公認会計士試験に合格し、4大監査法人に就職する人はとても多いと思います。しかし一斉に合格者が受験するので、「自分の学歴で本当に就職できるのだろうか」と不安になる人もいるかもしれません。そこで今回は、4大監査法人に就職するには学歴が必要か?本当に求められるものについて解説します。
公認会計士試験というと、難関資格で有名です。よって、ほとんどが有名大学出身者で占めているのでは?という疑問がわくと思います。
公認会計士合格者の出身大学はそれぞれの大学が独自調査を行っているものの、実際のところ全てをまとめた正式なものは存在しません。しかし、慶応大学、中央大学、東京大学等の有名大学出身者が多いことはどの情報からも共通することでしょう。
しかし、確かにそれらの大学は合格者が多いものの受験者数も圧倒的に多いことも事実です。地方国立大学、私立大学も一定数いることからほとんどが有名大学で占めているわけではないのが事実です。
4大監査法人は就職者数が多い代わりに受験者数も多いのが事実です。よって、できるだけ合格者としては希望の監査法人に就職したいと思うのが自然でしょう。
では、学歴が無いと4大監査法人に就職できないのでしょうか。
結論から言うと、学歴はほとんど関係ありません。
私が当初4大監査法人に就職した時も大学は皆バラバラでしたし、同僚の中には高卒、中卒の人たちもいました。これは、監査法人が就職の際に重視する要素が学歴よりもその人の能力だからです。
監査現場ではクライアントに資料を依頼したり会計処理について説得したりするなど、思っている以上にコミュニケーション能力が求められます。また、監査はチーム単位で行われるため、そのチーム内で仕事を進めていけるかどうかというところが非常に重要です。
ですので、学歴よりもその人のコミュニケーション能力というのは非常に重要な要素となります。
コミュニケーション能力は元々備わっている気質があるので、「私コミュニケーションは結構苦手なんだけど」という人もいるかもしれません。しかし、コミュニケーション能力があっても仕事が全然できない、ということでは当然採用されません。
学歴以外であると有利なものはやはり英語スキルでしょう。最近はパートナー等内部で昇格するためには英語能力が必須という4大監査法人がほとんどです。TOEIC○○点以上、という風に明確に定められていることが多いです。よって、就職の際にもTOEICや英語ができる証明があるととても有利に働くことでしょう。
また、システムに強い人材もこれからますます重宝されるでしょう。元々IT監査の分野ではシステムに強い人材は重宝されましたが、現在は仕訳の抽出等にAIを利用することが急速に広がっています。よって、会計の知識だけでは監査ができない時代ですのでシステムに強いというのもアピールポイントでしょう。
では学歴は全く意味がないかというと、そうではありません。全く同じような人が面接に来た場合、いわゆる学歴が高い人物は過去に受験勉強を頑張った、地頭がいい等の評価を受けやすくなります。よって、高学歴と呼ばれる人はそれだけで就職が有利になるというのは否定できません。
また、面接官がたまたま同じ大学であった場合、やはり人間ですからその人物を採用したくなるという心情が働くのも間違いではありません。これはどちらかというとOB会があるような大学では顕著に表れますが、地方であまり合格者数がいない大学出身者でたまたま面接官が同じ大学であった、というのも実際にある話です。
ではあえてどんな学歴があれば4大監査法人に入るメリットがあるかを紹介します。
よく「4大監査法人には学閥というものがあるの?」という話を聞きます。私の知る限りではわかりやすい学閥というものは存在しません。たまに大学の話題が出てゼミが同じだとか違うだとかの話が出るレベルです。
しかし、4大監査法人から転職や独立をした時にOB会に出席した場合は少々話が違います。OB会に出てくるような人は各企業のトップや大企業の重役等が多いです。よって、通常は話ができないような人でも同じ大学のOBというだけで意外とよくしてくれることもあります。よって、4大監査法人にいる時はあまり感じないかもしれませんが、その後の人脈形成のためには有名私立大学や会計士を多く輩出する国立大学出身であると次のステップにつなげやすいと言えます。
4大監査法人に就職するには、学歴よりもその人のコミュニケーション能力や英語等のスキル等が重要ということをお伝えしました。しかし全く意味がないわけではなく、面接官との話のネタに、その後のキャリアアップには有効な経験であると言えるでしょう。
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