士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

【2025年最新】 公認会計士の年収の現実|他職種と比べて平均年収は高い?

Hupro Magazine編集部 川辺
【2025年最新】 公認会計士の年収の現実 他職種と比べて平均年収は高い?

「公認会計士の年収はどれくらい?」と気になる方は多いでしょう。公認会計士は三大国家資格の一つで、高収入が期待できる職業ですが、具体的にどのくらい稼げるのか、どのように年収が変動するのかを知りたいですよね。本記事では、公認会計士の平均年収やキャリア別の収入、年収アップの方法について詳しく解説します。

公認会計士の平均年収

厚生労働省のHPによると令和5年(2023年)の公認会計士の平均年収は約746万円で、日本の平均年収である461万円に比べると、約300万円ほど高くなっております。
これはあくまで平均年収であり、独立開業して間もなかったり、既に定年を迎え正規雇用ではない方も含まれます。もちろん、高年収の基準ともいえる1,000万円も狙うことができます。
参照:職業情報提供サイト(日本版O-NET)

ここから、年齢差・男女差・雇用形態の差など様々な観点から平均年収を比較していきます。

年代別に見る公認会計士の平均年収

公認会計士は年齢や経験に応じて年収が変わるため、20代から平均年収以上稼げるとは限りません。
自身の市場価値との照らし合わせに活用してください。

年代別の平均年収表

全年齢の平均年収 746万円
20歳~24歳 449万円
25~29歳 589万円
30~34歳 682万円
35~39歳 828万円
40~44歳 877万円
45~49歳 837万円
50~54歳 930万円
55~59歳 622万円
60~64歳 870万円
65~69歳 722万円
70歳~ 686万円

参照:職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)|政府統計の総合窓口

年代別の平均年収はこちらの通りで、全年齢の平均値を超えるタイミングは30代後半からになっています。
あくまで平均値ではありますが、30代後半以上まで根気強く公認会計士としてのキャリアを歩むことができるかどうかによって、目指す企業群などが変わってくるかと思います。

公認会計士のキャリアは年齢を重ねるごとに変化し、それぞれの年代で求められるスキルや仕事内容、年収の傾向が異なります。以下に、20代から60代までの公認会計士について解説します。

20代(資格取得〜30歳前後)

公認会計士は、まず監査法人で財務諸表監査からキャリアをスタートさせるのが多数派と考えられます。家業を継ぐ、ということで家族の経営する会計事務所、あるいは税理士法人でキャリアをスタートさせることもありますが、最初は「監査法人の事務所でスタート」という場合がほとんどでしょう。
このスタートラインの年収は、だいたい400~600万円程度といわれています。
他の業種の新卒社員と比較すると、恵まれているといえます。
その後、税理士法人・会計コンサルティング会社や、一般事業会社で財務・経理、または情報システムの事務などに転職する方も出てきて、徐々にキャリアの方向性もバリエーションに富んでいきます。

30代(3〜10年目)

30代になると、公認会計士としての実務経験が増え、より責任のある仕事を任されるようになります。大手会計事務所ではシニアスタッフやマネージャー職に就くことが多く、企業では財務部門や経理部門の中堅職として活躍します。この時期には、専門分野に特化した知識やスキルが求められるようになります。例えば、税務、監査、コンサルティングなどでの専門知識が深まるとともに、クライアントとのコミュニケーション能力やプロジェクト管理能力も重要になってきます。年収は600万〜900万円程度が一般的で、企業や事務所での昇進に伴い、年収は増加する傾向にあります。
Big4のマネージャー、あるいはそれに準ずるクラスの腕がある若手が、転職を考える場合、「これはどこで働きたいのか、年収を高くすることに価値をどれだけ見出せるか」は大きな問題になります。
キャリアの方向性が30代前半ではおおむね決まってくるのではないでしょうか。
公認会計士は、もともと資格と技能があり、競争力があるのに加え、企業の心臓部である財務・経理を担える職です。
そうなると、外資系でしたら例えばコントローラーオフィスに配属し、将来の幹部としよう、ですとか、あるいは経理・財務部の部長を狙える若手中枢社員として迎え入れよう、といった転職のお声がけも増えてきます。
その一方で、会計事務所の大きな案件に次々とかかわり、パートナーまで目指すのか、それとも転職して事業会社のエリートコースを行くのか。自分のキャリアの志向に合った場所はどこかあれこれ悩む方もいます。
こんな場合、やはり転職とともに、年収アップを狙うことも多いので、転職先は大手・準大手・外資系など、平均給与が高めに推移しているところを候補として考えますし、マネージャーになっているのであれば、年収で言うと、1,200万円を超えるところに狙いを定めることになります。
また、30代は独立開業を考える人が増える年代でもあります。
独立すると、しばらくは年収が下がることはよくあるものです。最初のうちは顧客がつかず月給0円となってしまうケースもあります。
弁護士など他の士業も同様ではありますが、よほどお客さんを連れて独立するような幸運に恵まれない限りは、事務所の立ち上げは経済的に厳しいものがあります。
しかし、軌道に乗れば勤務会計士よりも高年収が狙える可能性があるのが独立の魅力なのです。
営業力や経営マネジメント能力など独立会計士に求められる資質は多岐にわたりますが、儲けた分、給与が上がっていく仕組みになっているので、夢があるとも言えます。

40代(10〜20年目)

40代の公認会計士は、さらに年収にばらつきが出てきます。
この年代の公認会計士が突き抜けた高年収を狙うために必要なのは経営能力です。
すでに、公認会計士として十分な知見を持っている年代で、他の人と差がつく要素を考えると、CFO・コントローラー・財務担当役員といった一般事業会社のエグゼクティブになるためには経営者の目をもってビジネスを見ることができる、という点がもっとも重要な要素になります。
仮にそういった経営能力が付いたとすると、年収は青天井とも言ってよく、黙っていてもヘッドハンターが常時コンタクトを取ってくるような公認会計士になれるかもしれません。
Big4でパートナーになることも、経営能力が評価されてその道が開かれることです。Big4のパートナーは、非常に大きな案件に参画することもありますので、同時にリスクマネジメント能力を問われています。2~3000万以上の年収があり、毎日忙しいけれども新聞に載るような案件を多数手がけられる、そんな魅力的な待遇と、激務ではあるけれども、社会的意義も感じられる働き甲斐が待っています。
一方、経営はそこまで魅力的に感じないとしても、長年の経験を活かして、監査法人などの事務所幹部の場合でも、大手事務所のシニアマネージャーでしたら、年収は1500万円位の方も少なくありません。
40代、少々ゆっくり目の場合は50代から大手企業の部長職・外資系のAccounting VPなど、経済的にも仕事にも恵まれた生活を思い描くことができます。

50代(20年目)

50代は、公認会計士としてのキャリアが成熟する時期です。この年代では、パートナーや企業の最高財務責任者(CFO)など、高い役職に就くことが多く、非常に高い年収を得ることができます。特に大手会計事務所では、パートナーとして多くのクライアントを担当し、事務所全体の経営にも関与します。企業では、財務部門の責任者として、企業戦略やM&Aの支援を行うこともあります。この時期には、後進の育成や指導も重要な役割となり、業務だけでなく組織全体をマネジメントする能力が求められます。年収は1,200万〜2,000万円以上に達することが一般的です。キャリアのピークを迎え、多くの公認会計士がこの時期に最も充実した業務をこなします。

60代(定年後も活躍)

60代に入ると、定年退職後にフリーランスやコンサルタントとして活動を続ける公認会計士も多いです。この年代では、すでに確立されたキャリアを活かし、独立して顧問業務やコンサルティング業務を行うことが一般的です。企業の経営陣や事務所のパートナーとしての経験をもとに、新たな挑戦を続けることが可能です。年収はフリーランスやコンサルタントとしての仕事によって異なりますが、1,500万〜2,500万円以上を得ることができる場合もあります。特に経営に関するアドバイザーや指導的な立場に立つことで、非常に高い収入を得ることができます。

公認会計士のキャリアは、年齢とともに専門性が深まり、役職や責任が増していきます。それに伴い、年収も大きく増加する傾向にありますが、各年代ごとに求められるスキルや役割も変化します。公認会計士として成功するためには、経験を積むと同時に、適応力やリーダーシップ、後進の育成にも力を入れることが求められます。

年代別の平均年収は当てにしない方がいい?

ここまでで特に3,40代の公認会計士はキャリア次第で年収が大きく変わることが分かったと思います。20代についても監査法人以外に就職した人とも異なりますし、監査法人の中でもその規模感やエリアによって年収が変わってきます。
ですので、公認会計士の年代別の平均年収データはあるものの、それを鵜呑みにして自身に当てはめるのはあまり意味がないといえます。
もちろん一般的には年代が上がるに連れて経験年数も増える傾向にあるので、年収も上がります。しかし実務未経験の方はその年代別の年収データほどの年収をもらえるわけではないのです。

男女別に見る公認会計士の平均年収

年齢別では経験次第で徐々に年収を上げていくことができるとわかりました。
では、次に男女別で平均年収差があるか解説していきます。結論から申し上げますと、公認会計士は男女で年収の差は他の職種に比べては小さいといえます。下表で具体的に確認しましょう。

男性 女性
全体の平均年収 567万円 280万円
公認会計士の平均年収 914万円 804万円

こちらは厚生労働省のデータをもとに記載しておりますが、全体の男女の年収差は約287万円、公認会計士は110万円であることが分かります。
全体に比べれば少ないとはいえ、公認会計士も男女で差が100万円以上もあるのか…と落胆した方もいるかもしれません。

女性はキャリアの中断・働き方の変化がある

この年収差は女性の方が正社員ではない就業形態で働いたり、正社員でも時短勤務や残業なしでの働き方をする割合が高いことに起因します。つまり、ほとんどどの業界でもこの程度の差分は発生してしまうのです。公認会計士は資格があって成り立つ専門的な職業ですので、男女の仕事内容の差も待遇の差もありません。男女関係なく、仕事の実績でキャリアアップを目指すことができるので、女性も働きやすい環境と言えるでしょう。

職場別に見る公認会計士の平均年収

公認会計士の年収は、勤務する職場によって大きく異なります。監査法人、一般企業、コンサルティングファーム、独立開業など、職場ごとの特徴と平均年収を解説します。

監査法人(Big4などの大手監査法人・中小監査法人)

監査法人は、公認会計士の代表的な勤務先のひとつです。特にBig4(PwC、EY、Deloitte、KPMG)のような大手監査法人は待遇が良く、昇進のスピードも速い傾向にあります。一方、中小監査法人では、クライアントの規模が小さい分、年収もやや低めになる傾向があります。

平均年収の目安

アソシエイト(入社1〜3年目):500万〜700万円
シニアスタッフ(3〜6年目):700万〜1,000万円
マネージャー(7〜10年目):1,000万〜1,500万円
シニアマネージャー・パートナー(10年以上):1,500万〜3,000万円以上

監査法人では、経験を積むほど年収が上昇し、パートナーになれば高収入が期待できます。ただし、昇進には厳しい競争があり、長時間労働が求められることもあります。

事業会社(経理・財務部門、CFOなど)

公認会計士は、一般企業の経理・財務部門で働くケースも多いです。特に大手企業では、管理職以上のポジションで採用されることが多く、監査法人よりもワークライフバランスが取りやすい傾向にあります。

平均年収の目安

経理・財務担当(一般職):600万〜900万円
マネージャークラス:900万〜1,200万円
部長・役員クラス(CFOなど):1,500万〜3,000万円以上

企業の経理・財務部門では、安定した収入を得られる一方で、監査法人ほどの急激な年収アップは期待しにくいです。ただし、CFO(最高財務責任者)クラスになれば、監査法人のパートナー並み、またはそれ以上の高収入を得ることも可能です。

コンサルティングファーム(M&A、税務、経営戦略など)

近年、公認会計士の活躍の場として注目されているのが、コンサルティングファームです。M&Aや税務アドバイザリー、経営戦略コンサルティングなど、企業の経営に関わる高度な業務を担当します。特に、外資系のファームでは報酬が高い傾向にあります。

平均年収の目安

アソシエイト・コンサルタント:600万〜900万円
マネージャー:1,000万〜1,500万円
ディレクター・パートナー:1,500万〜3,500万円以上

コンサルティングファームでは、実力主義の評価制度が導入されていることが多く、成果を出せば短期間で年収を上げることが可能です。しかし、ハードワークが求められ、業務のプレッシャーも大きい点には注意が必要です。

税理士法人・会計事務所

税理士法人や会計事務所で働く公認会計士もいます。特に、税務を専門とする場合、税理士の資格も併せ持っているとより高収入を得ることができます。

平均年収の目安

スタッフ:400万〜700万円
マネージャー:800万〜1,200万円
パートナー:1,500万〜3,000万円以上

中小規模の会計事務所では、監査法人ほどの高収入は得にくいですが、独立開業の道があるため、将来的に高収入を目指すことは可能です。

独立開業(個人事務所経営)

独立して会計事務所を経営する場合、収入は完全に本人の営業力やクライアント獲得力に依存します。開業当初は収入が安定しないこともありますが、成功すれば大手監査法人のパートナー以上の収入を得ることも可能です。

平均年収の目安

開業初期(1〜3年目):500万〜800万円
安定期(3〜10年目):800万〜2,000万円
成功した場合:2,000万〜5,000万円以上

独立開業の魅力は、収入の上限がなく、自分の裁量で仕事を選べる点にあります。ただし、顧客獲得の努力やマーケティング、経営スキルも求められるため、成功には相応の努力が必要です。

雇用形態別に見る公認会計士の年収

公認会計士の年収は、雇用形態によって大きく異なります。安定した収入を得られる正社員、一定期間の雇用が保証される契約社員、自由な働き方ができる業務委託契約、企業のアドバイザーとして高額報酬を狙える顧問契約など、それぞれに特徴があります。

正社員

正社員として働く公認会計士は、監査法人や一般企業、コンサルティングファームなどに勤務し、固定給とボーナスを受け取る形で収入を得ます。若手のうちは500万〜700万円程度の年収が一般的ですが、経験を積み、昇進することで、マネージャーになると1,000万〜1,500万円、さらにシニアマネージャーや役員クラスになると1,500万〜3,000万円程度の収入も見込めます。正社員は雇用が安定しており、昇給のチャンスもありますが、企業や監査法人の勤務体系に従う必要があり、長時間労働を求められることもあります。

契約社員

契約社員として働く公認会計士は、特定のプロジェクトや人手不足を補う形で企業や監査法人に雇用されることが多く、雇用期間が定められているのが特徴です。年収は500万〜1,200万円程度と幅がありますが、仕事内容や契約内容によって大きく変動します。契約社員のメリットとしては、専門性を活かして特定の業務に集中できることや、フルタイムの正社員よりも柔軟な働き方ができる点が挙げられます。しかし、契約が終了すれば次の仕事を探さなければならず、雇用の安定性には欠けるため、長期的なキャリアプランを考える必要があります。

近年、女性の公認会計士が正社員としてではなく、時間の融通や働き方を緩めるためにあえて、契約社員の働き方を選択するケースもございます。

業務委託契約

業務委託契約で働く公認会計士です。これはフリーランスとして企業や監査法人、税理士法人と契約し、特定の業務を請け負う働き方で、収入は案件数や単価によって大きく変わります。年収は600万〜2,500万円以上と幅広く、特に専門性の高い案件を多くこなせば、高額な報酬を得ることも可能です。業務委託契約の最大の魅力は、働く時間や案件を自由に選べることですが、その反面、案件の獲得が安定しないと収入も不安定になります。さらに、社会保険や年金は自分で負担する必要があるため、会社員のような福利厚生は期待できません。

顧問契約

経験豊富な公認会計士が選ぶ働き方として、顧問契約があります。これは企業や個人事業主と契約し、継続的に財務や経営のアドバイスを行う形態で、特にM&Aや財務戦略などの分野で活躍するケースが多く見られます。顧問契約の報酬は契約内容によりますが、1社あたり月10万〜50万円程度の顧問料を受け取るのが一般的です。複数社と契約すれば、年間1,000万〜3,000万円以上の収入を得ることも可能です。労働時間が比較的短く、継続的な契約が取れれば安定した収入を確保できますが、新規のクライアント獲得が必要な点や、企業の経営判断に関与する責任の重さには注意が必要です。

このように、公認会計士の年収は、雇用形態によって大きく異なります。安定性を重視するなら正社員、特定の分野で活躍したいなら契約社員や業務委託、自由度や高収入を目指すなら業務委託や顧問契約と、それぞれのメリット・デメリットを理解しながら、自分のキャリアに合った働き方を選ぶことが重要です。

公認会計士の年収アップにおすすめの転職先

職場別に見る公認会計士の平均年収で解説しましたが、公認会計士の年収アップにおすすめの転職先を紹介していきます。

Big4監査法人に転職する

公認会計士が活かせる主な職場の中で高年収として一番ポピュラーなのは、Big4監査法人でしょう。これらの監査法人の平均年収は800万円~900万円程度で、公認会計士の平均年収よりもさらに100万円ほど高く推移しています。マネージャークラスで1,000万円前後、パートナーまでいくと1,500万円以上の年収が実現可能です。

知名度が高く、国内の監査案件の多くがこの4法人に集中していることや、専門性の高い業務に対応できることなどが、高年収の要因となっています。安定して高年収を稼ぎたい方にはオススメな一方で、高い役職や社歴の長い社員が多く在籍していわゆる「上が詰まっている」状態であるため、転職してすぐ高年収を実現するのは難しいでしょう。

独立・開業する

公認会計士として、企業などに勤めずに独立するのも高年収を実現するための手段として考えられます。非常勤として監査法人で働いたり、フリーランスでコンサルティング業務を行ったり、公認会計士事務所を開業するなど、様々な働き方が可能であるが特徴です。
場合によってはBig4監査法人より稼げるケースもあるものの、公認会計士としての業務スキルは勿論、営業力や経営力次第で年収が大きく変わってきます。また所属企業が無いため、うまくいかなかった場合は廃業や破産のリスクがある働き方と言えるでしょう。

M&A業界へ転職する

今回ご紹介している中で、最もオススメなのがM&A業界への転職です。M&A業界とは企業同士のM&Aをサポートする職種ですが、専門性が高いことなどから、日本でも有数の高年収が実現できる業界なのです。
M&A業界は、公認会計士の知識が活かせるため、未経験からでも活躍して高年収が実現できる可能性が高いです。
業務の難易度が高かったり、ハードワークが避けられないというデメリットはあるものの、独立と違い、自分の成果によって職を直ちに失う心配はありません。むしろ成果によっては3,000万円、5,000万円…と大きく年収を上げることができる業界です。
とにかく最大限に資格を活かして、年収を稼ぎたいという方はM&A業界を目指すのが良いでしょう。

公認会計士の年収の現実は?

平均年収が高めであることはお分かりいただけたと思うのですが、その内訳を見てみると公認会計士なら誰でも高年収というわけではありません。なぜなら3,000万円以上の超高年収を稼ぐ公認会計士がいる一方で、平均を大幅に下回る公認会計士もいるからです。
日本の平均年収や年代別の平均年収より低い年収で働く公認会計士もいるというのが現実なのです。

では、なぜ公認会計士という資格は同じにもかかわらず、年収の差ができてしまうのでしょうか。理由は下記です。

勤務先の規模や業界

大手の会計事務所や企業の財務部門で働く場合は高い年収が期待できますが、個人事務所や中小企業などでは比較的低いこともあります。

経験やスキル

若手の公認会計士や実務経験が少ない人は、年収が低くなる傾向があります。逆に、経験が豊富で専門的なスキルを持つ人は高い年収を得やすいです。

地域差

都市部の企業や事務所は高い給与を提供する傾向がありますが、地方では比較的年収が低くなることもあります。

転職やキャリアパス

公認会計士としてのキャリアを積む中で転職をする場合、大手企業に転職すれば年収は上がりますが、小さな企業や異業種への転職では年収が下がる場合もあります。

資格の取得後の活躍の場

税理士やコンサルタントなど、他の資格と組み合わせて幅広い業務をこなすことで年収アップが期待できることもあります。


前述のように、公認会計士になること自体が高収入を保証するわけではなく、キャリアや働く場所、スキルに応じて年収が大きく変動してしまいます。

公認会計士の年収の現実を知った時

このような公認会計士の年収の現実に対して、ギャップを感じてしまう人も珍しくありません。
折角時間やお金をかけて資格を取得したとしても、別のキャリアを選択してしまう方もいます。
ここでは公認会計士の年収の現実から生じるギャップを言語化していきます。
リスクヘッジにもつながるので、事前に懸念を把握して、その時に自身でどのように立ち回るかを考えておくと良いでしょう。

資格取得後の現実を甘く見ていた

資格を取った時点で高年収が得られると思い込んでいた人が、ギャップを感じやすいです。公認会計士試験を突破すること自体が非常に大変であり、資格取得後も業界や企業での実績がないと、最初は低めの年収でスタートする場合が多いです。

大手企業や事務所を目指していたが、競争に敗れた

大手の会計事務所や企業の財務部門で働くことを夢見ていた人が、実際には地方の事務所や中小企業に就職することになり、年収が低く感じることがあります。また、大手企業や事務所への競争は非常に厳しく、最初は年収が低くても、実力を証明して昇進を果たすことが求められます。

若手のうちは年収が低いことを理解していない

若手の公認会計士は、資格取得後すぐに高年収を得ることは難しく、まずは実務経験を積む必要があります。経験が浅い時期は、他の職種に比べて年収が低いと感じることもありますが、キャリアを積むことで年収は増加することが一般的です。

大きな仕事を担当することに対する期待が高すぎる

公認会計士は、税務や監査、コンサルティングなど多様な仕事を担いますが、初めのうちはそれらの大きな案件を担当することは少なく、日々の業務の中で経験を積んでいきます。そのため、最初は地道な仕事が多く、思っていたようなスピードでキャリアアップできず、年収に対してギャップを感じることがあります。

起業やフリーランスでの高収入を期待していた

自分で事務所を開業したり、フリーランスとして独立することで高収入を期待している人もいますが、実際にはクライアントの獲得や安定した収入の確保が難しいことが多いです。開業当初は安定収入が得られず、生活が厳しいと感じることもあります。

福利厚生やボーナスに過剰な期待をしていた

公認会計士として働く企業によっては、基本給は高いけれども福利厚生やボーナスが少ない場合もあります。福利厚生やボーナスが充実している企業もありますが、それが期待通りにいかないと感じる人もいます。


前述のような特徴を持つ人々が、公認会計士の年収に関して現実と理想のギャップを感じることが多いです。成功するためには、業界の特性を理解し、長期的な視点でキャリアを築いていくことが重要です。

公認会計士で転職を考えているあなたへ

公認会計士として働いていると、「キャリアの幅を広げたい」「年収を上げたい」「今の環境を変えたい」といった理由で転職を考えることがあるでしょう。公認会計士は幅広いキャリアパスがあるため、どの道を選ぶかが非常に重要です。ここでは、転職を成功させるためのポイントや、具体的な選択肢について詳しく解説します。

転職を考える主な理由とキャリアの方向性

転職を検討する公認会計士には、主に以下のような理由があります。

◆給与・待遇の向上を目指したい(年収アップ、インセンティブのある環境へ)
◆ワークライフバランスを改善したい(長時間労働・繁忙期の負担軽減)
◆専門性を活かしてキャリアアップしたい(監査からM&A、CFOなどへ)
◆独立・起業の準備をしたい(会計事務所開業やコンサルティング業)
◆業務内容に飽きた、別の分野に挑戦したい

自分がどの理由で転職を考えているのかを明確にすることで、次に進むべき方向が見えてきます。

公認会計士の主な転職先とメリット・注意点

おすすめの転職先は前述の通りですが、メリットと注意点についてご紹介します。

監査法人→監査法人(他の法人へ転職)

監査法人内での転職は、大手法人(Big4)→準大手・中堅法人、またその逆パターンが多いです。

転職のメリット

◆給与が上がる可能性がある(特に準大手や外資系監査法人)
◆マネージャー以上のポジションで転職すると大幅な昇給も
◆新たな業界のクライアントを担当できる

注意点

◆監査法人の働き方自体は大きく変わらない
◆Big4から中小監査法人へ移ると年収が下がる場合がある

監査法人 → 一般企業(経理・財務・CFO候補)

監査法人で経験を積んだ後、事業会社の経理・財務部門に転職するのも一般的なキャリアパスです。特に、上場企業や外資系企業では公認会計士のスキルが重宝されます。

転職のメリット

◆監査の立場から企業の「経営」に深く関われる
◆ワークライフバランスが向上する(監査法人より残業が少ないケースが多い)
◆将来的にCFO(最高財務責任者)などのポジションを目指せる

注意点

◆監査法人に比べて、年収が下がるケースもある(特に最初の数年)
◆企業の文化や意思決定プロセスに慣れる必要がある

監査法人 → コンサルティングファーム(M&A・FAS・戦略コンサル)

公認会計士のスキルを活かして、M&Aアドバイザリー(FAS)や戦略コンサルティングの分野に転職するケースも増えています。

転職のメリット

◆年収が大幅に上がる可能性が高い(特に外資系ファーム)
◆監査だけでなく、M&A、事業再生、財務戦略などの高度な業務に携われる
◆企業経営に関与でき、スキルアップにつながる

注意点

◆労働時間が長くなる可能性がある(特に外資系)
◆コンサル業界特有のカルチャーに適応する必要がある

監査法人・企業 → 独立・開業(会計事務所、コンサル)

経験を積んだ後、独立して会計事務所を開業するケースもあります。税務顧問や財務アドバイザーとして中小企業を支援するビジネスが主流です。

転職のメリット

◆収入の上限がなくなる(成功すれば年収2,000万~3,000万円以上も可能)
◆自分のペースで働ける(自由度が高い)
◆好きな業務に特化できる(IPO支援、M&A、税務など)

注意点

◆顧客獲得が最大の課題(営業力が必要)
◆事務所経営のスキルも求められる
◆収入が安定するまで時間がかかる

公認会計士の転職を成功させるために

公認会計士は、その専門性の高さから転職市場での需要が高い職業の一つです。しかし、適切な転職先を選ばないと「思っていたキャリアと違った」「年収は上がったが、ワークライフバランスが崩れた」といった後悔につながることもあります。ここでは、公認会計士の転職を成功させるためのポイントを解説します。

自分の市場価値を知る

公認会計士として転職する場合、「自分がどれだけ市場で評価されるのか」を把握することが重要です。

監査法人出身者の市場価値

◆Big4出身者は、一般企業やコンサル業界で高評価を受けやすい
◆中小監査法人出身者でも、IPO支援経験や内部統制の知識があれば転職で有利

年齢・経験別の市場価値

◆20代(シニアスタッフクラス):監査業務の基礎力が評価され、経理・財務部門への転職がしやすい
◆30代(マネージャークラス):マネジメント経験が評価され、CFO候補やコンサルティング業界への転職が有利
◆40代以上(シニアマネージャー以上):事業会社のCFOや独立の道も視野に入る

転職エージェントに相談したり、同業者のキャリア事例を調べたりして、自分の市場価値を把握しましょう。

転職活動の準備をしっかり行う

履歴書・職務経歴書のブラッシュアップ

◆監査法人での経験を具体的に記載(例:IPO支援、M&A監査、内部統制構築など)
◆数字を使って実績をアピール(例:「担当した企業〇社のうち△社がIPO達成」)

面接対策をしっかり行う

◆転職理由を論理的に説明できるようにする(「なぜ転職するのか?」を明確に)
◆自分の強みを言語化する(例:「財務DDに強い」「クライアントとのコミュニケーション力が高い」)

転職エージェントを活用する

◆会計士専門のエージェント(ヒュープロ、MS-Japan、JACリクルートメント、リクルートエージェントなど)を利用
◆非公開求人や年収アップの交渉をしてもらう

年収交渉を積極的に行う

転職先のオファーを受ける前に、年収交渉をしっかり行いましょう。

◆転職エージェントを活用する(エージェント経由なら交渉しやすい)
◆市場価値をもとに適正な年収を把握する(業界の相場を知る)
◆即決せず、比較検討する(複数のオファーを得てから決断する)

監査法人から一般企業やコンサルに転職する場合、最初のオファーが低めに設定されることも多いため、遠慮せず交渉することが大切です。

公認会計士の転職はヒュープロで!

公認会計士の年収が高いといわれるのは現実にその通りです。
経験年数が長くなると経営能力が問われ、能力如何によっては、いくらでも稼ごうと思えば稼げるのが公認会計士の魅力でもあります。

難易度が高く、非常に市場価値の高い資格ですから、キャリアプランを描く時にはご自身をなるべく高く評価してもらうことを考えたいですね。

キャリアプランのご相談や転職のお悩み相談、自身のアピールポイントについてのブレストなどは、公認会計士などの士業・管理部門の転職に強みのあるヒュープロにお任せください!

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:転職・業界動向

おすすめの記事