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源泉税率ってどのくらい?知っておきたい税金の基本知識

HUPRO 編集部
源泉税率ってどのくらい?知っておきたい税金の基本知識

給与所得者は、毎月、先取りのかたちで源泉税を納めています。そして企業側は、それを1年分まとめて税務署に申告納税します。この時の源泉徴収税額には、源泉税率が関わっているのですが、源泉税率がいくらなのかご存知ですか。今回は、源泉税率は何%なのかについて解説していきます。

源泉税とは?源泉徴収制度とは?

源泉税とは、源泉徴収される税金を指しています。

ちなみに源泉徴収のかたちは「源泉徴収制度」と「申告納税制度」の2つがあります。給与や報酬などの所得を支払う者が、所得者に代わり所得税をはじめとする税金を差し引き、税務署に申告して納付をする制度のことです。そして、このように所得の支払者によって手続きが行われるかたちを源泉徴収制度といいます。

源泉徴収制度には、月々は概算によって税金を徴収し、年末に改めて税額の調整を行う仕組みがあり、これが年末調整です。サラリーマンに関しては、この源泉徴収制度を活用して源泉徴収が行われています。一方、所得を得た者、つまり所得者が自分で所得金額や納税金額を計算して納付する制度のことを申告納税制度といいます。

所得税法においては、原則として源泉徴収は申告納税制度により行われるものとされています。あくまでも源泉徴収制度は例外的なルールであるとされているのです。ただ、所得者が全員、税務署で税金の申告を行うことになると税務署の徴収業務が追いつかなくなってしまいます。そのため、源泉徴収制度を活用することで、政府は確実に税金を徴収していくことができているのです。

2013年より源泉税率が変更に

東日本大震災の被災者を救援するための財源確保を目的として、復興財源確保法が2013年1月1日より施行されています。「所得税」と「住民税」そして「法人税」を対象に課せられる税金で、復興特別法人税は3年を上限とする措置である一方、復興特別所得税は、25年という長期間に渡って個人の税金に課せられます

つまり、源泉所得税を徴収する際の源泉税率に、復興特別所得税率を加えて税金額を求めることとなるのです。所得税については今後、2037年12月末まで継続して徴収されることが定められています。一方、住民税は2014年度より2024年度までの10年間の適用となっています。

2013年より源泉税率が変更に

源泉徴収額が100万円を超える場合の源泉税率には注意が必要

復興特別所得税の導入によって、源泉税率は10.21%と定められました。所得税率が10%、そして復興特別所得税が0.21%で合計して10.21%という源泉税率となっています。

例えば、報酬が100万円以下であれば、「所得額×10.21%=財源徴収額」として税額を求めます。
ただ、所得が100万円を超える場合は、税率が少し異なります。
「(報酬額―100万円)×20.42%+100万円×10.21%」=源泉徴収税額」と、100万円を基準として徴収税率が変わってくるのです。

つまり、所得が100万円を超える部分については、100万円以下に関しては源泉税率が10.21%であり、100万円を超える部分については源泉税率を20.42%と計算することになります。所得が100万円以下のケースと比べると、所得が100万円を超える場合は、少し複雑な計算が必要です。

源泉税率を適用する所得は税込み?税抜き?

この源泉税率をかける所得は「消費税込みの所得」であるのか「消費税抜きの所得」であるのか、どちらなのか判断に迷っていませんか。結論を先にお伝えすると、「消費税込みの所得」でも「消費税抜きの所得」でも、どちらの所得でも問題ありません。

原則としては、消費税込みの所得に源泉税率10.21%をかけることとなっています。しかし、消費税込みの所得に源泉税率をかけて求めた税額であっても支障はないのです。

これは、国税庁のホームページにも詳しく記載されています。ただし、所得を受け取る際の手取りの金額を増やしたいのであれば、消費税は切り離して請求書に記載することが必要です。また、たとえ多く源泉徴収されたとしても、反対に少なく源泉徴収されたとしても、確定申告をすることによって還付されるかたちとなります。つまり、最終的に「損得」が発生するようなことはありませんので、ご安心ください。

少し、実務に沿ってお話をしましょう。請求書の記載方法が消費税を明確に分けて記載されている場合は、税抜きの所得に徴収税率10.21%を用いて計算します。そして、消費税が明確に記載されていない場合は、消費税込みの所得に徴収税率10.21%を用いて計算します。このように考えておくといいでしょう。

まとめ

源泉税率は源泉徴収をするうえで欠かせないものです。そして源泉税率の内訳は、所得税率と復興特別所得税率の2つです。この復興特別所得税は、2037年まで25年間に渡って施行されることが決まっています。ただし、源泉税率は所得が100万円以下の部分と、100万円を超える部分で税率が変わってきます。所得が100万円を超えた場合は、計算が少し複雑になりますので、この点だけ注意が必要だということを覚えておきましょう。

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