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監査法人のパートナーとは?どのくらいの地位の人?

HUPRO 編集部
監査法人のパートナーとは?どのくらいの地位の人?

監査法人のパートナーとは、一般企業でいう地位を表している言葉なのですが、どの程度の地位を指しているものなのでしょうか。また、監査法人のパートナーにとって1番重要だと言える仕事とは、どのような仕事なのでしょうか。今回は、監査法人のパートナーとはどのくらいの地位の人なのかについて解説していきます。

監査法人のパートナーとは?

監査法人のパートナーとは、共同経営者です。監査法人の共同経営者とは出資者でもあり、また経営者でもあることを意味します。

一般企業の場合は、出資者は株主であり、経営者は役員となり、別の立場を保っています。パートナーは共同経営者となるので、監査法人のマネジメントにも関わっていきます。そして、経営者として監査法人の進むべき道の舵取りをするのです。監査法人では、公認会計士が協同で出資をしている法人であるので、役員と株主を兼任したパートナーという地位があります。つまり監査法人は、出資者と経営者が同じであるという特徴をもっているのです。

監査法人に入社した当初はスタッフとして3年ほど働き、そこからマネージャーに昇進をして5年ほど働き、さらにシニアマネージャーに昇進をして5年ほど、次にパートナーとなり、パートナーの上にはシニアパートナー、そして理事、理事長という地位もあります。

早ければ入社して15年ほどでパートナーになることができるので、30代後半でもパートナーにまで昇進することが可能です。とはいっても、監査法人も昔に比べると昇進しにくくなり、出世競争が始まっていると言われています。

それでも、30代の世代で監査法人に残り働き続ける人の半分程度がパートナーにまで昇進できるので、一般企業と比較すると、まだ圧倒的に出世競争は少ないといえるでしょう。

一般企業の場合は、従業員は平社員から係長や課長へ、そこから部長、役員へと昇進していきます。ところが、大企業では課長にまで昇進できる人が従業員全体の半分ほど、役員まで昇進できる人となると、社員の1%未満とも言われるほどの激しい出世競争が行われているのです。このように監査法人のパートナーは、公認会計士の魅力的な地位だと考えられています。

監査法人のパートナーにとって1番重要な仕事とは?

監査法人のパートナーの1番重要な仕事としては、監査報告書にサインをすることです。このサインをすることというのは、会社が作成をした財務諸表について、適正に作成されている旨を公認会計士が保証するという意味をもちます。つまり、公認会計士による監査の結果、この財務諸表に不正などはなかったということを公に保証することになるのです。

もちろん、この時に粉飾決算を見逃してしまっていたような場合は、公認会計士の責任が問われることになります。とはいえ、公認会計士には、東京地検特捜部のように強制捜査件を駆使するような権限はないため、企業に巧妙に隠蔽されていたために発見できなかったような場合は、公認会計士としての責任を問われるようなことはありません。つまり、監査報告書へのサインは、責任が伴うことであり、その分やりがいも大きなものなのです

監査法人のパートナーにとって1番重要な仕事とは?

監査法人のパートナーの待遇面

監査法人でパートナーになれれば、年収1,500万円ほどの収入が得られます。また、監査法人や個人の実力次第によっては、さらにこの年収は高くなっていくでしょう。福利厚生に関しては、一般企業に比べると充実していない部分もありますが、その分報酬が高いという傾向があります。

ただ、監査法人は年功序列ではないため、在籍年数に関係がなく、パートナーになれる見込みのない公認会計士もいます。ちなみにパートナーとして抜擢されやすい人としては、会計士としてのスキルだけではなく、リーダーシップ社交性精神面でのタフさ組織のトップとしてふさわしいかどうかという点が評価対象となります。

パートナーとして退職をした後は、多方面の組織の顧問またはアドバイザー、大学教員なといった職業に転身することも可能です。監査法人の退職金はあまり多くはなく、百万円単位となる場合が多いのですが、パートナーにまで昇進できると千万円単位、または1億円近くにまで跳ね上がるケースも見られます。

まとめ

監査法人のパートナーとは、高い地位の人を指していることがわかりました。それだけに責任ややりがいも多く、退職金の額も桁違いです。とはいえ、簡単に監査法人のパートナーになれるほど甘いものではありません。公認会計士の頭脳明晰な知識の他にも、リーダーシップや精神面でのタフさ、そして社交性、トップの人間として相応しいかどうかといったことが考慮され、昇進が決定するのです。監査法人で働くのであれば、とりあえずパートナーになることを目標に、日々の業務をこなしていくといいでしょう。とにかく目の前にある仕事を的確に丁寧にこなしていくこと、これが昇進への近道です。

この記事を書いたライター

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