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常勤監査役の仕事内容は?向いている人や求められるスキルも解説!

HUPRO 編集部
常勤監査役の仕事内容は?向いている人や求められるスキルも解説!

常勤監査役という役職を知っている人は多くないと思います。ですが、大会社や取締役会を設立している企業など、現在活躍している企業などで重要なポジションとなっています。

今回は常勤監査役の仕事内容や、求められる人物像などを分かりやすく解説していきます!

監査役とは

常勤監査役を説明する前に、そもそも監査役とはどういった役割なのか見ていきましょう。
監査役は株主総会で選任され、取締役の職務の執行を監査することと監査報告を作成することが基本的な業務とされています。監査には業務監査と会計監査が含まれます。業務監査は取締役の職務の執行が法令を遵守して行われているかどうかを監査します。会計監査は、定時株主総会に計算書類が提出される前に行われ、株主総会の招集が始まった時に、会計監査と業務監査の結果が記載される監査役会の監査報告書を株主に提供する業務を行います。

常勤監査役は当該企業の監査役を指し、他の社員と同様に出勤しています。常勤監査役は、長い時間勤めていることもあり、企業情報を周知しているので、効率よく調査や情報収集ができることがメリットです。しかし、客観性に欠ける場合がデメリットとしてあげられるため、外部に依頼し客観的視点を持って監査を行ってもらう場合もあります。

常勤監査役の仕事内容

監査役会がある目的として、取締役会の監査を行うことで、経営陣が会社を適切に運営していることを証明します。会社の経営リスクを第三者目線から明らかにし、客観的な保証を担保しています。そのための仕事内容として以下のものが挙げられます。

業務監査

業務監査は不正や不備の発見と未然に防止する組織機能の確認に加え、目標達成のための助言を行います。業務監査の手順は以下の通りです。

①予備調査実施
②監査計画策定
③本監査実施
④評価・報告書の作成
⑤監査結果の報告
⑥改善への助言と提案

監査結果をもとにした改善や効率化の助言により、製品・サービスの品質や収益を確保できる体制を維持し、適切な情報開示を行うことで、消費者や投資家の信頼を得られます。

会計監査

会計監査は企業や公益団体、行政機関等の計算書類や財務諸表などの内容が正しいか、独立した第三者が監査することが目的です。そのための仕事内容として以下のものが挙げられます。

①決算日に関係書類を作成
②監査
③取締役会承認
④定時株式総会における承認

取締役会では計算書等や付属明細書の承認が必要となります。そのため、会計監査の業務で、決算日に必要な書類(貸借対照表・損益計算書など)と付属明細書を作成します。また、同時並行で事業報告書などの監査も行います。

監査役が必要な会社の条件

常勤監査役が設置義務とされる会社があります。
資本金5億円以上または負債総額200億円以上の「大会社」や「取締役会」を設置している企業など、一定の条件を満たす企業は会社法によって必ず監査役を置くことが定められています。現在、多くの上場している日本企業でこの制度が採用されています。

監査役会設置会社は、取締役の業務を監査する仕組みがある株式会社のことを指します。この監査役会は、過半数の社外監査役を含む3人以上の監査役で構成される必要があります。業務を監査する役割を外部の取締役に任せることで、独立性を保ちながら経営の透明性を高め、会計の不正などを防ぐことが期待されます。

また、監査役会設置会社において3名の監査役が必要なのは大会社もしくは株式を公開している会社ですが、大会社でありながら公開会社に該当しない場合は、原則として1人以上の監査役を置く必要があります。これらも、法律によって設置が義務付けられています。

監査役会を設置するような規模の大きい会社では、監査に関する業務も多くなることが想定されるため、常勤者の設置が義務化されているのです。

常勤監査役と非常勤監査役の違い

常勤監査役とは、他に常勤する必要がある職務についておらず、その会社の営業時間中はその会社の監査役としての職務についている監査役のことをいいます。対して、非常勤監査役とは、常勤監査役以外の監査役のことをいいます。非常勤監査役は他の仕事などの経験や知見を活かし、取締役会や監査役会で監査役として適切な助言や提案を行ったりします。そのため、月に1,2回は会社に出社することが多いようです。

なお、常勤監査役と非常勤監査役の権限と責任の範囲に違いはありません。

常勤監査役に向いている人

→常勤監査役に向いている人の例として、以下の2つを紹介します

知識が豊富

法・会計に知識のある方は、常勤監査役として適しています。監査役は社内のコンプライアンス体制やガバナンス体制を整える必要があります。こうした体制整備のためには、会社法のほか、コーポレートガバナンス・コードなどの様々な基準をもとに整理し、実際に運用していく能力が求められます。法や会計の観点から、企業の実態を対比させ、企業内部を適切に評価することが可能です。そのため弁護士や公認会計士が大いに活躍できる仕事の一つですし、社労士・行政書士・司法書士なども活躍できます。

特に常勤監査役に向いている人の特徴

常勤ということから、勤務日数や勤務期間をその企業に専念することになります。非常勤監査役と違い、よりその企業に対しての知的好奇心や貢献したいという気持ちは前提として大切になってきます。その上で常勤監査役は経営層との関わる機会が多いため、信頼を得られるようなコミュニケーション能力が必要になります。
常に自身の会社で勤めていると、客観的視点が失われがちです。監査役は企業の業績やリスクを理解し、業界の関連知識やトレンドの情報を精査し把握する必要があります。ですので企業の利益とは別に客観的かつ中立的な立場でものを考えられる人が向いています。

常勤監査役の年収相場

常勤監査役の年収相場としては、週5勤務とすると750万〜1500万となっています。しかし、常勤監査役は相場の報酬よりも大きくずれる可能性があります。
その原因として、監査をする企業で大きく差が出る点が挙げられます。いわゆるプライム市場の企業での監査役の7割が1000万から2500万円程度の年収となっています。それに対して、IPO準備段階の企業の約3割が年収250万円から500万円です。ただし、IPO準備段階の企業は上場後、大きな額の年収アップが期待できることなどから、ひとえに低いとは言えません。そうはいっても、常勤監査役は勤める職場で大きく年収が変わってくるということは事実です。自身の実力と職場をしっかりと見極めることは大切になってきます。

まとめ

常勤監査役は業務や会計の監査を行う仕事です。もし監査の仕事に興味があれば、転職エージェントを活用していただくのがオススメです。そのため転職エージェントを活用するのがオススメです。ヒュープロは、士業や管理部門に特化した転職エージェントで業界最大級なため、自身にあった企業が見つかりやすくなっています。勤めたい企業などの書類添削や面接対策なども無料でサポートしているので、気になった方は下のリンクから登録してみてください。

この記事を書いたライター

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