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知っておきたい!会計システムの知識

HUPRO 編集部
知っておきたい!会計システムの知識

経理の業務効率化を推進するために、会計システムを新たに導入したり、今まで使っている会計ソフトを変更したい場合、どのような観点で会計システム選べばよいかお困りではないでしょうか。本記事では会計システムについての基礎知識と、導入時の選定ポイントについて解説します。

会計システムの機能

会計システムの主な機能としてはは財務会計、管理会計、債務・支払管理の3つがあります。以下、順にみていきましょう。

(1)財務会計システム

財務会計システムは、データを入力することで、財務会計に必要な書類を自動的に作成してくれるシステムです。大元の仕訳伝票を作成することがベースになっています。
具体的には以下のような機能があります。

伝票入力

仕訳伝票を入力することで、売掛帳、買掛帳、現金出納帳などを作成してくれます。仕訳伝票については、目の前にあるものから入力しても、日付順に並べ直すことが可能です。勘定科目の一覧から選ぶようになっていますが、独自の勘定科目を設定することもできます。

決算

仕訳伝票のデータから決算に必要な財務諸表などを作成してくれます。税務申告用の書類も自動で作成が可能です。

帳票出力

作成した各種帳票をPDFなどで出力して印刷することができます。

(2)管理会計システム

管理会計システムは、財務会計のデータを分析できる機能です。提供される資料は会計ソフトなどによって異なりますが、キャッシュフローレポートや仕入れ先別データなど、仕訳伝票データを元に、分析に必要な資料を作成してくれます。
さらに細かい経営分析をしたい場合は、出したデータを加工したり、別のシステムと連携させることもあります。

会計システムを導入することで、いわゆる会計の生データが抽出できますので、それをもとに様々な切り口で資料を作成し、予算管理や売上目標の設定のシミュレーションを行うなど、経営の重要な意思決定に寄与することができるでしょう。

(3)債務・支払管理システム

債務・支払管理システムは、買掛金や未払金などの債務情報や売掛金、入金などの債権情報を集計し、管理するシステムです。

売掛金や買掛金などの処理は、決算までに済ませておく必要がありますが、滞りがちな処理でもあります。会計システムを導入することで、未払いや未支払いになっているデータを一元管理できますので、期ズレを防ぐことにも役立ちます。

会計システムの主なタイプ

経理・会計業務に関わる担当者にとって、どんな会計システムを導入するかは業務の進め方を大きく変えてしまうことになる重要な選択となります。
導入の初期費用もそうですが、ランニングコスト、社員の入力がある場合は研修などの実地も必要になるので、選定については慎重な検討が必要です。

さて、会計システムについては、大きく分けると3つのタイプに分けられます。それぞれのタイプについて見ていきましょう。

(1)システム型

自社のサーバにパッケージソフトウェアをインストールして使うものと、ゼロから会計システムを構築するものと別れます。

自社サーバで運用してるため、社内ネットワークに接続された全てのPCから処理を行うことが可能という特徴があり、システムの内容を自社にあわせてカスタマイズできるというのは大きなメリットです。基幹システムと連携し、営業、人事データなどとも統合されている場合もあります。

しかし、環境の構築からシステム開発までを一括して行うため、お金と時間がかかるのがネック。さらにサーバ代や、税制改革などのアップデートなども含めてランニングコストもかかります。

(2)インストール型

PCに会計ソフトをインストールして使用するタイプです。その会計ソフトをインストールしたPCでしか使えず、ライセンス契約を結ぶことになります。

買い切りのソフトウェアのため、一番導入費用が安いというのが大きなメリットです。しかし、カスタマイズはほぼできないので、会計ソフトのルールに合わせて使用しなくてはならないことと、アップデート対応のほかに、ソフトウェアの更新が行われた場合は新たに購入しなけらばならない場合があります。

(3)クラウド型

ここ数年で(2)のインストール型から急速に乗り換えも生じているのがこのクラウド型です。クラウド上にある会計ソフトにアクセスして使用するタイプなので、インターネット環境さえあればいつでもブラウザから利用可能です。月会費や年会費などのランニングコストはかかりますが、導入費用はさほど高くもなく、インストールなどの手間の不要で、アクセスすればすぐに導入可能です。インターネットさえ接続できればどこからでも利用でき、さらに税制改革などのバージョンアップも行う必要はありません。
しかし、インターネットが接続できないところでは使用できないので、ネット障害などには要注意です。

会計システムの選定ポイント

何のために会計システムを導入するのかというところから考えてみましょう。
会計システム導入の目的は基本的に効率アップを測るためというのが大きいですが、他にも自社に独自の処理があった時に取り込めるか、経営管理のための資料を作成できるかなど見るべき点がいくつもあります。

いくつか会計システムを選定するにあたってのポイントをまとめてみました。

(1)入力業務を効率化できるか

仕訳伝票の入力作業については、全ての会計データの基本になるため、必ず行わなければなりません。このインターフェースは各会計ソフトにより異なります。
同じような内容については自動で処理してくれるか、銀行からのデータなどをそのまま流し込めるかなど、入力業務が効率的にできるかどうかを見ることが大事です。
テスト使用ができるようであれば実際に画面を動かしてみて確認するなど、使い勝手の良い入力画面かどうかチェックしてみましょう。

(2)消費税改正など税制・税法の改定に対応しているか

会計基準や税法などについては、結構な頻度で変わったりします。そうした変更を自動的に取り入れてアップデートできるかどうかというのは大きなチェックポイントです。インストール型やシステム型は、アップデート処理もしくはソフトウェアの貝直しが必要になりますが、クラウド型はクラウドの方で自動アップデートするので、基本的に対応は不要です。

(3)費用は予算内に収まっているか

会計システムの導入費用や運営にかかるランニングコストは、費用計上できるとはいえ、余りに多額になる場合は、経営にとってマイナスです。自社の環境に合わせてカスタマイズできるのが魅力のシステム型は、サーバ導入や開発から行うので費用が掛かります。また、買い切り型のインストール型についても、Windows7を10にするには買い替えないといけないように、アップデートで対応できない場合はソフトウェアの購入になります。こうしたコストを比較して、それだけの価値があるのかを見極める必要があります。

(4)担当税理士や会計士が会計システムに理解があるか

会計システムは基本的に仕訳が適正に行われていれば、各種帳票は自動で作成できますが、最終的に数値が合わない時に、その帳尻を合わせるための作業が発生します。この時に、担当税理士や会計士がその会計システムについて良く知っているようであれば、作業を進めやすくなります。必須ではありませんが、同じシステムを利用しているようであれば、申告作業もスムーズに進むでしょう。何を導入して良いかわからない場合は、まず相談してみるのがおすすめです。

(5)乗り換えや導入支援があるかどうか

今まで使っていた会計システムから他の会計システムに乗り換える時、導入支援があるかどうかという点も見ておきたいところです。システム変更には多大な作業がかかりますが、使いにくいシステムを、乗り換えが大変だからといって使い続けることによってロスする時間を短縮することができるかどうかは大切な観点です。

当コラム内では、会計システムについての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。
参考記事:経理の仕事がこんなに楽に!クラウド会計のメリット
参考記事:ビジネスには欠かせない 管理会計の重要性

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