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税理士試験不合格のキャリア形成について

HUPRO 編集部
税理士試験不合格のキャリア形成について

税理士試験にチャレンジしたけれども、道半ばで諦めることになった場合、今後のキャリアをどうしようかと考えてしまいますよね。しかし、税理士試験については、5科目全て合格していなくても、科目合格を今後のキャリアで活かせる場合もあるのです。本記事では、税理士試験不合格の場合、どのようなキャリアを考えたらよいかを解説します。

最後までどうなるかわからない税理士試験

税理士試験は毎年1回。相当の勉強をして臨んだとしても、合格できるのはたった10%前後という難易度の高い試験です。
さらに、合格者数についての制限があるため、受験者の中で上位10%に入っていないと、試験ができたとしても、合格することができない場合も。同じ科目を何年も繰り返し受験することは珍しくありません。
途中まではスムーズにいっても、最後の1科目がどうしても取れないまま、いたずらに年月を費やしている人というのも多いのです。

こちらは個人の方のブログですが、税理士試験の合格まで何年かかるかというデータを国税庁に開示請求して入手した結果が示されています。

参考:税理士の合格まで何年かかるのか?

このデータによると、2018年合格者の合格までの平均年数は10.37年であり、合格者の過半数は最初の科目合格から試験合格まで9年間かかっており、最長は昭和54年から39年の年月を経て合格した方もいるということです。

もちろん、税理士試験は科目合格制なので40年近く受験し続けたのではなく、途中でキャリアの中断や受験勉強をお休みしていたのかもしれませんが……

いずれにしても、受け続けていればいつか受かるという試験でもないので、場合によってはかなりの長丁場を覚悟して臨まなくてはならない試験であることは間違いありません。
そうなると、税理士試験に不合格となった場合のキャリアについても、ある程度は考えておかないと、ライフプラン自体が崩れてしまいます。

会計事務所に就職・転職

税理士試験合格者のみが、会計事務所に就職しているわけではありません。
会計事務所では税理士の補助をする「税理士補助」という職種があります。実務経験を積みながら試験勉強を行うことができ、科目合格者でも未合格者・未経験者でも採用が行われています。
税理士試験に合格しても、実際の税理士登録するためには実務経験が必要ですし、不合格であったとしても、まだ勉強を諦めたくない人には、受験に理解のある会計事務所に就職しておくというのは悪くない選択肢です。
試験前に休暇を取得できたり、税理士の登録費用を出してくれたりする事務所もあります。
しかし、今まで就職せずに試験勉強に専念していた場合は、仕事に時間を取られますので勉強の時間管理を大切にしましょう

一般事業会社に就職・転職

税理士科目5科目全てに合格していなくても科目別合格者も就職や転職で大きなアピールポイントになります
一般事業会社の経理部などへの転職でも、科目合格していれば十分評価されるでしょう。
必須科目である「簿記論」「財務諸表論」に加え、税法を1科目プラスした3科目合格であれば、就職・転職にもかなり有利です。

まとめ

税理士試験に不合格になったからといって、それまで勉強した知識が消えるわけではありません。科目合格をしていればなおさら、試験勉強にまじめに取り組んだ結果があります。
税理士試験は、他の士業の試験のように回数制限などがないため、なかなか受からなくてもいつかはと思ってしまいますが、ある程度のところで切り上げて自分を活かせる道を探るという決断も必要な時があります。
自分のこれからのキャリアについて相談したい時は、ぜひ転職エージェントの活用も視野に入れて考えてみてください。

当コラム内では、税理士試験の科目合格についての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。

税理士試験における科目合格とはどんな制度?
押さえておきたい税理士試験合格までの日程|税理士試験一連の流れを紹介

この記事を書いたライター

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