税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。一度合格した科目は生涯有効で、複数年にわたって少しずつ科目を増やし、5科目合格を目指すことが一般的です。
税理士試験の科目合格は税理士事務所だけでなく、企業経理やコンサルティング会社などへの就職の際にも有利です。そこで今回は、税理士試験の科目合格と証明書について解説していきます。
税理士試験は、税理士になるために必要な学識と応用能力を有しているかを判定するための試験であり、会計学に属する科目(以下「会計科目」とします)と税法に属する科目(以下「税法科目」とします)について行われます。
会計科目には簿記論と財務諸表論があり、税法科目には所得税法、法人税法、相続税法、国税徴収法、消費税法または酒税法、住民税または事業税、固定資産税があります。
税理士試験に合格するためには、会計科目と税法科目に合格する必要があります。
まず会計科目についてですが、簿記論と財務諸表論の両方に合格する必要があります。
続いて税法科目についてですが、こちらは少し複雑で、所得税法、法人税法、相続税法、国税徴収法、消費税法または酒税法、住民税または事業税、固定資産税のうち受験者が選択した3科目に合格する必要があります。
なお、所得税法または法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。
例えば、所得税法、相続税法、国税徴収法の3つに合格すれば、税法科目に合格したことになります。
まとめると、税理士試験に合格するためには、
会計科目の2科目と税法科目の中から選択した3科目の合計5科目に合格する必要があります。なお、各科目の合格点は100点満点の6割とされ、合格率は毎年どの科目も10~20%程度です。
税理士試験は科目合格制を導入しているため、一度の試験で5科目全てに合格しなくてもよいことが特徴です。なお、合格した科目は生涯有効となり、受け直す必要がありません。したがって、何回か受験して少しずつ合格科目を増やしていくことができます。
例えば、1回目の試験で簿記論と所得税法に合格し、2回目の試験で財務諸表論と相続税法に合格、3回目の試験で住民税に合格すれば、計3回の試験で合計5科目に合格したこととなり、税理士試験に合格となります。
税理士試験に科目合格すると、後日、科目合格したことを証明する証明書が郵送されます。証明書の名称は「税理士試験等結果通知書」(以下「通知書」とします)です。
通知書には発行年月日、受験者の氏名と生年月日、受験番号、受験地などのほか、合格した科目(過去に合格した科目を含む)と税理士試験の年度が記載されています。
合格科目が5科目に達して税理士試験自体に合格したら、「税理士試験免除決定通知書」(以下「合格証書」とします)が郵送されます。また、合格発表の日(毎年12月頃)の官報に合格者の受験地、受験番号が掲載されます。なお、令和6年度税理士試験より氏名は掲載されないこととなりました。
科目合格を証明するための書類である通知書を紛失した場合、次回の税理士試験の受験時や就職活動の際に科目合格していることを証明することができません。その場合は証明書の再発行を請求することができます。
再発行を請求するためには国税庁HPから「一部科目合格(免除)証明願」をダウンロードし、必要事項を記載の上、返信用封筒を同封して国税審議会会長あてに提出する必要があります。
また、自分でA4サイズの用紙に必要事項(「一部科目合格(免除)証明願」と記載した表題、氏名とふりがな、生年月日、住所、電話番号、一部科目合格(免除)番号、合格した科目と年度、証明書の使用目的)を記載して作成、提出することも認められています。
なお、税理士試験の5科目に合格したことを証明する合格証書を紛失した場合も通知書の請求方法に準じて発行してもらうことができます。
税理士試験自体に合格していなくても、科目合格するだけでメリットがあります。具体的には会計事務所、企業経理、コンサルティング会社などへの就職・転職の際に有利となることです。
税理士試験は会計・税務に関する知識や応用能力を問う試験なので、科目合格していることは「合格した科目について、税理士レベルの知識があること」の証明になります。そのため、会計事務所などへ応募する際に強力な武器となります。
なお、会計事務所によっては応募条件として税理士試験の科目合格を求めている場合もあります。
昨今は業界の人手不足が理由で「1科目以上」としている会計事務所が多いですが、10年ほど前は大手の税理士法人で3科目以上、中堅の税理士法人で2科目以上が主流でした。
税理士試験の合格に向けて、どの試験科目から取り組んでいくかは人それぞれですが、会計・税務の基礎となる簿記論、財務諸表論から始めることが最も効率的だといわれています。
ちなみに就職活動の場面で他の求職者との差別化を図るといった観点からは、難易度が高く、かつ、実務に役立つとされる「国税4法」(法人税法、所得税法、相続税法、消費税法)に合格していることが重要です。
最後に、税理士取得を目指して税理士科目の勉強をしながらでも働きやすい税理士法人として、税理士法人プレアスをご紹介します!
税理士法人プレアスは東京都千代田区にある税理士法人です。法人決算などの顧問業務も行っていますがメインはお客様の100年後を見据えた税務コンサルティングと相続税申告であり、全体の約8割を占めています。また、日本の税金リテラシー向上のために全国各地でセミナー、講演を積極的に行っていることも特徴です。
2023年9月に設立された比較的新しい税理士法人ですが、税理士になりたい気持ちを全面的に応援しており、試験勉強できる環境を整備しています。具体的には、フレックス制度やリモートワークの導入によって勉強時間の確保を後押ししています。
あとは働きながら税理士試験に合格したメンバーが多いため、事務所全体として「試験勉強に対する理解」があります。受験生が忙しくなったときは積極的にフォローしてくれるので、繁忙期でも気兼ねなく勉強することができます。
勉強と仕事の両立はとても大変で、職場の応援は必ずプラスに働きます。
税理士法人プレアスを詳しく知りたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
税理士法人プレアス│HP