士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

監査業務はAIによって代行される時代が来る?

HUPRO 編集部
監査業務はAIによって代行される時代が来る?

公認会計士の重要な仕事のひとつが監査業務です。そして、この監査業務が近い将来、AIに取って代わられるのではないかという考えが広まりつつあります。では、監査業務はすべてAIが行い、公認会計士が関与することはなくなるのでしょうか。今回は、監査業務とAIについて解説していきます。

そもそもAIとは?

最近よく耳にするAIですが、正式には「Artificial Intelligence」であり、日本語に訳すと「人工知能」といいます。1950年代よりアメリカにおいてAIの技術は開発されはじめ、今ではAIが多くの場で活躍することが増えてきています。

ちなみにAIは大きくわけると3つに分類が可能です。

・音声や画像などを認識することで、物事の識別を行う「識別型のAI」
・非常に多くのデータを分析することにより、未来の事象の予測を行う「予測型のAI」
・デザインや行動の最適化などにより、業務作業を自動的に行う「自動化のAI」

なかでも会計に監査業務に関係のあるAIは、データの識別を行う「識別型のAI」と、多くのデータを分析してリスクを把握する「予測型のAI」といえるでしょう。

どうして会計業務はAIに取って代わられると言われるのか

これは、AIの技術は飛躍的に進歩したことが理由として挙げられます。また、英オックスドード大学の論文において「AIの進歩によって、数多くの職業が世の中からなくなるだろう」といった主張がされたことも、大きく影響しているといえるでしょう。

確かにAIは、事務作業などの自動化された業務については強みを発揮します。こういった分野に関しては、人間よりもはるかに優れた能力をもっており、人間が追いつくことは難しいといえます。

ちなみにAIが行える作業は、大きく分けると3つあります。

RPA

決まった方法である作業を処理することを設定すると、それを自動的に行ってくれます。単純な作業を効率よく進めてくれるだけではなく、人為的なミスを防ぐことができるというメリットもあります。

関連記事:RPAとは?生産性向上に必要なのはRPAだった

EPA

RPAのように決まった作業だけを行うのではなく、大量のデータを分析しつつ、処理を行うことが可能です。RPAとは異なり、扱うことのできるデータ量が増えますし、データをもとに分析もできます。

CA

EPAをより発展させたものといえます。深い部分までの分析が可能なので、AIから、さまざまな提案をもらうこともできます。高雄レベルの人工知能だといえるでしょう。

監査業務の一部はAIが担うかもしれないが全ては任せられない

公認会計士が行う業務は、主に2つあります。監査業務などの決算書の内容の確認といったような「定型業務」と、経営者とコミュニケーションをとりながら会計リスクを特定するといったような「非提携用務」です。

この「定型業務」に関しては、AIを活用することにより生産性が飛躍的に向上することは間違いありません。そのため、監査業務においてAIの導入をすすめる取り組みも進んでいます。

また、財務諸表や取引内容、仕訳内容などの分析においても、AIを導入しようとする動きがあります。AIはこのような大量のデータを統計的に処理することが得意であるため、アルゴリズムを組んでおけば、自動的に作業をこなしてくれます。アルゴリズムとは、過去に起きた訂正事例や、一定パターンから外れた異常な取引、注意すべきクライアントなどを検知しやすいようにAIに覚えさせておくことをいいます。

とはいえ、あくまでもAIが行えることは、事務処理の作業です。短時間で正確に計算をしたり、大量のデータを検索したり分析したりすることです。しかし、人を相手とするコミュニケーションをとりながら相手の要望を汲み取ることや、直感的な判断を迫られるような場面に対応することはできません。そのため、監査業務の一部はAIに任せることができたとしても、やはりすべての監査業務をAIに任せるということは非常に難しいことであると考えられています。

監査業務はAIの導入でより効率よく行えるようになる

監査業務にもIT化やAI化の影響は広がってはいます。しかし、現状はといえば、生産データと添付書類の照合を行ったり、段ボールに保管されている書類を探したり、必要書類がすべて揃っているかどうかを確認したりするなど、まだまだアナログな作業も数多くあります。

そこで、事務処理作業などをAIに任せ、監査業務のアナログな作業を人が集中して行うという流れができつつあります。AIに任せられるものは任せた方がミスもなく、他の作業に時間を割くことも可能になるでしょう。今後は、AIと監査業務との調和がテーマとなっていくと考えられます。

まとめ

AIが導入されればさまざまな職業がなくなり、監査業務もそのなかに含まれるとする考え方もあります。しかしながら、AIではこなせない業務も多々あり、その分野は人の判断力や作業によって進める必要があります。今後は、監査業務にもAIを取り入れ、うまく調和していくことがテーマとなっていくでしょう。

他にもAIに代替されてしまうかもしれないと言われる業種があります。それらについてこちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:社労士は「仕事がない」って本当!?全仕事がAI代替されるの?

士業・管理部門に特化!専門エージェントにキャリアについてご相談を希望の方はこちら:最速転職HUPRO無料AI転職診断
空き時間にスマホで自分にあった求人を探したい方はこちら:最速転職HUPRO
まずは LINE@ でキャリアや求人について簡単なご相談を希望の方はこちら:LINE@最速転職サポート窓口

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:コラム・学び

おすすめの記事