転職するしないに関わりなく、スキルアップのために様々な勉強をされている方は多いと思います。しかし、経理や財務部門でないからといって、会計知識を学ばないというのは非常にもったいない話です。会社の企業活動を成り立たせている会計の知識を得ることで、今後のキャリアの可能性も広がるかもしれません。本記事では、ビジネスマンが学ぶべき会計知識とその必要性について解説します。
現在の勤務先の決算書をチェックしていますか?
上場企業や大企業であれば、一般への開示義務がありますので、自社のWEBサイトなどに掲載されていることが多いです。また、ディスクロージャー誌などを作成している場合は、社員への開示もあります。
損益計算書や貸借対照表などの財務諸表は、会社の姿がある意味丸裸にされてしまうからだといえます。
当年分だけでなく、過去さかのぼって決算書類をチェックすることで、現在の会社の財務健全度やこれからの成長見込みを総合的に判断するためには会計の知識は不可欠です。
大きな企業ほど、自分の部署だけでは、会社の全体像というのは見えづらいものがあります。例えば売上が高いような部門に配属されていれば、自分の会社はなんだかんだと好調だと思ってしまいそうになるからです。実は他部門の売り上げ減をカバーしていて、全体的にはマイナスということも普通にある事ですが、自分の評価には反映されないので気づきづらいということもあるでしょう。
また、売上が関連しない部門でも、経理部門のように会社の経営状況を直に見るような部門でない限り、同じような傾向が見られます。
転職を検討している場合は、給与や福利厚生などの待遇に目がいきがちですが、その原資はどこから出ているかというと、決算の数字に現れています。目先の条件に釣られて転職したら、実は会社が倒産寸前だったというようなことにならないためにも、転職希望の場合は候補先の決算書を読めるくらいの知識があった方が断然有利です。
もし、一般社員で管理職でない場合は、管理職からの指示に従って所定の成績を収めていれば、昇級できるかもしれません。しかし、その上に行きたいという気持ちがあるのであればなおさら、広い視点で自社や競合他社を見ることができる会計知識を持っておくことは非常に大きなアドバンテージです。
会計知識を身に着けろといっても、公認会計士などの資格を目指せというのではありません。あえていえば、会社四季報などで決算情報に触れた際に、業界別・会社別の財務状況を見て、現在の状況とこれから伸びそうかどうかがある程度根拠を持って語れるようになると良いでしょう。
「実は、会計知識の勉強にチャレンジしたけれど挫折した」という人は結構います。それはおそらく、学ぶならちゃんとしようと資格の勉強に使うような入門書からはじめたからではないでしょうか。
いまおすすめしている「会計知識」は、あくまで自社や転職希望先の会社、それらにまつわる業界や競合他社の状況を財務諸表から読み取れることを目的にしています。公認会計士のような専門職を目指すわけではないので、実用書がおすすめです。
例えば、
・ストーリーでわかる財務3表超入門―お金の流れで会計の仕組みが見えてくる
・会社四季報から始める企業分析 最強の会計力」東洋経済新報社
・現場で使える 会計知識 (アスカビジネス)
・「専門家」以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書
といったような、専門家向け以外に向けて書かれた本を読んでみて、具体的な決算書と照らし合わせながら、知識の定着を図るというような勉強の仕方はいかがでしょうか。
そこから興味を持てるようであれば、もっと専門的な知識を身に着けるような勉強を行ったり、簿記などの資格を取るなどといったことを考えてみるのも良いでしょう。
現在、会計とは全然関係ない職種にいる方ほど、実は会計知識を身に着けておいた方が、周りとは違う強みをアピールできるので、得することが多いのです。
ぜひ会計知識を身に着けて、今までとは違った視点で会社を見てみてくださいね。
当コラム内では、会計知識についての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。
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