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意匠権、商標権とは?知的財産権なの?それぞれの違いとは?

HUPRO 編集部
意匠権、商標権とは?知的財産権なの?それぞれの違いとは?

意匠権や商標権は、知的財産権に含まれています。商標権で守られている対象としては、図形や文字、立体的な看板のマスコットキャラクターなどが含まれます。
では、サービスや商品を守るためには意匠権と商標権のどちらがより適しているのでしょうか?今回は知的財産権、意匠権、商標権について、さらに、意匠権と商標権の違いを解説していきます。

知的財産権とは?

知的財産権というのは、産業上の特許権などの工夫、創意、または文化的な小説、音楽などの創作というような様々な知的創造活動で新しく創り出された、経済的な無形の価値を対象にした権利です。
無形の財産権である知的財産権は、大きく分類すると著作権産業財産権に分けられます。

産業財産権としては、意匠権、商標権、特許権、実用新案権にプラスし、不正競争防止法や種苗法などで守られている権利なども広義には含まれます。
一部の知的財産権ですが、権利侵害に対してコピーや模倣などが簡単にできるため弱いところがあり、産業振興や国際貿易、文化の発展の観点から、権利者を守ることなどが大切なテーマになっています。

イメージ

知的財産権

①著作権  ②産業財産権

②-1 意匠権 ②-2 商標権 ②-3 特許権 ②-4 実用新案権

意匠権とは?

工業製品のデザインを守るものが、意匠権です。
車や家電品、洋服などを買うときは、機能や価格以外に、デザインがいいかどうかも大切なポイントになります。そのため、メーカーは非常に努力して、商品が売れるように優れた価値があるデザインにしています。

このような工業製品のデザインがもし容易に模倣されるようなことがあると、経済的な商品の価値は非常に損なわれ、工業製品の進歩や開発、産業の発展も妨害されるようになります。

そのため、意匠法という法律で意匠権は決まっており、工業製品のオリジナル性があるデザインを守って、強い権利を与えて同じような商品や模倣を排除しています。


ユニ・チャーム 超立体マスク (2017.03.23意匠登録)

参考
意匠法
日本弁理士会 意匠権と衣装出願
意匠権 事例 日本弁理士会

商標権とは?

サービスや商品のイメージを作る商標を守るものが、商標権です。
商標権は、多くあるサービスや商品の中から、ユーザーが選択するポイントになる、イメージ・ブランドの信頼を表す商標を守るものです。
商標権が無断で侵害されたときは、商標権を取得している人が商標を使うのを中止するように請求することができます。
商標権が侵害されたことによってブランド価値や信用が下がったり、サービスや商品が売れなくなったりするなどの損害が生じたときは、損害の賠償請求ができます。
さらに、商標権の侵害が悪質なときは刑事罰が科されるときもあります。


小林製薬 熱さまシート (2018.03.28 商標登録)

参考
特許庁 商標制度の概要
商標権 事例 日本弁理士会

意匠権と商標権の違いとは?

意匠権と商標権は、次のような違いがあります。

守られる対象が違う

意匠権として登録されるためには、工業的利用可能性、先願性、新規性、創作の非容易性が必要になります。
意匠権で守られるデザインの対象は、おおまかにいうと、量産可能な工業製品の美的デザインです。
そのため、芸術的な彫刻や絵画などというようなジャンルに含まれているものや、自然物である植物や石などは、量産可能な工業製品の美的デザインではないため、意匠権で守られる対象ではありません。
また、意匠権で守られる対象としては、視覚を通すものに限られています。

しかし、意匠権は同じようなデザインと意匠登録されているデザインを区別するものであるため、デザインが視覚的なものでも意味が具体的にある文字については、守られる対象ではありません

一方、商標権ではデザインが区別されるのではなく、サービスや商品の商標が対象になります。
具体的な意味がある文字がロゴやネーミングに含まれていても、それぞれのブランドや企業の商標として役に立つものであれば商標権の対象になります。

権利が有効な期間が違う

意匠権の権利が有効な期間は、登録日から20年間です。
また、意匠権を更新することはできません。
意匠権は、工業製品の中でも、容易に創ることができないような斬新なデザインであれば、デザインを守ろうとするものです。
デザインが創られたときは斬新なものでも、時間が経つにつれて斬新さが無くなってくるため、登録日から20年間で、意匠権の権利が有効な期間は終わるようになっています。

一方、商標権の権利が有効な期間は、登録日から10年間です。
また、商標権の更新登録の手続きを行うことによって、権利が有効な期間を10年間延長することができます
また、10年ごとにこのような更新登録の手続きを繰り返して行うことによって、商標権を半永久的に有効にすることができます。
同じ商標をメーカーが使うほど、ユーザーからのその商標に対する信用が高くなってきます。
商標権は、このようにして高くなった信用を守ろうとするものです。
時間が経つにつれて、商標に対する信用は高くなっていくため、半永久的に商標権は更新することができるようになっています。
このように、意匠権と商標権は守られる対象と権利が有効な期間が違っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。意匠権は工業製品のデザインを守る権利で、商標権はサービスや商品のイメージを作る商標を守る権利という違いがあります。
自社代名詞となる製品やサービスを他社の追随から守り、ブランドを高めるために、どちらも大切な権利です。違いをよく理解して、身近にある製品やサービスで当てはまるものを探してみるのも面白いでしょう。

この記事を書いたライター

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