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公認会計士試験の難易度はどのくらい?最新データ含めて解説!

HUPRO 編集部
公認会計士試験の難易度はどのくらい?最新データ含めて解説!

公認会計士試験は難易度が高いことで知られており、実際に公表されている公認会計士試験の合格率を見てもそれは明らかです。ただ、この公表されている合格率は願書提出者をもとに出された数字であり、実質合格率は少し変わってきます。今回は公認会計士試験の合格率について詳しく解説していきます。

公認会計士試験の難易度はどのくらい?

公認会計士の難易度は「超難関」であると言えます。
そして「医師国家試験」「司法試験」と並ぶ3大国家資格と言えます。
超難関と言われる理由は3つ「平均勉強時間」「合格率」「科目数の多さ」が挙げられます。

1.平均勉強時間

合格までの平均勉強時間は、「3500 時間」となります。
2年間かけて合格を目指すとなると、1日平均5時間程勉強をする必要があります。

2.合格率

公認会計士試験の平均的な合格率はおおよそ10%と言われているのです。ちなみに、この合格率とは、公認会計士試験の1次試験と2次試験の両方において合格した人の割合を指しています。

15年ほどさかのぼって公認会計士試験の合格率の推移を見てみると、合格率が最も高かった年が2007年の19.3%です。

反対に、合格率が最も低かった年は2011年の6.5%となっています。ちなみに令和2年の合格率は10.1%でした。

出典元:令和2年公認会計士試験の合格発表の概要について|公認会計士・監査審査会

短答式(1次試験) 【合格率】 20%/【合格正答率】7割合格
論文式(2次試験) 【合格率】 40%/【偏差値】52程度

1次試験と2次試験をそれぞれで見てみますと、1次のマークシート形式の筆記試験の合格率は平均で20%強です。マークシート形式の試験は年に2回受験日が設けられていて、合格基準は7割ですが、試験により若干の変動はあります。

2次試験の論文形式の試験は合格率が40%弱です。

年に1回しか受験チャンスがありませんが、比較的合格率が高いです。偏差値としては52程度なので、平均より少し頑張れば合格できるレベルです。しかし、マークシート試験に合格した受験者がライバルなので、受験者のレベルは1次試験よりも当然高いです。

また、一発で合格できなかったとしても、何度かチャレンジすることで合格できる人は多くいますので、継続して頑張ることが求められます。

《公認会計士試験 合格者年齢》

平均年齢 26歳
最年少合格者 16歳
最年長合格者 67歳

ちなみに、公認会計士の資格の合格者の平均年齢は26歳前後となっています。
過去の最年少が16歳、最年長は67歳です。やはり就職のことを考えると、20代の受験者が多いでしょう。幅広い年代層が受けられるという点では魅力的な国家資格です。

過去の合格率の推移についてはこちらのコラムでも詳しく解説していますので、木になる方は是非ご覧ください。

《関連記事》
公認会計士の合格率推移について

3.科目数が多い

公認会計士試験は短答式と論文式両方に合格する必要があり、それぞれ科目数も多いです。短答式はマークシート方式ですが、論文式は筆記であるため、単に試験範囲を暗記すればいいというわけでもないのです。

さらに、電卓を素早く叩いて計算する能力や、論理的文章を書くための思考能力、法律についての知識まで、とても幅広い能力が求められます。

公認会計士試験の科目一覧

短答式(4科目) 「財務会計論」「企業法」「管理会計論」「監査論
論文式(6科目) 「財務会計論」「管理会計論」「企業法」「監査論」「租税法」「選択科目」

また公認会計士試験は、絶対評価ではなく相対評価で合否が決まります。
つまり合格ラインが不確定で、相対的にあなたがライバルよりも優秀である点数を取ることが求められます。

全体の中で自分のレベルの位置付けを意識しないと受かりませんので難易度が高いと言えます。

論文試験に対しての準備が不十分である人が多い

実質合格率が実は高い?

ここまで本記事を読まれた方は、公認会計士試験がとても難しいものであると実感されていることでしょう。確かに公認会計士試験は難易度が高い試験ではあるのですが、実は本当の意味での合格率はもっと高いといわれています。

もちろん、公表されている合格率は間違いではありません。しかし、実際に受験をして合格する人の割合、つまり実質合格率は10%以上あるいは10%台後半と結論づける人も多いほどです。では、どうしてこのようなことが起こり得るのでしょうか。

願書提出者数のなかには欠席者が含まれている

公認会計士試験の合格率は10%だとされていますが、この合格率を割り出す際に使われた分母の値は「願書提出者数」です。つまり、願書は提出したものの、当日は試験会場に行かなかったという人が含まれています。

1次試験では願書提出者数とされている受験者の20%、2次試験でも10%ほどの人は試験を受けないという現状があるのです。そのため、それらの未受験生分の人数も母数に入れた合格率は、実際に試験を受けた人の中での合格率よりも低いものとなっています。

願書提出者のなかには記念受験をする人も含まれている

どのような試験においても言えることなのですが、記念受験をする人は多いものです。記念受験とは、願書を提出したものの、あまり勉強ができていない状態のまま受験することを指します

また、本番の雰囲気を知るために、あえて勉強不足を自覚して受験会場へ足を運ぶ人もいます。もちろんこのような受験者も、願書提出者数の分母に含まれるので、合格率が低くなるのです。

まとめ

公認会計士試験の合格率を数値として見ると、合格できるだろうかと不安な気持ちになる人は多いでしょう。しかしながら、これまでお話してきたような理由により、本当の意味での合格率はもっと高いといえます。

また、合格率はあくまでも割合でしかありません。最も重要なことは、合格に向けて自分自身が努力を続けられるかどうかです。本気で公認会計士を目指すのであれば、本気で試験勉強に取り組んでみましょう。

また公認会計士になるためには、試験に全て合格した後で、修了考査を受ける必要があります。この修了考査の難易度は下記の記事で公開しているので是非ご覧ください。

この記事を書いたライター

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