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みなし譲渡とは?譲渡所得の計算方法など解説

HUPRO 編集部
みなし譲渡とは?譲渡所得の計算方法など解説

「みなし譲渡」のなかでも土地や建物に関する譲渡所得について、まとめました。また、譲渡所得の計算方法も記載しています。みなし譲渡について知識を深めたい方はもちろん、みなし譲渡という用語を初めて耳にしたという方も、ぜひご覧ください。今回は、みなし譲渡とは何なのかについて解説していきます。

そもそも譲渡所得とは?

みなし譲渡とは、正式には「みなし譲渡所得」をいいます。では、この譲渡所得とは何なのでしょうか。譲渡所得とは、一般的には、土地や建物、株式などの所有している資産を譲渡することによって発生した所得のことです。

ただし、山林、事業用の商品といったような棚卸資産の譲渡によって発生した所得は、譲渡所得ではなく事業所得となります。このように、譲渡所得すべてをこちらで説明することは難しいので、今回は土地や建物に関する譲渡所得に焦点をあてて解説します。

譲渡所得の金額は

「収入金額-(取得費用+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額」

によって求めることができます。ここでの収入金額とは、土地や建物を売却した際に買い手より受け取る金額を指します。

取得費には、売却された土地や建物の購入代、購入手数料、建築代のほか、設備費そして改良費も含められています。ただし、建物の取得費とは、購入代や建築代の合計した金額より、減価償却費に当たる費用を差し引いた金額のことです。

譲渡所得とは、土地や建物を売買した時だけではなく、贈与や相続、遺贈により取得した財産を譲渡した際にも発生します。なお、譲渡所得には譲渡所得税が課せられます。

みなし譲渡とは?

では、みなし譲渡とは、どういったものを指すのでしょうか。みなし譲渡は、譲渡所得が発生していない状況であるにも関わらず、譲渡所得を得ているとみなされて、譲渡所得税の課税が課せられることをいいます。

以下の3つに該当する場合は、土地や建物の譲渡によって時価相当額を受け取っているとみなされて、それにより譲渡所得額が求められることになるのです。

1個人より法人に贈与されたケース

個人より法人に土地や建物を贈与したケースでは、その土地や建物は時価により譲渡されたものとみなされます。そのうえで課税譲渡所得金額が計算されるのです。個人に対する贈与に関しては譲渡所得税が課せられませんが、法人に贈与したケースにおいては、贈与者に対して譲渡所得税が課せられることになります。

2時価の半額よりも低い金額によって譲渡したケース

土地や建物を時価の半額よりも低い金額で譲渡したケースにおいても、その土地や建物は時価で譲渡されたとみなされ、課税譲渡所得金額が計算されます。このケースにおいては譲渡先が問われず、法人でも個人でも同じ扱いとなります。

3限定承認をしたケース

限定承認とは、相続人が相続により得た財産の一部において被相続人の債務や遺贈(遺言による遺産のすべて、または一部を処分すること)を弁済することを留保し、相続の承認を行うことをいいます。もう少し噛み砕いてお話すると、つまり、限定承認とは、財産を特定した遺贈により生じた所得は、プラスとなった分だけを相続し、マイナスとなった分は相続に関する負担をしなくてもいいとされる制度です。

みなし譲渡とは?

みなし譲渡として消費税が課される場合とは?

消費税は、法人でも個人でも関係なく、事業者が資産の譲渡または貸付、サービスの提供を行ない、それに対する対価が支払われた時に課税されることになっています。

つまり、資産を贈与したり、家事で使用(事業用資産を家事のために個人事業主が使うこと)したりすることにおいては対価を受けないため、消費税の課税対象とはならないのです。

しかし、これでは法人が資産を購入しても「役員への贈与」とすることにより、役員は消費税を負担せずに資産購入ができることになってしまいます。このような状況を回避するため、以下のようなケースにおいては「対価は受けたもの」とみなし、消費税の課税対象になるとされます。

法人が購入をした資産を、役員へ無償で譲渡(つまり贈与)したケース
法人が購入をした資産を、役員に著しく低い金額によって譲渡したケース
個人事業主が事業用に購入した資産を家事使用したケース

「みなし贈与」「みなし配当」とは?

みなし譲渡と似た言葉として、みなし贈与、みなし配当という用語があります。よく混同されがちなのですが、これらの違いを理解しておきましょう。

みなし贈与とは

みなし贈与とは、相続税法上の用語のひとつです。個人である買い主が、相続税法上の時価よりも大幅に低い対価により株式を取得した場合、時価との差額は売り主より贈与を受けたものとみなされ、贈与税が課せられることになっています。

みなし配当とは

みなし配当とは、所得税上の用語のひとつです。個人が株式発行法人に対し、その株式を譲渡した場合、発行法人より受け取った金額が株式の価値以上のものであるケースに限り、余剰金の配当をみなされるというものです。したがって、譲渡した場合に受け取る金額は、みなし配当となる金額以外の部分が譲渡所得による収入の金額となります。

まとめ

みなし譲渡とは、どういったものなのかについて解説しました。譲渡所得とは何なのかという、基本的な部分についてもお話をしました。みなし譲渡は、所得を得ていなくても課税対象となるため、申告漏れが起きやすいので、注意しましょう。

この記事を書いたライター

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