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公認会計士の年収・待遇のイマとミライ。今後も稼げる職業なのか?

HUPRO 編集部
公認会計士の年収・待遇のイマとミライ。今後も稼げる職業なのか?

公認会計士になれば、高収入で待遇も良く安泰というイメージがありませんか?そのイメージは本当でしょうか。また、将来も同じく安泰と果たして言い切れるのでしょうか?この記事では、現役公認会計士が公認会計士の年収や待遇について、今後の見通しも含めて、キャリア別にご紹介していきます!

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公認会計士は儲かる資格?

公認会計士試験受験生や若手公認会計士の方とお話すると決まって出る話題が、「なぜ公認会計を目指そうと思ったか」です。そして、決まって出る回答の一つが「高い給料・待遇が期待できそう」というものです。私自身も受験のきっかけの一つでした。世間的にも、公認会計士のイメージとして高収入というところは少なからずありますよね。
では果たして、公認会計士は今までもこれからも儲かる資格なのか?先に答えを申し上げると、半分正解といったところでしょうか。今回はココについて触れたいと思います。

監査法人の場合

公認会計士として働く場合、最もメジャーなキャリアはやはり監査法人です。
一般的な監査法人について単純に申し上げると、職層が5区分に分かれます。パートナー(orディレクター)>シニアマネジャー>マネジャー>シニアスタッフ>スタッフ、です。マネジャー以上がいわゆる管理職で、最上位のパートナーになると、職責や給与も上位層の中でさらに細分化されていきます。スムーズにいけば4~5年程度で昇格する場合が多いようです。
そして待遇です。当然どのサービスラインに属するかで大きく変わるものの、若い年次のうちはコスパがよいと思います。相対的に基本給も高いですし残業時間・手当も多いため、やはり事業会社の平社員と比較すると給与水準は基本的に高いです。法人や部署よりけりですが、20代で1千万近い水準も狙えます。ただし、これが上位層になっていくと伸び幅が少なく、だんだん事業会社の管理職に追いつかれていく印象です。
待遇にフォーカスして今後の見通しを考えると、ポイントは2点かと思います。まず、①会計士人材の不足。会計士受験者の減少もあり、ここ数年監査法人の業界は売り手市場が続いているようです。大手監査法人も採用活動は注力しており、その意味で給与水準を下げるタイミングにはないように思えます。次に、②働き方改革。他業界の例にもれず、監査法人もモーレツ会計士によるブラックな働き方がかつては常態化していましたが、やはりこれも見直す動きはあるようです。当たり前のことですがちゃんと稼働時間は記録して、無駄な仕事は見直すなど。そうした残業時間削減の向きはあるものの、サービス残業はかつてほど蔓延しない、といった方向に進んでいくのではないかなと思います。
このように今後を考えると、監査法人勤めの年収・待遇は悪くはなる可能性は低く、多少改善する可能性がある、といったところと思われます。

一般事業会社の場合

近年、監査法人の次にメジャーな選択肢となりつつあるのが、一般事業会社勤務かと思います。大企業の経理部であれば会計士ホルダーもそこまで珍しくないようです。
さて、事業会社の待遇です。こちらについて結論から申し上げると、基本的にはサラリーマンと同じです。給与テーブルについて公認会計士用のものが別にあるわけではないので、新卒入社見合いの年次相当の給与水準が適用される、というパターンが一般的なのではないでしょうか。また、資格手当が支給されたり、公認会計士登録料を企業が負担してくれたり、ということはほとんどないように思います。筆者の場合、特に公認会計士登録料は監査法人勤めの頃は法人が負担してくれていたため、転職してから「え、こんなに払うのか・・・」と痛感した記憶があります。
一方監査法人にはないメリットとしては、やはり福利厚生でしょうか。家賃補助や社宅制度、社員食堂や外部研修受講支援等々、いわゆる大企業であればこの手の福利厚生制度は充実しています。
先述のように、企業における採用の選択肢として公認会計士という人材が徐々に浸透してきており、また、企業も人材不足が続いているため、求人自体は今後拡大していくと思います。ただし、ヘッドハンティング等ではなく通常の就職/転職活動をして事業会社に入社する限り、通常のサラリーマンの待遇に合流する、と考えておいた方がよいかもしれません。福利厚生のメリットを考えたとしても、監査法人以上の年収を確保することは、特に若手のうちは難しいかなというのが率直な印象です。

その他の選択肢

公認会計士の活躍するフィールドは様々です。会計士の集まりに参加すると働き方の多様性に驚かされます。その他の選択肢としてよく聞くところとしては、独立開業したり、コンサルティングファームやスタートアップ企業にCFOやマネジャーとして勤務したりすることが考えられます。
独立開業やコンサル・スタートアップ勤務として公認会計士が働くことの強みの一つとして、公認会計士という資格の信用力を生かせるという点があります。要するに、名刺に「公認会計士」と入っているだけで相手方の第一印象が良くなるということです。監査法人は当たり前ですが公認会計士ばかりの組織ですし、事業会社で働く場合は資格を表に出して業務をする機会は少ないように思います。
このようなキャリアを選択した場合の待遇ですが、これは本当に区々としか申し上げられません。独立開業は言うまでもないですよね。コンサルだと年棒制だったり完全歩合制だったりしますし、スタートアップだと交渉次第、というところもあります。また、スタートアップだと給与だけでなくストック・オプションが魅力ですよね。
なお、監査法人や事業会社に比較すると、総じて激務であり、ハイリスクハイリターンというところが多いかもしれません。これはイメージ通りかと思います。

結論!公認会計士=儲かるは半分正解

さて、冒頭に触れましたが、公認会計士という資格は儲かるかというと、儲かる可能性が大いにある資格だと思います。今までもこれからも儲かる働き方をしている人もいるし、そうでない人もいます。
言い換えれば、公認会計士試験に合格することが大きなゴールで高収入が約束される、という資格ではありません。公認会計士であれば誰でも安定して儲かるといえるのは、監査法人勤めの最初の数年間程度です。数多くの選択肢の中からキャリアプランを考え、そのゴールを高収入にしたり、やりがいにしたり、ワークライフバランスにしたり・・・色々な働き方を選べる資格です。弁護士や医師、不動産鑑定士など他の難関資格に比べて、この働き方の多様性という点は公認会計士が一番のような気がします。
このような公認会計士という資格の良さを生かすためにも、自己研鑽を続けて賞味期限切れの会計士にならないよう努めることが必要だと思います。

この記事を書いたライター

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