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経理転職のタイミングは求人が増える決算の1~2か月前がおすすめ

HUPRO 編集部
経理転職のタイミングは求人が増える決算の1~2か月前がおすすめ

転職において、いつから転職活動を始めるのかは重要です。特に経理には決算という繁忙期があります。この決算期を乗り切るため、実は各社こぞって求人を出すタイミングがあるのです。経理の転職では、これは逃すことの出来ない機会。今回は、経理が転職活動を行うべきタイミングについて解説していきます。

経理転職のベストタイミングは求人が増える時期

経理の求人は、決算期の1~2か月前、または株主総会の後に多く出てきます。1年の中で、その時期は転職活動をするのに良い時期であると言えます。

転職は、転職市場が活性化しているタイミングで転職活動を行うことが重要。求人が多く出ていると他の企業と比較の上入社する会社を選ぶことができるためです。

募集している会社が少なければ、限られた選択肢の中から次の会社を選ぶことになります。ここしか選べないからといって何か労働条件を妥協したり、諦めたりする必要が出てしまうかもしれません。そうならないためにも、多くの会社を比較・検討することができるタイミングに転職活動をすることが大切です。

また、求人が多く出ていると、他社との差別化のため良い条件の求人が出される確率も上がってきます。今より良い会社へ転職をしたい方は、転職市場が活性化しているタイミングで転職活動を行うようにしましょう。

決算の1~2か月前(1~2月・7~8月・10~11月)

経理は、季節労働者とも言われています。その理由は、3月や9月の決算期に膨大な量の仕事をこなす必要があるから。決算の季節に集中して働く必要があるため、季節労働者と表されています。

そのことからもわかるように、会社にとって経理が一番必要となる時期は決算期です。決算を無事乗り越えるため、決算期までに会社は経理部門の人員を充足させておく必要があります。そのため、経理の求人は決算前の入社がギリギリ叶う、決算の2か月前に多く出される傾向にあります。

年度末(3月)決算の2か月前、つまり1~2月にかけての期間、経理の転職市場は活発な動きを見せます。経理一番の大仕事に向け、人員補充を考える企業が多く出始めるためです。
それに加えて、一般的に12月末は退職者が増える傾向にあります。この時期は、年内に退職をし、新年から次の会社で働こうと考えている人たちが会社から去っていくタイミング。そのため、この1~2月は経理以外の求人も出やすい時期と言えるでしょう。

1~2月と同じ理由により、半期(9月)決算前の7~8月も比較的経理の求人数が増えるタイミングです。12月決算の多い外資系企業では、10~11月に募集が出ていることもあります。

株主総会後の6~7月

株主総会後の6~7月も、経理の求人が増える傾向にあります。株主総会が終わることで前期が終わったと考える会社が多いため、新年度に向けた求人が活発する時期になります。

また、経理にとっても、株主総会の終わりは前期の仕事が一区切りしたと言えるタイミング。経理部内で次期の繁忙具合や人事マネジメントについて、落ち着いて考える余裕のある時期と言えます。そのため、6~7月も経理の転職において狙い目の時期の一つとなります。

経理未経験からの転職なら決算期・繁忙期を避ける

決算期は、経理の求人が減少する傾向にあります。その理由は、決算で忙しく採用に割く時間が作れないためです。

決算期の経理は忙しく、採用のための募集要項を確認したり、面接を行ったりする時間を取ることができません。採用の時間を捻出する余裕が決算期の経理にはないため、この時期は他の時期に比べて求人数が少なくなっているのです。今後の経理としての経験をしていく上で、繁忙期の入社は遠回りになりかねませんので、上記で紹介した時期に入社することをオススメします

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即戦力としてキャリアアップを目指す場合

上記で紹介したオススメの時期については、経理未経験者や経理中級者レベルの方向けにご紹介しましたが、求人が多い時期と差が生じることに注意してください。

例えば3月決算法人の経理の求人は、繁忙期である5月・12月・1月の2月前ぐらいから多くなる傾向にあります。最初にも述べたように、経理職はここ数年売り手市場の傾向にあります。この原因の一つとして最小限で人員配置されがちな経理部門の特徴があります。繁忙期の直前になると、万が一の人員不足に備えて経理部門の求人が募集されるケースが多いのです。

経理熟練者の方は、この繁忙期に入社して即戦力としてキャリアアップを目指すのも良いかもしれません。

転職するタイミング次第で変わる経理の仕事

経理職の経験がある方にとって、1年間を通して様々な業務があることはご存じでしょう。業界未経験の方にとっては経理とは一体どんな事をするのか未知の世界のことだと思います。
 
基本的には1か月の業務を覚えてしまえば、×12月とルーティーンで業務が進行しますが、ある一定の月にしか発生しない業務もあります。
 
今回は3月決算法人(5月申告)を例にみていきましょう!
※法人の場合、決算月は自由に決定できるため、5月決算法人や12月決算法人といった法人も存在します。また、個人の事務所やクリニックなどは、決算月は12月と決められていますのでその場合は下記のスケジュールを調整して確認してください。

●毎月の基本業務
①現預金管理
②請求書、領収書の作成
③仕入、売上管理
④月次決算
⑤給与計算 など

●各月の特定業務
・4月の経理業務
①軽自動車税、固定資産税・都市計画税第1期分の税金納付

・5月の経理業務
①法人税等、消費税等(課税事業者のみ)の確定申告と納付
②自動車税の税金納付
③株主総会の招集

・6月の経理業務
①株主総会の開催

・7月の経理業務
①源泉所得税の納付(納期特例を受けている場合)
②固定資産税・都市計画税第2期分の税金納付
③健康保険、厚生年金保険の定時決定

・8月の経理業務
①消費税等の中間申告と納付(一定の企業のみ)

・11月の経理業務
①法人税等の中間申告と納付(一定の企業のみ)

・12月の経理業務
①年末調整
②固定資産税・都市計画税第3期分の税金納付

・1月の経理業務
①固定資産税の償却資産に関する申告
②源泉所得税の納付(納期特例を受けている場合)
③法定調書の提出
④給与支払報告書の提出
⑤支払調書の作成

・2月の経理業務
①固定資産税・都市計画税第4期分の税金納付
②消費税等の中間申告と納付(一定の企業のみ)

・3月の経理業務
①棚卸

3月決算法人の場合は上記のような年間スケジュールとなります。
申告月である5月・6月あたりや、年末・年初である12月・1月あたりには特別業務が多くありますので、繁忙期となります。一方、9月・10月は特別業務がなく基本業務だけとなりますので経理としての閑散期となります。

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転職するタイミングが分からない人は転職エージェントは活用すべき

転職市場が活性化するタイミングと言われても、今がそのときなのかどうか見極めるのは自分ではなかなか難しいですよね。そんなときは、転職エージェントを活用するようにしましょう。転職エージェントには、日々経理の求人情報が入ってきます。彼らにとっては、今が求人の多い時期なのか少ない時期なのかすぐにわかります。

また、月次決算や四半期決算になると、経理にはどうしても面接に行くことが難しい期間が発生してしまいます。そんなときも、転職エージェントを通していれば面接先企業との日程調整をエージェントにすべて任せてしまえます。日々締め切りに追われる経理だからこそ、転職の面倒な部分は転職エージェントに任せてしまい、ベストな転職活動ができる体制を整えましょう。

経理として何年経験を積めば転職のタイミング?

ここまで年間を通して、季節的な転職のタイミングを考えてみました。では、最後に経理職としてどのぐらいの経験年数を積めば、転職のタイミングとして適切なのか考えてみましょう。①3年未満②6年未満③10年未満④10年以上の4つに分けてみます。

①経理経験3年未満の転職について

まず、経理経験3年未満であれば「経理に抵抗感がない人物」という扱いになります。経理経験は3年で仕訳が一通り理解されていると考えられますが、1,2年経理担当者であった人は経理用語を聞いても拒否反応がない人として、全くの素人よりははるかに良いだろうという採用枠になります。
よって、経理経験3年未満であれば、通常のルーティーンの仕訳作業であれば特に問題なく任せられるだろうという評価となり、プレイヤーとして扱われます。

②経理経験6年未満の転職について

経理経験がこれくらいとなるとルーティーンを抜け出して決算整理仕訳や申告書作成等も含めた一通りの決算を任せようか考えられる時期となります。既に前職でこのような業務を行っていれば即戦力として扱われますし、そうでないとしてもこれから一通り覚えてもらえるだろうという期待の元採用される可能性があります。どちらにしても経理のキーパーソンの一人としての採用となることでしょう。

③経理経験10年未満の転職について

経理経験がこれくらいとなると、管理業務も含めて経理全般を扱えるだろうという評価となります。大企業であればどこかの専門部署でのプレイヤーとして扱われますが、ベンチャー企業では責任者としてのポジションも考えられます。
今までオールマイティに働いてきており、ベンチャー企業の経理責任者としての採用となる場合はプレイヤーとしての役割とマネジメントしての役割の両方を担うこととなります。

④経理経験10年以上

経理経験が10年以上となると、業界ではとても重宝される存在となります。大企業ではそれでも担当者の一人となってしまいますが、中堅の上場企業を含め中小企業ではどんなポジションでも募集の枠があると言えるでしょう。
ただし、今まで上場会社で働いてきたか中小企業で働いてきたかで採用されるかどうかにも違いがあります。株式公開するような企業であれば上場会社としての経理を知っている人を採用したがる傾向にあるためです。しかし、中小企業で働いてきたとしても、これから上場会社の経理や開示書類について積極的に勉強ができ、監査法人や顧問税理士からうまく情報を引き出す能力がある人材であれば、思ってもみないポジションで採用されるかもしれません。

まとめ

今回は経理転職のタイミングについて解説していきました。経理として大変な業務は少なくはありませんが、やりがいもあり、達成感のある業務も多くあります。忙しい時期もありますが、順調に業務をこなしていくため最適な入社時期を見極めていきましょう!
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