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経理は忙しい?繁忙期のタイミングと乗り切るポイント、業務効率化のコツを伝授します!

HUPRO 編集部
経理は忙しい?繁忙期のタイミングと乗り切るポイント、業務効率化のコツを伝授します!

皆さんは経理の仕事に対して「忙しい」というイメージをお持ちでしょうか?実は経理は繁忙期の業務量が増えて忙しくなる一方で、しっかりと対策を取れば働きやすい職種でもあります。では、経理の繁忙期と閑散期はいつなのでしょうか?本記事では繁忙期を乗り切るポイントや業務を効率化するコツも併せて解説します!

経理の繁忙期はいつ?年間スケジュールと併せて解説

3月に決算がある企業における経理の、年間の業務スケジュールと繁忙期・閑散期のタイミグは以下の通りです。

経理の繁忙期は「3月~6月」と「12月~1月」

一般的に経理の繁忙期は3月~6月12月~1月と言われています

1.決算関連業務を行う3月から5月と株主総会がある6月

1年の会社の業績をまとめる業務が年次決算業務です。それまでの決算残高を確定させて、決算書の作成を行います。これによって、売上や原価を確定することができます。

決算期末には実地棚卸を行います。会社の所有する現物について数量や種類を確認していき、棚卸資産の残高を確定します。実物をチェックすることによって、帳簿に記録されている内容とのズレを確認することが大切です。

また、株式会社の場合は会社規模や上場非上場に関わらず、株主総会を開催する必要があります。株主総会では主に株主に向けて前年度の決算報告や今後の事業計画の報告を行います。そのため、3月に決算を迎える企業の多くが、決算処理が一通り終わった6月に株主総会を開催します。それに伴い、株主総会の報告書作成などの業務が発生し、6月も繁忙期となることが多いです。

2.年末調整業務を行う12月から1月

12月には年末調整を行わなければいけません。それぞれの社員の納めるべき税金の金額と実際に納税した額とが一致しない場合には、年末調整をすることで過不足分を精算します。それぞれの社員について経理が年末調整をする必要があるため、かなりの作業量となり、12月は繁忙期になりやすいです。

経理の閑散期は「2月・8月・9月・11月」

経理の閑散期は、2月・8月・9月・11月です。
閑散期については、基本的に日次業務に加えて月次決算のみになるため、月末に多少忙しくなることがある程度です。多くの業務は定時内に終えることができるでしょう。従って、繁忙期を過ぎてしまえば、落ちついた環境で働くことができます。

経理はなぜ忙しい?

経理の繁忙期と閑散期のタイミグはわかりましたが、一般的に経理が忙しいと言われる理由はどこにあるのでしょうか?

年次・月次・日次の業務が重なるタイミングがある

経理の仕事を大きく分けると「日次業務」と「月次業務」と「年次業務」の3種類がありますが、このうち、日次業務と月次業務は基本的に毎月発生する業務であり、こちらは特別に忙しくなることはありません。毎月、安定した量の仕事をこなしていくことになります。
一方、年次業務は1年に一度のイベント業務になるため、業務量も多くスケジュールも厳密に決まっています
そして、月次業務と年次業務が重なる時期は、その分だけ経理の仕事の負担が増えるため一般的に繁忙期となります。
特に、年次決算は1年の締め括りでもあるため、重要かつ多忙となりやすいです。

決算でやること

決算とは、各会計期末に勘定記録を計算整理し,当該期間の経営成績を明らかにするために損益計算を行ない、当該期末の財政状態を明らかにするために資産,負債,資本の金額を計算するときの会計上の一切の手続きのことを言います。簡単に言えば、決算とは、算(計算)を決(決定)めることを意味するので、今年儲かったのか、それとも損をしたのかを計算するための一連の手続きのことを言います。

決算を迎えると、経理担当は次のような作業を行わなければなりません。

①仕訳と転記の正確性のチェック
②記録と事実の整合性のチェック
③帳簿の締切
④損益計算書と貸借対照表の作成

多くの企業は、3月31日もしくは12月31日を決算日として設定しています。経理部の人は、決算日時点で、総勘定元帳におけるすべての勘定の金額を集めて、試算表(trial balance)を作成しなければなりません。そして、試算表を作成することによって、上記の①の作業が完了することになります。

各勘定の借方と貸方を相殺することで、その残高を集めたのが残高試算表です。残高試算の借方と貸方の合計額が一致すれば、正確性は確認されたと考えることができるので、続けて上記②のチェックを行います。

たとえば、帳簿上は期末の商品有高が100個となっていたとしても、実際には盗難のせいで商品が98個しかないような場合もあります。

この場合には、事実に合わせて帳簿の記録を修正しなければなりません。この手続は、一般に決算整理と呼ばれます。決算整理が終わると、帳簿の締切が行われ、収益と費用の勘定が損益計算書としてまとめられ、資産・負債・純資産の勘定が貸借対照表に要約されることになります。

中間決算・四半期決算・会計監査対応

下記の業務については、すべての会社で行っているわけではありません。

・中間決算、四半期決算
・会計監査対応
・税務調査対応

これらの業務に取り組む時期も繁忙期になります。たとえば、中間決算などは義務があるわけではなく、行っている会社とそうでない会社があります。会計監査対応については、上場企業のみが行うべき業務です。税務調査は、税務署から連絡が来たときに行われる業務であり、イレギュラーな仕事といえます。

締め切りがタイト

経理の仕事には締め切りがタイトな業務が多く含まれます。特に、税金や保険料の納付、確定申告などの公的機関へ提出するものに関しては締め切り期限が決まっており、これらの期限が近づいてくると、どうしても通常業務が圧迫されてしまうことになります。

スキル・知識不足で業務効率が悪い

これは人によって左右されるため、一概にそうと言えるわけではありませんが、経理業務には簿記などの会計知識に加えて計算力やPCスキルなどが必要になります。資格を持っていたとしても実務経験が少ない方だと、定時までに業務を効率的に消化することができず、そのしわ寄せとして残業が発生してしまうということは往々にしてあり得ます。

繁忙期に経理担当が抱える課題

繁忙期には多忙ゆえに様々な課題が発生しやすくなります。具体的には以下の3つの課題が主な課題として挙げられます。

①業務量の増加
②残業の増加
③ミスの増加

1つずつ見ていきましょう。

①業務量の増加

前述の通り、繁忙期には日次・月次・年次の業務がまとめて襲い掛かってくるため、どうしても通常の業務量と比べて作業量が増加してしまいます。特に年末調整や経費精算業務など、他の従業員からの回収業務などが絡むと、従業員数が多くなればなるほど作業量も増加しますし、回収業務にも時間がかかってしまいます。速やかに提出してくれたら少しは楽になりますが、従業員によっては期限ぎりぎりまで必要書類を提出しない方や、遅れて提出する方も存在するため、そうなるとより期日がタイトになってしまいます。

②残業の増加

業務量の増加に伴い、残業も増えやすくなります。
特に前述したような業務効率の悪い方の場合、より業務の処理に時間がかかってしまい、結果的に残業の増加に繋がります。また、経理業務は専門的な知識や経験が必要になることから、属人的になりやすい傾向があります。例えば、決算の取りまとめのように行える人が限られている業務だと、特定の方に業務量が偏ってしまい、残業時間が増えてしまいます。

③ミスの増加

業務量が増えると、当然ミスも発生しやすくなります。特に期日に追われている状態だと、精神的な焦りや残業の増加による肉体的な疲労により、1人1人のパフォーマンス低下に繋がります。また、業務量が多いことで連係ミスやチェック漏れなどのヒューマンエラーが起きやすくなり、1つのミスをカバーするためにさらに業務量が増えるという、まさに負の連鎖が起きてしまうのです。

繁忙期の負担を軽減するためのポイント

では、繁忙期の負担を少しでも軽減するためにどのような対策を取れば良いのでしょうか?

1.業務の優先順位を決めて計画を立てる

前述のように、経理の繁忙期は業務量が増える一方で、繁忙期の時期や業務内容がある程度決まっているため、事前に計画を立てることが可能です。繁忙期には複数の業務を期間内で消化する必要があるため、無理に全てを同時進行するのではなく、期限がタイトな業務や直ぐに終わらせられる業務など、業務に優先順位をつけて効率よく処理していきましょう。具体的な業務量が不透明な場合は、カレンダーアプリなどを使って、日次で「どの時間にどの業務を行うのか」などのスケジュール管理をすることもオススメです。

2.閑散期に準備をしておく

先ほどもお伝えしたように、繁忙期には複数の業務が同時に発生するため、閑散期の内に事前の準備をしておくことで、閑散期を上手く乗り越えやすくなります。特に、前述のような人的ミスは余分な業務の発生を引き起こすため、閑散期の間に業務フローの見直しや、属人化してしまっている業務を明確にすることで、繁忙期のミスを最小限に抑えることができるでしょう。

会社として従業員のために取れる対策

どんな企業の経理にとっても、繁忙期の忙しさは避けられないものです。ただし、さまざまな対策を取ることによって、繁忙期の忙しさを軽減することはできます。どういった対策が考えられるのか紹介しましょう。

1.システム導入による業務の一部自動化

自動化ができるものに関しては、すべてシステム化を進めたほうがよいでしょう。そのほうが仕事の効率を上げることができ、ミスを防ぐこともできます。最近は経理の仕事に関するソフトがたくさん登場していて、繁忙期にはとても役立ちます。

2.経理業務の外注

特に中小企業の場合は、経理のスタッフが不足していることがあります。この状態で繁忙期を迎えてしまうと、経理への負担がとても大きくなります。そこで、繁忙期に限定して業務の一部をアウトソーシングするという方法があります。

アウトソーシングすることで、業務の社内負担を減らして従業員の不満を解消することはもちろん、クオリティーに関しても改善が見込めるので是非検討してみると良いでしょう。

3.ペーパーレス化

今では多くの企業が取り組んでいますが、請求書や契約書などの書類は紙で扱われることが多いため、これらをそのまま紙で保管してしまうことで、業務効率の悪化や人的ミスの誘発につながるため、極力ペーパーレス化を進めてクラウド上でデータ管理を行うようにすれば、経理業務を軽減できるでしょう。

繁忙期の負担が少ない求人の選び方

個人でできる対策にはある程度限界があるため、残業を減らす最も手っ取り早い方法が、残業の少ない会社に就職することです。
最後に、経理業界に特化して多数の求人を取り扱う転職エージェントが、繁忙期の負担が少ない求人の選び方をお伝えします。

希望条件で絞り込む

求人を検索する際に、「求人の特徴」や「こだわり条件」の欄で「残業少なめ」や「基本定時退社」などのワードで検索してみましょう。残業時間については、福利厚生の欄に記載がある場合や、仕事内容の欄でこっそり書いてある場合もあるため、注意深く読んでみましょう。

また、離職率で見ることも1つの手です。やはり残業や業務量が多い企業は離職率が高くなる傾向にあるため、「離職率5%未満」などの記載がある企業は繁忙期でも残業がそこまで多くないか、業務がしっかりと効率化されており、働きやすい環境であることが多いです。そのため、離職率にも着目してみるものオススメです。

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経理の繁忙期前は求人が増える時期でもある

繁忙期の経理は忙しく、採用のための募集要項を確認したり、面接を行ったりする時間を取ることができません。採用の時間を捻出する余裕が繁忙期の経理にはないため、他の時期に比べて求人数が少なくなっています。経理の求人を探す場合は、繁忙期を避けるようにしましょう。

ただし、繁忙期に即戦力となる人材の求人が出る場合もあります。経理としてキャリアアップを目指す場合には、繁忙期の求人にも目を通しておきましょう。

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まとめ

今回は経理の仕事の繁忙期についてまとめました。経理の仕事には月次業務と年次業務があり、年次業務の行われる時期には、どうしても仕事が忙しくなります。事前にしっかりと対策や準備を進めておき、繁忙期の忙しさを軽減するとよいでしょう。また、そもそも繁忙期の負担が少ない環境に身を置くことも重要なので、今の職場で業務量の多さに追われている方やこれから経理を目指そうと考えている方は、是非一度、経理専門の転職エージェントであるヒュープロにご相談ください
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この記事を書いたライター

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