相続に関する民間資格として相続診断士が話題になっています。相続に関する知識を身につけることができ、相続に悩んでいる人の力になることができます。税理士などとも関係の深い資格であり、気になっている人は多いでしょう。今回は相続診断士と税理士の関係や、相続診断士の資格取得はどんな人におすすめなのか解説していきます。
相続診断協会が認定している資格です。日本では相続関連の悩みを抱えている人がたくさんいて、相続の専門家が求められています。そのようなニーズに応えて生まれました。
期待されている役割は、相続について素人の相談者から状況を聞き出す「相続診断」を行い、問題を明確にしてから、それぞれに合った専門家を紹介することです。相続に悩む一般の方と税理士や弁護士といった専門家を橋渡しする存在といえます。
《関連記事》
相続診断士は相続に関する基本的な知識を持っている人です。そのため、相続に悩む一般の方よりも相続について詳しく、困っている人をサポートすることができます。ただし、ただの民間資格であり、この資格を持っているからといって相続の申告を代行するなど専門的な業務に取り組めるわけではありません。たとえば、相続相談を受け付けることも認められていません。
そのため、相続診断士の役目とは、あくまでも専門家を紹介することだけです。相続に悩む人と話をして、必要があれば税理士などを紹介します。
また、こちらは誰でも受験できる資格であり、士業の人が取得するケースも少なくありません。税理士のなかにも、こちらの資格を取得している人は増えています。税理士といっても、相続に詳しいとは限らず、自分が専門的に取り組んでいる分野以外についてはあまり知識を持っていないケースは珍しくありません。そこで、税理士が相続に関する分野に精通していることをアピールするために相続診断士を取得するケースがあるのです。
試験は誰でも受験することができます。年齢や学歴、国籍などによる制限が一切ありません。試験形式は○×と三肢択一、穴埋め方式です。60分の試験時間で合計60問に回答します。試験内容はコンプライアンスや民法相続、相続税、基礎控除などです。
受験料を支払えば、学習の手引として相続診断士テキストとDVDを受け取ることができます。テキストは1冊であり、DVDは約6時間含まれています。これらを用いて試験対策をして本番に臨みます。講義などが開催されるわけではなく、自主学習をするのが基本です。
目安としては、1ヶ月~2ヶ月程度の勉強時間が想定されています。練習問題や過去問題などがテキストに含まれているため、本番までに何度も繰り返しましょう。70点以上取れれば合格します。合格すると認定証と認定証カードが送られてきます。年会費はなく、2年ごとに更新手続きをする必要があります。資格更新をするためには更新用確認テストがあり、これに合格して更新料16,500円払わなければいけません。
全国主要都市において試験が実施されます。合否通知は試験を受けてから2週間以内に登録したメールアドレスに送られます。ただし、個人受験の場合は、即日で結果を知ることが可能です。
試験は個人受験の場合はコンピュータ試験、団体受験の場合はペーパー試験が行われます。個人受験は初回受験の受験料が38,500円、再受験は16,500円です。団体受験だと受験料は33,000円です。ただし、団体受験では再受験することができず、この場合は個人受験として申し込まなければいけません。
団体試験のほうが受験料が安いのですが、いくつか条件があります。団体受験を利用できる条件は下記の通りです。
どういう人達が受験すると特にメリットがあるのか紹介しましょう。
生命保険は相続問題と大きな関わりのある分野です。たとえば、相続対策や生前贈与と関連づけて生命保険を提案することができます。相続診断士の資格を取得することで、顧客へのアプローチの幅を広げることが可能です。相続関連の知識を持っていることで、顧客から信頼されやすくなります。
相続問題として不動産の問題が浮上することは珍しくありません。したがって、不動産業界に勤めている人は、相続に関して詳しい知識を持っていることはとても大切です。たとえば、顧客から相続に関する悩みを打ち明けられるケースも少なくありません。そんなときに、相続診断士の資格を持っていれば、相続に関したアドバイスなどをすることができ、顧客に喜ばれるでしょう。
すでに税理士や弁護士などの資格を持って活躍している人にも相続診断士の資格は価値があります。税理士や弁護士だからといって、相続に詳しいとは限らないからです。資格取得のために勉強することで、相続の知識を学べます。
相続診断士は相続に関する知識を得られる資格です。相続に悩んでいる人に対して、税理士など専門家を紹介するという役割を期待されています。そのため、保険業界や不動産業界に勤めている人に価値があります。士業の人であっても、相続に詳しくなれるため意味のある資格です。相続に興味のある人はチャレンジしてみましょう。