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【コラム】ミネラルウォーター税とは何か?水に対する課税制度の導入?

HUPRO 編集部
【コラム】ミネラルウォーター税とは何か?水に対する課税制度の導入?

この記事をご覧の皆さんの中には、ミネラルウォーター税とは何か、導入による影響は何か、という疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。世の中には、多くのミネラルウォーターが商品として出回っており、ミネラルウォーターを愛飲している人も多くいることから、詳しい情報などを知りたいと思う方も多いと思います。そこで今回は、ミネラルウォーター税とは何か、導入による影響は何か、について説明していきます。

ミネラルウォーター税とは何か?

「ミネラルウォーター税」とは、山梨県で導入が発案されている課税制度のことで、県内でミネラルウォーターを採取している業者への課税を行おうというものです。山梨県は、国内のミネラルウォーターの約4割を生産している産地として有名で、生産量は2位の静岡県が54万9000キロリットルなのに対し、142万キロリットルを占めて圧倒的1位となっています。また、一般の飲料用はもちろん、ワインや蒸留酒作りにも頻繁に利用されているほどの人気があります。
そして、2016年度のミネラルウォーターの市場規模は2,990億円であり、現在も高い数値を維持していることから、もし、約4割を占める山梨県で課税が行われることになれば、ミネラルウォーター業界に何らかの影響を与える可能性があります。

しかし、ミネラルウォーター税の導入は正式に決定されたわけではなく、2018年に山梨県議会で課税の検討の立案がなされているだけの状態です。ただし、山梨県では、過去には森林環境税を個人や法人へ課税することが検討され、実際に2012年に導入されました。このことから、検討段階にあるミネラルウォーター税が導入される可能性は全くないわけではなく、今後も動向には注意が必要であると思われます。

ミネラルウォーター税導入の背景とは?

ここまでの説明で、ミネラルウォーター税とはどのような税金かということは理解していただけたと思いますが、ここからは、なぜ、ミネラルウォーター税の導入の検討されたのか、について以下で説明します。
山梨県議会で、ミネラルウォーター税の導入が検討されるに至った理由としては、山梨県の財政が厳しいことから、新たに財源を確保することにより、県の運営に役立てたいことが挙げられます。実際に山梨県の歳入に占める税収の割合が20.9%(2018年度)と低く、自主財源比率も全国の都道府県で29位という状況で過去10年間にわたり同じような状況が続いています。

上記でも説明したように、山梨県は、国内のミネラルウォーターの約4割を生産している産地であることから、ミネラルウォーターの商品を生産している業者に新たな課税を行うことで、一定の税収を確保できることから、県財政が厳しい状況では魅力的な導入案に見えることでしょう。以上のように、ミネラルウォーター税の導入の検討は、厳しい県財政という背景によりもたらされました。

ミネラルウォーター税による影響には何があるのか?

万が一、ミネラルウォーター税が導入された場合には、ミネラルウォーター税による影響には何があるのか。具体的な内容について、以下において説明していきます。

これまで説明してきたように、ミネラルウォーター税は、ミネラルウォーター業者に課税されるものであり、直接的に消費者には課税されることはありません。しかし、ミネラルウォーター税による課税分を価格に転嫁することが行われ、販売価格が上がることにより、間接的に消費者に影響を与える可能性が考えられます。
山梨県は、国内のミネラルウォーターの約4割を生産している産地ですが、もちろん、山梨県だけが市場に商品を出荷しているわけではありません。山梨県に次いでミネラルウォーターを出荷しているのが、「静岡県」、「鳥取県」、「岐阜県」などの産地であり、これらの産地のミネラルウォーターを購入する人が増えるかもしれません。

一方でミネラルウォーター業者が課税分を価格に転嫁することを行わなかった場合は、ミネラルウォーター業者の利益幅が従来よりも小さくなり、業者にとって経営を安定的に行っていくうえで悪影響を与えてしまう可能性があります。
さらに、ミネラルウォーター業者の経営に悪影響を与えてしまった場合、山梨県の地域経済を悪化させてしまうことにより、長期的にみて山梨県にとってマイナスの結果になってしまうことも考えられます。

まとめ

ここまで、ミネラルウォーター税とは何か、導入による影響は何か、について説明してきましたが、いかがでしたか。万が一、ミネラルウォーター税が導入された場合、間接的に消費者に悪影響を与えてしまう可能性は完全には否定しきれず、消費者は何らかの対策を考える必要があるかもしれません。今回の記事で説明した内容を参考にしてミネラルウォーター税が導入されてしまった場合にどうするのかについての検討に役立ててみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

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