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事業会社で働きたい!公認会計士が活躍できるキャリアとは?現役会計士が解説します!

HUPRO 編集部
事業会社で働きたい!公認会計士が活躍できるキャリアとは?現役会計士が解説します!

公認会計士のキャリアパスは年々多様化しており、事業会社内で活躍する会計士も年々増えております。今回は現役公認会計士が、事業会社内での会計士のキャリアパスについて、コーポレート、事業所ごとにキャリア選択肢別に詳しくご紹介します。

1.メジャーになりつつあるキャリアパス「事業会社」

年々事業会社で働く会計士は一気にメジャーになったように思います。
公認会計士協会においても組織内会計士ネットワークが協会内の主要な分会として定期的に企画を開催して交流を深めています。

事業会社で働く公認会計士はどのようなキャリアパスを構築していくものなのでしょうか。もちろん事業会社や公認会計士毎に十人十色ですが、「製造業の上場企業で働く公認会計士」の一人である筆者の観点から、想定される選択肢やポイント等をご紹介したいと思います。

2.事業会社における活躍フィールド例

はじめに、事業会社の組織の中では、公認会計士にどのようなキャリアの選択肢があるのか?5つの例を挙げておきます。

(1)コーポレート:財務部門

財務といっても色々な業務がありますが、「経理」「決算」「予算」「税務」「資金」等の区分ごとに部署が分かれていることが多いです。会社によってはIRや経営企画の業務を一部担うこともあります。公認会計士としての能力との親和性が非常に高いフィールドになります。

経理部門での公認会計士の働き方に関してはこちらの記事で詳細に紹介しています。

(2)コーポレート:財務部門以外

財務部門以外にも、公認会計士が活躍できるフィールドは色々あります。定番は内部監査部門かと思います。監査の知見を活かすパターンです。それ以外にも経営を財務面から俯瞰する強みは経営企画部門でも有効ですし、FAS業務の経験は新規事業開発等を行うような部署でも活躍が期待されます。

(3)事業部:製造部門

事業所とは直接的な事業活動を担う組織をイメージしてもらえばよいです。そのバリューチェーンの中でも最もスタートに近い製造部門、いわば工場に配属となることが考えられます工場で担う役割は製品あるいは製品グループの原価管理が中心ですが、工場という小さく完結した組織で人事総務系の業務を担うことも多いです。管理職予備軍となれば採用活動や評価の一部を行う場合もあります。

(4)事業部:販売部門

同じ事業所の中でも、バリューチェーンのゴールに近い、まさに売上を獲得する販売部門に配属となる場合もあります。ノルマというと古い言い方になってしまいますが、営業所や社内カンパニーごとの業績管理、あるいは販売チャネルごとの採算管理等、より営業活動に特化した業務が増えることになります。コーポレートで行う管理会計に比べてよりタイムリーかつ現場目線の「柔らかい」情報提供が望まれます。

(5)事業部:出向・海外駐在

コーポレートから離れた子会社という組織でマネジメントに近い業務を担うことも考えられます。連結全体よりも一回り小さな組織で、会社というものの仕組みを広く理解することができます。出向先・駐在先の規模によりますが、小規模であったり立ち上げ間もない 子会社である場合は、CFO補佐のようなポジションで若くして行くケースもあります。

3.事業会社内のキャリアパスの考え方

公認会計士として、事業会社の組織・選択肢を受けてどのようにキャリアパスを考えるべきでしょうか。一般的なキャリアプランの考え方は十分ご認識かと思いますのでここでは事業会社の仕組みを踏まえた上での留意点やポイントをご説明したいと思います。

(1)基本は他の同僚と同じ土俵

残念ながら、多くの事業会社は公認会計士を特別扱いしてくれるわけではありません。強みの一つとしては評価されますが、キャリアで何か優遇する制度があるかというと少ないです。

したがって、公認会計士という資格に頼り過ぎず、優秀な同僚たちと切磋琢磨する心持ちで成果・信頼を積み上げることが基本です。

(2)いつどこでどの職責を経験するか

財務人材でも、事業会社では3年前後でのローテーションが行われることが最近は多いようです。経営層でない限り管理職も含まれます。それを想定した上で、「この時期にどこで何を経験したいか」を前提に、ローテーションを組むことが効率的だと思います。

たとえば20代後半の3年間は工場で川上の製造現場を知りつつ、次は販売会社で川下の営業活動を理解し、30代半ばには海外駐在でCFOとしての総合力を高める、というようなイメージです。

(3)公認会計士という肩書をどう生かすか

公認会計士であるということだけで十分な色付けにはなりますが、せっかくなら主体的に活用しましょう。

会計・監査の知識は監査法人では常識ですが事業会社では違います。研修などいわば社内営業をしてもよいですし、公認会計士同士の横のつながりを利用して他社の知見をシェアしても良いと思います。

事業会社にとって「流出されては困る人材」と認識してもらうことが、キャリアパスの主体的な設計を可能にするはずです。

4.最後に。後悔しないキャリアパスのために

筆者は現職の事業会社に約4年間所属しています。最初の3年弱で販売会社に出向し事業管理業務を経験し、現場の具体的なイメージを持った上で、現在のコーポレート(連結予算管理部門)に携わっています。キャリアパスにあたって意識していることは、以下の2つです。

①3年ローテーショ ンを目安に後悔ないようやりきること
②ただの玉突き人事では流出も辞さない人材と思わせること

せっかく公認会計士として幅広い選択を得たのですから、たくさんいる優秀 な同僚のワンオブゼムになることがないよう、後悔のない事業会社キャリアパスを歩んでください。

その他公認会計士としての事業会社以外のキャリア/転職先を考えている方はこちらの記事をご覧ください!

この記事を書いたライター

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