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税理士試験免除の仕組みと不認定の理由をご紹介

HUPRO 編集部2019.12.09

税理士になるためには税理士試験で5科目に合格するのが王道ですが、特定の要件を満たした場合には、税理士試験自体や特定の科目の受験が免除される制度があります。要件を満たすことは簡単ではありませんが、該当すれば税理士になる近道の可能性もあります。そこで今回は、税理士試験の免除制度について解説していきます。

税理士試験の免除制度の概要

税理士になるためには税理士試験を受験し、所定の5科目に合格して税理士試験自体に合格するのがオーソドックスな方法です。

具体的には、会計学に関する科目として簿記論と財務諸表論の2科目に合格し、税法に属する科目として所得税法、法人税法、相続税法、国税徴収法、消費税法などから3科目に合格します。

一方、税理士試験を受験して5科目合格しなくても、税理士試験が免除されて税理士になれるルートも用意されています。これが税理士試験の免除制度です。

税理士試験の免除制度は、資格による試験免除、国税従事による科目免除、学位取得による科目免除の3種類があります。それぞれの免除要件を満たすと、種類に応じて税理士試験自体か特定の科目の試験が免除されます。

免除要件を満たすと試験や科目が免除される理由は、そもそも税理士試験は税理士になるために必要な知識や能力の有無を判定するものであるところ、免除要件を満たしている場合は知識や能力を有していると判断できるからです。

資格による試験免除制度とは

資格による免除制度とは、一定の資格を有している者については税理士試験自体が免除される制度です。該当する資格としては弁護士と公認会計士があります。

まず弁護士については税理士試験を受験することなく税理士として登録できることが弁護士法に規定されています。これは弁護士が法律のエキスパートであることに基づくものです。

もっとも、弁護士になるための勉強や試験は税法や簿記とはあまり関連性がないため、実際には他に勉強をせずに税理士として登録する例は多くありません。

次に公認会計士については、平成29年4月1日以降に公認会計士試験に合格した者は、税法に関する研修を修めた場合に無試験で税理士資格を取得することができます。

平成29年の試験以前は公認会計士に合格すれば無条件で税理士として登録できましたが、法改正によって研修が必要になりました。

国税従事による科目免除とは

国税従事による科目免除は、税務署を始めとする官公庁における事務のうち、国税や地方税に関する事務に所定の年数従事してた場合、税理士試験の科目の一部が免除される制度です。

国税に関する事務に一定期間従事していた場合は、国税に関する税法科目が免除されます。地方税に関する事務に一定期間従事していた場合、地方税に関する税法科目が免除されます。

免除に必要な勤務期間は要件によって異なりますが、通算で10〜20年以上です。また、勤務期間が23〜28年以上で所定の研修を修了した場合は、会計学に関する科目も免除されます。

免除が認められるまでに有する期間が長いため、税理士になることを目的にするには不向きですが、国税従事者が退職後に税理士を目指す場合などに有効です。

学位取得による科目免除とは

学位取得による科目免除は、大学院に進学して税理士試験に関連する論文を執筆して学位を得た場合に、学位の種類に応じて税理士試験の科目の一部が免除される制度です。

平成14年3月までに大学院に進学した場合、商学の修士または博士の学位を有する者は会計系の科目が免除されます。次に、法学または経済学のうち、財政学の修士または博士の学位を有する者は、税法系の科目が免除されます。

平成14年4月以降に大学院に進学した場合は、会計系または税法系の修士論文を執筆して学位を取得し、かつ税理士試験でそれぞれの科目に1科目以上合格すると、その学位に属する残りの科目が免除されます。

例えば、会計学の論文を執筆して修士を取得して税理士試験を受験し、簿記論の科目に合格した場合、同じ会計学に関する科目である財務諸表論の試験が免除されます。

修士論文不合格による不認定に注意

大学院に進学して修士論文で税理士試験の免除認定を希望する場合、税理士試験の科目が必ず免除されるわけではないことに注意が必要です。

大学院進学で税理士試験の科目免除を受けるには、執筆した修士論文が国税庁の審査をパスする必要があります。つまり、試験免除を受けるためにはまず大学院に進学し、修士論文を完成させ、論文が審査を通過するという手順を踏みます。

大学院に進学すると最低でも2年の在学期間が必要になり、その間の学費もかかります。試験が免除されると聞くと一見楽なようですが、実際には受験とは異なる苦労や負担も少なくありません。

勉強や研究についていけずに中退する、修士論文を完成できずに留年する、などの可能性もあります。特に要注意なのが、せっかく修士論文を提出したにも関わらず、国税庁の論文審査で不合格になってしまうことです。

論文審査に不合格になった場合、税理士試験の科目免除が不認定となり、せっかく時間と費用をかけて大学院に通っても試験免除の恩恵を受けることができなくなってしまいます。

提出された修士論文のうち何割が国税庁の審査に不合格になってしまうか、正確なデータは公開されていませんが、毎年僅かながら通過できないケースが存在します。

それまでの時間と費用を無駄にしないためにも、大学院での日々の努力と論文の完成は非常に重要になります。

関連記事:税理士試験の概要について詳しく解説!受験資格や科目合格制など受験生必見

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カテゴリ:資格試験

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