税理士として独立して開業する目的は、やはり収入を伸ばしたいということでしょう。そして開業するのに適した年齢はあるのでしょうか?
今回は、税理士として開業した場合の収入と開業可能な年齢について解説します。
独立開業の目的はやはり収入のアップでしょう。
独立開業すれば、自分の収入は頑張り次第でどんどんアップできます。顧客数をとにかく増やし、それに伴って人員を増やし仕事を任せ、自分はまた顧客獲得に駆けずり回る。それをひたすら繰り返せばどんどん収入は増えていくでしょう。
有名になれば書籍出版の依頼が来るかもしれません。そうすれば印税が入ってきます。テレビやラジオの出演も考えられます。こう考えると独立開業は夢のある話です。
もちろんそれは決して簡単なことではありません。
少々古いデータですが、日本税理士連合会が行ったアンケートによりますと、実に4分の1以上である26パーセントの税理士が年収は500万円未満となっています。これを少ないとみるか多いとみるかは人それぞれですが、現実は甘いものではないことがわかります。
開業の目的は年収アップだけではなく、あれこれ人に指示されず自由にやりたいからという人もいるでしょう。それも独立開業のメリットの一つです。
厚生労働省の「平成29年度賃金構造基本統計調査」によると、平均年収は813万円となっています。これは税理士と公認会計士を一緒に調査しているので、やや正確性に欠ける面がありますが、おおよその目安にはなるでしょう。
下手をすると、独立開業をした結果かえって年収が下がってしまったということもあり得ます。
・高収入が得られる
・自分のペースで仕事ができる
独立開業すれば、自分の努力と能力次第で高収入を得られる可能性があります。
しかしそれには自分で集客ができることが必要です。よい顧客をたくさん開拓できるかという営業能力にかかっています。
また、独立開業すれば定年は関係ありません。体力面の問題がなければ生涯働き続けることが可能です。これは生涯年収の面でも勤務税理士よりも独立開業したほうがメリットがあるということです。
また先に書いたように、独立開業して有名になれば書籍を出版したりマスコミに出演したりして副収入を得ることも可能になります。
このようなことは勤務税理士のまままでは難しいでしょう。
これはある程度の収入が得られるようになって初めて可能になることでしょう。なぜなら、収入が一定程度に達するまでは、ひたすら顧客開拓に勤める必要があり自分のペースで仕事をする余裕はないからです。
事務所の経営が軌道になれば、効率の悪い仕事はやめたり、自分と相性の悪い顧客との契約を解消したりして、業務の効率化を図ることも可能です。そうすればより一層の収入アップが期待できるかもしれません。
メリットの反対面がデメリットになるイメージです。
・営業活動が必要
・責任が重くなる
以前は独立開業して事務所を構えさえすれば、それだけで仕事が舞い込んでくるという時代がありました。
しかし、最近は競争が激しくなり顧客を獲得するためには営業活動が必要になってきました。
税理士に限らず士業全般に言えることですが、営業活動を非常に苦手とする人が多いです。営業活動をしないために、結局集客ができず勤務税理士のときよりも収入が下がるというリスクもあります。
独立開業するということは、全責任を負うということです。自分の代わりになる人はいませんから、少々の病気では休むことはできません。
有給休暇や育児休暇も関係ありません。
経営が順調で誰か人を雇えば、その人とその家族の生活を保証しなければなりません。
独立開業して自由に仕事ができるということは同時に責任を負うことを意味するのです。
結論からいうと何歳まででも可能だといえます。
ただし、今まで見てきたように独立開業すると自分自身で顧客を開拓する必要があります。この営業活動ができるだけの肉体的・精神的な気力があることが条件です。
独立開業して、自分はどんな税理士になりたいのか、何のために独立開業するのか、それをよく考えましょう。独立開業しても上手くいかずくじけそうになることもあるでしょう。そういうときに、なぜ自分は独立開業するのかを思い出して下さい。それは投げ出したくなったときの抑止力になります。