士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

資産税に強い税理士の転職事情を解説!待遇はよくなる?

HUPRO 編集部
資産税に強い税理士の転職事情を解説!待遇はよくなる?

クラウドサービスや RPA の導入により、単純作業でなく、税理士の資格や専門性を活かして働けるキャリアを希望される方が増えてきています。その中でも特に「資産税(相続・事業承継)」の分野は、特化型税理士法人・会計事務所が多く、専門性を身につけやすい一つの分野といえるでしょう。

資産税に強い税理士の転職事情はどうなっているのでしょうか?
この記事では税理士の転職について、資産税分野での市場トレンドや、転職先の選定方法について解説していきます。税理士や会計事務所勤務で、資産税分野でのキャリアに興味のある方は必見です。

資産税とは?

資産税とは資産の保有や取得、売却に対して課税される税金の総称です。具体的には国税では相続税や贈与税があり、地方税では固定資産税などが挙げられます。

相続税は相続等によって財産を取得したときに、その取得した財産に課される税を言います。財産の価額が高くなると、税率が上がる累進課税が適用されるので、財産の価値を正確に評価しなければなりません。
一方、贈与税は、個人からの贈与によって財産を取得したときに、その取得した財産に対して課される税のことを言います。生前に贈与するのと死後に贈与するのでは税率が異なり、1年間の受贈財産額によって税率も変わってきます。

こうした資産税は臨時的に発生する税金で、専門的な知識がなければ正確な税額を計算することができません。しかも、算定の根拠となる財産の評価額は資産によって異なるので、これをきちんと時価で評価しなければなりません。

このように資産税業務は高度な専門知識が要求され、処理が複雑であるため資産税専門の税理士法人が存在したりします。

資産税分野に強くなることのメリット

他の税理士との差別化を図る方法の一つに専門性を高める方法がありますが、資産税分野での専門性を高めると転職に有利になります。

資産税分野は、税理士の転職先の中でも、近年とても人気の分野の一つです。
人口の急速な高齢化に伴い、案件数や規模が増えているものの、その複雑さから対応できる税理士・会計事務所が少なく、市場の需要に対して供給が追いついていないことが理由として挙げられます。

また、特化型会計事務所のみならず、多くの大手税理士法人に「専門チーム」が置かれていたり、独立をした際にどの地方でも案件が存在したりと、キャリアの選択肢を広げやすいメリットもあります。

資産税に強い税理士の高騰する市場価値

待遇面についても、給与面・労働環境面(休日や福利厚生)共に最も改善の余地が見られる分野の一つです。

給与面については、案件数の増加に対して専門人材の数が追いついていないため、市場価値が高くなっていることが要因と考えられます。そのため年収も上がることが期待できます。

また、労働環境面は上記に加えて、比較的案件をコントロールをしやすく、個人やチームのペースで進めやすいという特徴も影響しているでしょう。
相続などの資産税分野は、ワークライフバランスを取りたい方にも向いているといえるかもしれません。

転職の際の資産税特化型税理士事務所の選び方

今回は広く「資産税特化型税理士事務所」とカテゴライズしておりますが、各会計事務所によって特徴は様々です。
税理士法人・会計事務所の転職先を選択する際に重要な「顧客層」「サービス提供内容」「働く組織・メンバー」の三点について、資産税特化型税理士事務所ならではのポイントをまとめます。

「顧客層」について

資産家や経営者などの富裕層を中心とした個人が顧客層となります。
一概に富裕層といっても、東証一部上場企業経営者や超一流プロポーツ選手に代表される「超富裕層」に対して、深く丁寧に業務を遂行するのか、地方の地主などの一般的な「富裕層」に対しての税務申告や相続対策を複数並行して遂行する必要があるのかで、業務の進め方は大きく異なってきます。

「サービス提供内容」について

資産税分野のサービス提供内容については大きく二つに分けることができます。
一つは、相続税や贈与税のような、資産税に特化した「税務申告」を中心に行っている会計事務所で、他方は、相続や事業継承の対策について「コンサルティング」を行っている会計事務所です。顧客層の傾向としては、前者は比較的小規模な顧客が多く、後者は資産を多く持つ「超富裕層」の場合が多いです。

また後者のコンサルティング業務の方が複雑な業務を求められることが多くなります。

「働く組織・メンバー」について

資産税分野では、業務の特性上個人主導で業務を遂行している事務所が法人税や国際税務など他分野に比べて非常に多いです。
したがって、チームで連携して働きたい方や、教育体制の整った環境で働きたい方は、注意して転職先を選ぶ必要があるでしょう。

制度面については求人票に記載があることがほとんどですが、実際の運用状況・社内の雰囲気などは Web 上ではわかりにくいことがあるため、組織の制度や雰囲気が気になる方は、エージェントを積極的に利用すると良いかもしれません。

▶︎ 税理士・税務スタッフの転職・求人情報を探す|最速転職HUPRO

資産税のキャリアに関心のある税理士の方へ

資産税については特化型税理士法人・会計事務所がまだまだ多いですが、最近はその後のキャリアの多様性から「中堅・大手税理士法人の資産税部門」を選択する方も増えてきています。
また、市場全体にしっかり経験を積んだ税理士が少ないことから、教育・研修制度をしっかり整えている税理士法人も多いです。

資産税の分野は、今非常に人気で、分野未経験の方にとっても待遇が良く、とてもタイミングの良いキャリアといえます。
「将来的に独立を考え、きちんと食べていける専門性を身につけたい」「これまで培った経験を活かして、より働きやすい税理士法人で働きたい」「資産税の分野で、最短でキャリアアップできる方法を探している」という方は、求人サイトや転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:転職・業界動向

おすすめの記事