最近は、従業員の副業を認める会社も増えてきています。そして、この流れは、会計士の業界にも影響が出始めているのです。では、会計士が副業をするとすれば、どのような仕事が向いているのでしょうか。また、会計士が副業を始める際に気をつけるべきことはあるのでしょうか。今回は会計士の副業について解説していきます。
会計士であっても、勤務先の雇用主が副業に対して許可を出してさえいれば、他の職種の人と同じように副業をすることができます。ここ最近では、働き方改革による影響もあり、副業を認める会社が増加傾向にあります。これは、単に従業員に副業を許可するという意味合いだけではなく、従業員が副業をすることで本業では得ることのできない経験やスキルを得て、本業にも活かしてもらえるであろうといった考え方が広がっているからです。また、企業のイメージを良くするためでもあり、優秀な人材を確保するためといったような事情も関係しています。
会計士には副業がおすすめです。なぜなら、いずれ会計士として独立する場合、人脈は広ければ広いほど良いからです。また、幅広い他業界の知識や経験は、必ず将来に役立つでしょう。そして、会計士の仕事には閑散期と呼ばれる6月や8月のような業務が少ない月があり、そのような時期は収入が減るので、不足分の収入を得ることもできます。
では、会計士としての知識やスキルを活かした副業には、どのようなものがあるのでしょうか。会計士の副業として向いているものをご紹介しましょう。
個人事業主や小規模企業でのバックオフィスサポートが、会計士の副業として向いています。経営者の中には人手が足りずに悩んでいる人が多くいます。そのような経営者のバックオフィスを会計士がサポートすれば、業務がスムーズに進むだけではなく、業務効率化へのコンサルティングも受けることができるので喜ばれるでしょう。なかでも監査業務経験をもっている会計士であるなら、経営面での内部統制や業務効率化の知識を充分に備えているため、経営者の良きパートナーとなれるはずですので、やりがいも大きいはずです。
大学や専門学校などの場で、公認会計士試験についての口座や受験指導を行うといった副業があります。業務内容は講師から答案の採点まで幅広く、教材を作成するような場合もあるでしょう。会計士の資格はもちろん、資格受験の際の勉強経験などを活かし、受験生をサポートできる充実した仕事内容です。
企業において計算業務などの開示書類作成業務が滞っている場合、会計士がその業務をアウトソーシングするということがあります。会計士は、その開示書類の正確性や網羅性を確認したうえで、修正すべき点についてフィードバックを行うことがメインとなります。この副業の大きなメリットは、依頼企業にまで出向かなくても問題がないという点です。開示書類を受け取って期日までにフィードバックさえできれば、開示書類のチェック作業は自宅でもどこでも可能だからです。ニーズがあるようであれば、本業とうまく並行をして続けていける副業だといえます。
会計士の知識やスキルを活かし、会計に関するビジネス書や専門書を執筆することも可能です。また、もう少し気軽に、ウェブサイトや雑誌などに載せるコラムのような原稿の作成を請け負う副業もあります。また、自分自身で会計士の資格を取得するための勉強法テクニックなどをまとめたサイトを運営していると、出版社より執筆依頼が来る事例も多いです。執筆業は文章スキルが求められるので、好みや向き不向きがありますが、本業で培ったものをそのまま活かすことができる人気の副業となっています。
会計士が副業を始める際は、以下のような点を確認し、副業をスタートさせましょう。また、これは会計士に限らず、どの職種にも言えることでもあります。
勤務先が本業を認めているかどうか、よく確認をしてから副業を始めるようにしましょう。確かに社会の風潮としては副業が認められる流れにはなっていますが、もちろん副業を禁止するところも存在しています。就業規則に記載がないかどうか、確認しておくようにしてください。
副業は、名前の通り、あくまでもサブ的な業務です。副業に時間や手間がかかり、本業が疎かになってしまっては意味がありません。副業はあくまでも本業に影響が出ない範囲で続けられるものを選ぶようにしましょう。
会計士が、その知識やスキルを活かして副業をすることは、とても良いことであるといえます。ただし、会計士という本来の業務に支障の出ない範囲で行える副業であるべきですし、そもそも勤務先が副業を許可していなければ始めることができません。会計士が副業により、さらに知識や人脈を得ることは、将来に役立つことでもありますので、勤務先が許可をしているようであれば検討してみてはどうでしょうか。