転職しようと考えた時、真っ先と言っていいほど気になるのは年収の額と言っても過言では無いと思います。税理士や税務スタッフであればいくらくらいの年収が平均なのでしょうか?今回は、会計事務所の年収について、全体の相場と比較しながらご紹介していきます。
会計事務所への転職事情については下記のコラムでも詳しく紹介していますので、あわせて是非ご覧ください。
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会計事務所の年収は、資格の有無はもちろんですが、やはり経験に応じて大きく異なってきます。
弊社に掲載された全会計事務所求人から割り出された平均年収は473万円となります。
そして年収の決定要因に大きく影響を与えているのは、3点の要素があります。
実務をどのくらいしているのかは、会計事務所に関わらず年収の決定要因になります。会計事務所に関しては、経験年数と年収は以下のようになります。
未経験 | 年収250万円〜300万円前後 |
実務経験 3年から5年 |
年収350万円〜450万円前後 |
実務経験 6年から10年以上 |
年収500万円〜700万円前後 |
資産税や国際税務といった特定分野のある会計事務所では、上記の平均を超えて高い年収を得られるケースもあります。
会計事務所の業務は専門性が高く、実務の経験年数が生産性に大きく影響を与えます。そのため転職の際も、実務経験年数は大きく年収に影響を及ぼします。
資格を有しているのか否かで会計事務所が払う年収は大きく影響を受けます。
特に「税理士」「公認会計士」には独占業務があり、資格の有無で提供できる価値が大きく異なります。
多くの会計事務所では、「税理士」「公認会計士」の資格を有する人を欲しており、市場価値も高くなるため年収は高くなります。
「税理士」の平均年収についてご紹介したいと思いますが、厚生労働省の発表する平成30年度の「賃金構造基本統計調査」によれば、
【税理士・公認会計士】
平均年収 | 892万円 |
平均年齢 | 38.6歳 |
毎月の給与額 | 56.4万円 |
年間賞与 | 214.9万円 |
※「税理士」と「公認会計士」の平均になりますので、
純粋に税理士だけの平均年収というのは発表されていません。
全職種の平均が460.3万円(毎月の給与額32.4万円・年間賞与71.5万円)であることを考えると、税理士はやはり高給取りといえる職種です。
出典:平成30年賃金構造基本統計調査 厚生労働省
出典:賃金構造基本統計調査の新職種区分における「公認会計士、税理士」の取扱について
厚労省の「賃金構造基本統計調査」によると、事業所規模によって、以下の通り給与の差があることがわかっています。(この数字は全業種で出していますので、会計事務所の数字ではありません。)
1000人以上 | 939万円(平均年齢37.4歳) |
100~999人 | 767万円(平均年齢36.9歳) |
10~99人 | 675万円(平均年齢44.6歳) |
つまり、会計事務所に限ったことではありませんが、年収を決めるのは職種や業種の内容もありますが、どのぐらいの組織規模に所属するかという部分も大きくウェイトを占めます。
同じスキルと経験を持った税理士であっても、所属する会計事務所によって、仕事内容も年収も変わってくるのです。一概に会計事務所の規模が大きければ、その分必ずしも年収が高いとは言えませんが、目安にはなります。 大手になればなるほど、優秀な税理士を集めようと年収などの条件を良くする傾向があるからです。
会計事務所の分類は大きく分けると以下の4つです。
事務所の規模が大きいほど、大企業をクライアントとした業務内容になります。BIG4のような大手の事務所だと、扱う案件が単なる記帳代行や税務申告だけでなく、国際税務や経営コンサルティング、M&A、事業再生など多岐に渡り高度なものが要求されます。そのため、クライアントからの報酬額も上がり、その分年収も高くなるというわけです。
士業・管理部門特化の転職エージェント(最速転職HUPRO)として様々な事務所や転職者からの情報をもとに、会計事務所のおおよその年収事情を年齢別にご紹介したいと思います。
平均年収:400〜450万円
会計事務所に勤める20代の税理士の平均年収はおおよそ400〜450万円が一つの目安と言えるでしょう。全業種の20代の平均年収が300万円前後ですので、高い給与水準となっています。税理士資格は難関であるため、20代で取得しているとかなり貴重な人材です。実際に全税理士の中でも、20代の割合はなんと1%未満となっています。
平均年収:450〜600万円
会計事務所に勤める30代の税理士の平均年収はおおよそ450〜600万円ほどです。ただし、30代になってくるとスキルや経験も人それぞれで、差が出てきますので、年齢で一概に括るのは難しくなってきます。
BIG4に勤めている税理士ですと、30代であれば年収1000万円に達している割合も一定数あります。また、小さい規模の会計事務所でも相続税を専門にしていたり、コンサルティング業務に強みを持っているなど、何かしらに特化した事務所ですと、スキルを持った税理士に対して高水準な年収条件を提示することも多いです。
平均年収:1000万円〜
会計事務所に勤めて40代以降になってくると、税理士として独立してる人の割合も多くなってきます。独立した場合、所長として年収数千万円を得る人もいれば、勤務時より全然下がってしまうケースも多々あります。独立後の年収は税理士としてのスキル以外にも経営者としての手腕も問われることになります。
最速転職HUPRO内に掲載されている、会計事務所の求人情報です。
是非確認してみてください。
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結論としては、
1.実務経験年数を積む。
2.資格を取得する。
以上を実践できれば年収が上がる可能性があります。
そして何より大事なことは、多くの年収を払ってくれる会計事務所へ入所することです。この記事を読み、自分の経験年数と資格を照らし合わせ、適正な年収かどうかを判断することをおすすめします。
今回は主に税理士資格がある方向けに、会計事務所の年収事情をご紹介しましたが、税理士資格を有していない人でも会計事務所で働くことはできます。
会計事務所の業務の中には、税理士の独占業務以外にも税理士業務の補助業務というのがたくさんあります。それらの業務は税理士資格を有していない人が、税務スタッフとして行なっております。
これから未経験で会計事務所への転職を目指す人の中には、「資格もなし、実務経験もなしで採用してもらえるのか不安…」と感じている方もいらっしゃるでしょうが、結論から言うとこの点は問題ありません。
会計事務所で働く人でも、税理士資格なし、実務経験もなしの状態からキャリアをスタートする方が一定数います。従業員が100名を超えるような大手事務所では科目合格や実務経験が必須となっていることもありますが、大多数の小規模事務所では資格なしの未経験者にも門戸が開かれています。
資格無しで実務経験も無い場合はやはり年収として250〜300万円程度となりますが、スキルと専門性をつけていけば確実に年収を上げていくことができます。
ただし、税理士試験はそう簡単な試験ではないので、働きながら合格を目指す人は、試験合格を後押ししてくれるような環境のある会計事務所を選ぶようにしましょう。
最も気になるポイントなのに、年収情報はなかなか調べにくいものです。この現状は会計事務所に限りません。
募集概要を見ても「事務所規定による」(あるいは何も書かれていない)といったような記載で「じゃあ実際いくらなのか」ということがわからないパターンも多いものです。かといって、問い合わせで「年棒はいくらですか」「給与はいくらですか」とは聞くことは困難でしょう。
結局のところ、勤務している人の情報が一番確実とも言えるのですが、そもそも聞いたところでそのようなプライベートな情報を教えてくれるかどうか疑問ですし、会計事務所の税理士は、その方のポジションによって年収の差が大きいため、自分が仮に入所できたとしてもその年収になるとも限りません。
本来であれば、入所前に自分が行う仕事と収入に対しては、はっきりさせておくのが望ましいのですが、これからお世話になる先に、お金のことをなかなか聞きづらいのが日本の企業文化です。
しかし、いざ入所してみたら年収が下がってしまった!ということだと、いくらやりがいのある仕事につけたとしても、かなり失望してしまうのではないでしょうか。
こうしたミスマッチを防ぐのに役立つのが転職エージェントです。 自分のキャリアをもとに、年収について「その経験で、募集しているポジションであれば、実際にいくらぐらいの年収になるか」といったような情報も転職エージェントであれば確認することができますし、場合によっては年収の交渉も行なってくれます。
転職を考えてみた時に、現在の年収は仕事内容に見合っていないと考えることが多いと思います。もし同じような仕事を他の事務所で行った場合に、自分の年収がどうなるのか?こうした疑問も転職エージェントで解消できます。まずは気軽に登録して相談してみてはいかがでしょうか。
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※当コラムに掲載されている年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」をはじめ、公表されている統計やデータに基づくものです