公認会計士の資格を取得した後に、キャリアアップとしてUSCPAの資格を取得しようとしたり、はたまたその逆もあるかもしれません。
本記事では、公認会計士とUSCPAのダブルライセンスを取得することによってどのように変わるのかを解説していきます!
公認会計士とは、日本国内において監査業務を行うことができる資格です。ここで監査業務は公認会計士のみが行うことのできる独占業務となります。USCPAとは日本国内では監査業務を行うことはできず、資格を取得した州内での監査業務を行うことができる資格です。UACPAだけでは監査法人にて監査補助業務をすることはできますが、監査法人のパートナーとしてサインをすることはできません。ここに両資格の大きな違いがあります。
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公認会計士試験に合格した後に、2年間の実務経験と補修所による単位取得、修了考査に合格することにより、晴れて公認会計士の資格を取得することができます。公認会計士試験の合格率は約10%です。公認会計士試験だけでなく実務経験と修了考査と二回の試験に合格する必要があることが特徴的です。
公認会計士になった後も、公認会計士の資格維持のためにCPEと呼ばれる単位を年間40単位取る必要があります。CPEは公認会計士協会が実施している研修や論文執筆、本の読み込みなどにより単位を得ることができます。公認会計士の資格を持っていれば、同時に税理士資格と行政書士の資格も登録することができ、独立開業を目指していく人もいます。
USCPAになるためにはまずはUSCPA試験の全科目合格が必要です。試験科目は①Financial Accounting & Reporting(財務会計)、②Business Environment & Concepts(企業経営環境・経営概念)、③Regulation(諸法規)、④Auditing & Attestation(監査および諸手続き)の4科目です。公認会計士試験と異なり、全て択一式の試験であることが公認会計士試験との大きな違いです。
また、アメリカ人の科目合格率は50%を超えるとも言われています。もちろん、試験は日本語でなく全て英語です。USCPA保持者と名乗るためには、全科目合格に加えてライセンス取得が必要ですが、州によって条件が異なります。グアム、ワシントン、モンタナ州以外の州は数年の米国内での監査経験が必要です。グアム、ワシントン、モンタナ州であれば、試験合格のみでUSCPAのライセンスを取得することができます。USCPAになった後、日本の公認会計士と同様にCPEを取得する必要があり、条件は州によって異なっています。
公認会計士とUSCPAのダブルライセンスによるメリットとして、ブランドとなる点が大きいでしょう。日本の会計の知見と海外の会計の知見を持っていることの証明となり、会計のプロフェッショナルとして認識されます。
そのほかにも、公認会計士とUSCPAのダブルライセンスによるメリットを解説していきます!
公認会計士に加えてUSCPAを取得することで、英語能力をアピール出来るという強みが加わることが大きいです。英語圏内で監査業務を行いたい人や、外資系企業の監査業務を行いたい人には大きなメリットがあります。
USCPAから公認会計士の資格を取得することのメリットは、日本企業に強くなるという点です。USCPAの資格は、日本国内で出来ない業務が存在してしまいます。そのため、日本で働く際は公認会計士より不利となってしまいます。ですが、その公認会計士を取得することで、USCPAのデメリットを完全に解消できることとなります。
公認会計士になるためには、TACや大原などの予備校に通うことが通常です。授業料は50万円以上、19,500円の試験受験料、試験合格後に会計士登録する際も10万円以上の金額が必要です。
同様にUSCPAも授業料は50万円以上、日本で試験を受けるとして10万円以上の試験受験料、USCPAに登録する際の10万円程度の金額が必要です。ダブルライセンスにするためには合計で100万円以上の支出が見込まれますので、覚悟をもって挑戦することをお勧めします。試験をダラダラと勉強してしまうと授業料が大きくかかってしまうため、短期集中するべきと思います。
ダブルライセンスを取得した後にまだ資格を取りたい方や、そもそも公認会計士やUSCPAに関連が深く、これらとのダブルライセンスによい資格を紹介していきます。
社労士(社会保険労務士)は、公認会計士との相性がよいです。その理由として、社労士には健康保険・雇用保険・年金などに関する書類作成や提出の手続きを専門的に行うことができます。公認会計士として、経理や会計の業務を行っていくうえで、労務などの知識はあって困らないものです。むしろ仕事の幅が増えてオススメの資格となっています。
中小企業診断士は経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。中小企業に対して経営に関する知識があり、アドバイスが可能となっています。公認会計士を持っていることで、B/S・PLを細かく分析でき、会社の動向などをより細かく把握することができます。それにより信憑性が増し、精度の高いコンサルティングが可能となっています。
ダブルライセンスを取得した後の主な職場を解説していきます!
外資系の企業はダブルライセンスをお持ちの方がよく就職される職場です。外資系企業は、国内外の監査業務だけではなく、コンサルティングなども行います。国際的な案件は報酬が高く任されることが多いので、他の公認会計士との差別化が図れるでしょう。
監査法人のBIG4もダブルライセンスがあることで大いに活躍できます。BIG4では、国内だけではなく国外にも多くの取引先を有しています。そのため、日本国内に強い公認会計士の資格だけでなくUSCPAの資格も活躍できるわけです。
ダブルライセンスを取得する人は独立を考える人も多いです。公認会計士を取得している人が独立する方も一定数存在しますが、ダブルライセンスを持って独立する方は少なく、差別化が図れます。また、国内だけでなく国外にも展開できる会計事務所が作れるので、非常に有利だと考えられます。
本記事では公認会計士とUSCPAのダブルライセンスを取得することでのメリットを伝えてきました。ダブルライセンスを取得することで国内外どこでも活躍できるため、所得することに損がない資格に間違いないでしょう。
ですが、現実問題どちらも難関資格に間違いありません。現状に満足がいっていなく、ダブルライセンスを取ることでステップアップを考えている場合は無理して資格所得を目指すよりも、転職などでステップアップを目指すことをオススメします。片方の資格を持っていれば、望んでいる条件の企業がきっと見つかるはずです。
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