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リスクプレミアムとは?期待収益率とあわせて解説!

HUPRO 編集部
リスクプレミアムとは?期待収益率とあわせて解説!

投資をしたら、どのくらい儲けることができるのか、自身にとっての利益はどの程度の残すことが可能なのかは把握する必要があります。それらを把握するために用いる考え方に「リスクプレミアム(risk premium)」「期待収益率」があります。

いずれもリスクを可能な限り減らし、リターンを高めるために用いる考え方であり、株主やVC等の機関投資家たちが作成するポートフォリオにも用いいる基礎理論です。

今回はそれらの考え方を理解し、投資する側も投資してもらいたい側もどのように資金調達や事業発展をしていくか、その戦略の一部として活用できる知識とするよう考察します。
※付け加えですが、ここでのリスクはイコール危険ではありません。不確実性、価格のバラつきのことをリスクと定義します。不確実性、その変動差を表す言葉です。

リスクプレミアムとは

リスクのある資産の期待収益率から無リスク資産の収益率を引いた差

株式等の投資を行うということは、必ず利益が上がるわけではありません。当然、値下がり等で大損する可能性もあります。しかし、そういった危険を恐れて投資する人がいなくなってしまえば、経済的発展な新たなサービスを生まれる可能性を低めてしまいます。

できる限り投資をするリスクを軽減させようと、設けたのがこのリスクプレミアムの概念です。つまりハイリスクハイリターンを設定することで、リスクも伴うものに対し高い投資を行った方に高い利息を設けて上乗せされた利益を得られるようにするのです。無リスク資産に投資するよりも、超過利益を得られる設定になっているのです。


キャッシング、カードローン金利>銀行における貸付け短期金利
→貸倒リスクに対しての利率上乗せ=リスクプレミアムの設定

運用でリスクをとった際に、どれほどのリターンを期待し上乗せするのか、後述する「期待収益率」と組み合わせて試算されます。リスクプレミアムは、期待収益率における価格変動リスク(バラつき)の対価とみなされる上乗せ部分のことと言えます。

また、リスクプレミアムの算出の仕方にも2つパターンがあります。

ヒストリカル・リスクプレミアム(過去実績からの推計方法)

過去の株式市場のデータより平均リターンからリスクフリー・レートを控除することで算出

インプライド・リスクプレミアム(投資家が市場で求める収益率による推計方法)

個別企業の市場株かと予想利益の関係にも当期、算出された当該企業の期待利回りからリスクフリー・レートを控除し算出。

期待収益率とは

では一方、期待収益率とは何でしょうか。言葉のとおり、「期待される収益率」となりますが、より具体的にいうと、投資したものに対する1年後の上昇価格予測のことです。


現在…1株あたり1,000円の株式投資
1年後…1,100円に上がるだろうと予測
→期待収益率=(1,100-1,000)÷1,000×100=10%

上記の場合の期待収益率は10%ということになります。
少し難しめに記載しましたが、つまりは過去のデータに基づきどの程度の期待の利益が得られそうかを平均値等の分析から予測する値のことです。より客観的なデータに基づいた予測であればあるほど、信頼性のたかい期待収益率が算出できることとなります。

また、用いられるのは投資の場面だけではありません。例えばM&Aを考える際の決定・判断の場面で用いられることもありますし、企業価値を示す数値として用いられることもあります。これらも期待値に基づいて判断をしなければならない内容のものとなっているため、期待収益率が活躍する場面となる、ということです。

どんな場面で利用される考え方なのか

上述のとおり、投資を行う個人法人いずれでも用いられる考え方、ハイリスクハイリターンの設定となります。
では実際にどういった場面で用いられているかというと、まずひとつは個人投資家たちの投資の場面があります。投資を行う場面で予め期待収益率を試算し、そこからどれだけリスクプレミアムをつけるのかを決めて投資を行います。

一方、年金基金などの機関投資家と呼ばれるところでも用いられます。特にこういった機関ではギャンブル的に感覚で行うわけにはいかないので、まず始めにきっちりと期待収益率を試算の上吟味し、確率論に基づいてしっかりとこの考え方を利用して判断・実行を行っていきます。この考え方はCAPM理論や残余利益モデルなどの理論株価と呼ばれるものの算出にも用いられます。基本的な考え方・概念と言えます。

CAMP理論(資本資産評価モデル(Capital Asset Pricing Model))…「キャップエム」と呼ぶ。分散投資のリスク低減効果を反映した資産リスクと期待リターンの関係式を表す近郊のモデル。ここで表されるリスクは市場全体と連動するリスクのみ(ベータと呼ばれる)。
残余利益モデル(残余利益法(RIM:Residual Income Method))…株主に帰属する企業価値について会計利益を用いて算出する考え方

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