求人を見ていると時々、『社会保険労務士歓迎』と記載がある求人を目にすると思います。実際、社会保険労務士の資格を持っていると転職では有利なのでしょうか?本記事では、社会保険労務士の資格が転職の際にどのように有利に働くのか、更には資格を活かせる転職先についても解説していきます。
まず、社会保険労務士とは、よく”人事労務のスペシャリスト”としての資格であると認識されていますが、仕事の内容としては、主に1・2号業務と、3号業務の2つに分けられます。
1・2号業務は社労士の独占業務であり、1号業務は労働保険や社会保険に関する必要書類の手続き代行、2号業務は就業規則や労働者名簿等の帳簿書類作成などがあります。3号業務は独占業務ではなく、人事・労務関連のコンサルティング業務です。
結論から言うと社会保険労務士の資格は転職に有利に働きます。求人の中でも『社会保険労務士の資格保有者歓迎』と言った求人も多くあります。
一方で、社会保険労務士歓迎の求人は一定数ありますが、実際、社会保険労務士の資格を持っていても、実務の経験がない場合は採用のハードルが一気に上がってしまうのが現状です。企業の人事や労務では社会保険労務士の資格と同様に、実務経験も重要視されています。社会保険労務士の資格だけを持っていれば大丈夫という訳ではないと言うことですね。
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社会保険労務士の資格が一番有利に働くのは、事業会社の人事労務や社会保険労務士事務所の業務経験がある中で、転職をしようとするケースです。
そのため、今は社会保険労務士の資格がなくて資格取得に興味がある場合は、まずは実務経験を積むことが大事です。
人事労務関連の職種に就いている人は、そのまま働きながら資格取得を目指し、違う職種に就いている場合は、会社内で部署異動を申請するか、人事労務の職種で未経験でも採用してもらえる会社に転職するという選択になります。
最初はどうしても未経験だとスタッフ採用などで、給与面が現職から下がってしまうかもしれませんが、実務を積みながら、社会保険労務士資格の取得を目指すことで確実にキャリアアップが望めるでしょう。
実際に社会保険労務士の資格は働きながら資格を取得される方が多く、平成30年度の試験では、合格者のうち57.4%が会社員でした。
ただし、合格率は例年10%を切ることがほとんどで、国家資格の中でも難関試験の一つと言えるので、目指す際にはしっかりと覚悟を持つ必要があります。
社会保険労務士の資格に加えて、プラスαの資格を保有していると、活躍の幅が広がり、転職にも有利になるでしょう。
例えば社会保険労務士に加えてファイナンシャルプランナーであったり、税理士・中小企業診断士といった資格がおすすめです。
複数の資格を取得していると自身で独立開業するといった選択肢も可能となってきます。
ここでは社会保険労務士の資格を活かせる転職先を3つご紹介していきたいと思います。
社労士資格を取得していると事業会社の人事・労務職の即戦力として期待されます。そのため実務経験が求められることが多いですが、大企業への転職も可能です。
キャリアとしては最初は企業の人事労務担当として入社し、人事部あるいは総務部に配属されるケースが多いですが、給与計算や社会保険手続、勤怠管理などが業務の中心となります。
そのような基礎業務を3〜5年ほど経験し、その後ポジションが上がるにつれて、人事制度設計や社内規則の作成などを担当するようになります。
そして、ゆくゆくは人事課長さらには人事部長となり、労務関係はもちろんですが、人事制度の企画や採用責任者として、人事業務全般を任され、経営層に近い立場での仕事をしていくようになります。
社会保険労務士の資格を持っていると、当然社労士事務所への転職は有利になります。
業務内容としては、社会保険労務士事務所への入社で、まず最初に担当する業務としては、労働保険、社会保険手続き、給与計算、年末調整などです。
これらの業務は社会保険労務士の独占業務もありますが、社会保険労務士事務所で勤務の場合は最終的には社会保険労務士である上司の確認を取るので、仮に社会保険労務士の資格を持っていなくても補助スタッフとして採用してもらえます。
その後は第3号業務のコンサルティングまで業務の幅を広げ、コンサルティング企業に転職するケースもあります。転職するまでには、先ほども述べたように資格を取得できていると一気に転職がしやすくなり、良い条件も得られやすいです。
また、社会保険労務士事務所でもコンサルティング業務に注力している事務所もあるので、その場合は転職しなくても同事務所内でコンサル業務を担当することができます。
また、大手のコンサルティング企業ですと、グループ内に社会保険労務士事務所があるケースもあり、その場合はグループ内の異動によって、社会保険労務士事務所からコンサルティング企業に所属を変更することが可能です。
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実は会計事務所でも社会保険労務士の需要がある場合があります。会計事務所では税務業務だけでなく、労務関連のサービスもワンストップでクライアントから業務を請け負っていることがあり、そういった事務所では社会保険労務士の求人が出されていたりしており、社会保険労務士の資格が活かせるでしょう。
これまで述べてきたように、社会保険労務士の資格は転職で有利に働きます。
しかし社労士として転職をする上では実務経験も重視されることも多いです。
その為、社会保険労務士の資格取得を目指しながらキャリア形成をしていく場合、事務所の方針として資格取得を推奨するなど、自分が働く環境が資格取得に対してサポート体制があるかどうかが非常に重要になってきます。
転職を考えている企業や事務所の考えや方針については、しっかりと自分で調べるか、転職エージェントに相談して情報を集めることをおすすめします。
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