力次第です。一人一人を大切にしてくれ、業績を上げればそれなりの評価をしてくれる可能性があります。
零細企業ではデメリットも、もちろんあります。やはり大企業に比べると待遇面が劣ることが多く、給与や福利厚生、退職金などをよくチェックすることも大切です。福利厚生があまりない、退職金が少ないという傾向があり、注意が必要です。
零細企業の就職・転職する際のメリットについて見てきましたが、大企業といろいろ比較してみることが大切です。それぞれの企業で異なりますので、細かく条件を確認してみることが必要です。メリットもいろいろありますので、給与や退職金や福利厚生の面もしっかり確認しましょう。
多くの零細企業から、自分にあった企業を選んでみるのも一つのいい方法です。