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消費税のリバースチャージ方式について

HUPRO 編集部
消費税のリバースチャージ方式について

私たちが品物やサービスを購入する際に、商品代金に上乗せして支払っている消費税。この消費税は、売り手が買い手から一旦預かって、自身の支払った消費税と相殺した分の税を納める仕組みです。しかし、取引によっては買い手が消費税を納める場合があり、これを「リバースチャージ方式」と言います。本記事ではこのリバースチャージについて詳しく説明します。

リバースチャージとは?

リバースチャージという言葉には実は二つの意味があります。

1. スマートホンをモバイルバッテリーとして使用できる機能。
2. 国外事業者が国内事業者にネットサービスを提供した際の対価に課税し、国内事業者に消費税として支払わせる方式。

出典:コトバンク リバースチャージ

ここで取り上げるのは後者です。
消費税は、物やサービスの売り手が申告して納税するのが通常ですが、取引が国際間になると、海外の売り手に対して納税義務を貸すことが難しくなります。そこで、通常とは逆(リバース)に、買い手に直接納税義務を課す手法として、EUからはじまりました
日本でも2015年の税制改正で、リバースチャージが導入されています。

消費税をリバースチャージ方式で納める必要がある場合は?

国税庁のウェブサイトによると、 リバースチャージ方式について以下の記述があります。

国外事業者が行う「電気通信利用役務の提供」のうち、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(例:「広告の配信」等)については、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務が課されます(リバースチャージ方式)。

出典:国税庁WEBサイト 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について

「電気通信利用役務の提供」とは、インターネットを通じて提供されるサービスのことを指します。

「事業者向け電気通信利用役務の提供」というと、企業間で取引されるインターネットを通じて提供されるサービスのことです。具体的には以下のような取引でリバースチャージが適用されます。

・インターネット等を介して行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウェア(ゲームなどの様々なアプリケーションを含む。)の配信
・顧客に、クラウド上のソフトウェアやデータベースを利用させるサービス
・顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス
・インターネット等を通じた広告の配信・掲載
・インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス(商品の掲載料金等)
・インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス
・インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイト(宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの)
・インターネットを介して行う英会話教室
・電話、電子メールによる継続的なコンサルティング

出典:[KMPGジャパン WEBサイト 電気通信利用役務の提供(Digital Services)]
(https://home.kpmg/jp/ja/home/insights/2015/08/digital-services.html)

また国外の事業者が国内で行う芸能やスポーツなども「特定役務の提供」としてリバース装チャージが適用されます

リバースチャージ方式による消費税申告をしなければならない事業者

国外の事業者からインターネットを通じて提供されるサービスを受けた場合、マッサージ方式により消費税の申告をする必要があるのはどのような事業者なのでしょうか?

国税庁によると、以下の条件にあてはまる事業者は対象外とのことです。
 1 一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期間
 2 簡易課税制度が適用される課税期間

つまり、リバースチャージ方式により申告をする必要があるのは、一般課税により申告を行う事業者で、その課税期間の課税売上割合が95%未満の事業者に限られます。

出典:国税庁WEBサイト リバースチャージ方式による申告を要する者

この場合の課税というのは消費税の課税ということです。
消費税の一般課税業者で、全体の売上に対し消費税がかかる売上が95%未満ということなので、 ますます増える海外からのネット予約などを使っている業者は、消費税の計算時に売上の内訳を確認しなければなりません。

実際に、外国人観光客を受け入れているホテル業者などが、Agoda やエクスペディアといった海外からの宿泊予約サイトとの取引で消費税の申告漏れを、税務調査で指摘されています。

「外国人客を受け入れているホテル業者などが、海外で宿泊予約サイトを運営する業者との取引をめぐり、相次いで消費税の申告漏れを指摘されたことがわかった。海外からの旅行客が増えるなか、2015年に導入された「リバースチャージ」と呼ばれる新たな方式の理解不足が一因とみられ、東京国税局は注意を呼びかけている。

 関係者によると、東京や福岡など各地の国税局が昨年からホテルや旅行会社を税務調査。十数社に計約11億円の申告漏れを指摘した。3億円超の追徴課税を受けた大手もあったという。
訪日外国人観光客は年々増え、ネットを通じて日本のホテルの宿泊予約や各種チケットの購入を行う客も多い。海外のサイト運営業者にホテルや旅行会社が手数料などを支払った際の税務処理をめぐり、ミスが相次いでいる形だ。」

出典:朝日新聞 「リバースチャージ」適用誤解 ホテル、消費税ミス続発

まとめ

インターネットを介して行われるサービスは、今後もますます広がりを見せるでしょう。
国内の取引だと思っていたら、実はそれは海外の事業所との取引であるかもしれません。
リバースチャージに該当するかどうかは、売り上げを集計し、かつその取引の内容まで精査しなければなりません。
現時点では、一般課税業者のみが対象となっているリバースチャージ方式ですが、インボイスの導入により、 これから事業者が一般課税業者を選択する事が増えるでしょう。
消費税については、これからも改訂が行われることが予想されるため、こうした方式もあるということを是非知っておいてください。

この記事を書いたライター

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